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LIXIL「布製の風呂」取り外し可能でシャワー広々。節水効果も
2024年10月18日 18:15
LIXILは、布製の浴槽を備えた浴室空間「bathtope(バストープ)」を11月26日(いいふろの日)に発売する。価格はタイプによって異なり、55万円~200万円。
使用後はコンパクトにたたんで収納できる布製浴槽(ファブリックバス)を採用。バスルームとしても、浴槽を取り外してシャワールームとしても使える、浴室の第3の選択肢として提案する。
また浴室をコンパクト化できるため間取りの自由度が向上するほか、身体にフィットする布製浴槽の特徴から節水も実現するという。
bathtopeはシャワーユニット空間と布製浴槽を組み合わせた製品。サイズは1216(0.75坪)のみだが、長辺方向に1600サイズの浴槽を実現。シャワー浴と浴槽浴を切り替える使い方により、同サイズのユニットバスの窮屈さを解消するという。
さらに、浴室がコンパクトになることで、前室空間を広げるなど、建築側に自由なスペースを提供できるという。
浴槽の主な素材はPETとポリエステル。防水性能を高めるため、縫製箇所を最小限に抑えた。耐荷重については、水量140Lで体重100kgの人が入浴しても問題ないように試験しているという。
ファブリック素材を採用したことで、硬いバスタブとは異なる弾力性や浮遊感、包まれるような感覚が味わえるという。特に背中から首にかけて素材がフィットし、リラックス姿勢をサポートする。
バスタブが身体にフィットすることで節水も実現。同じ1600サイズのFRP浴槽と比べて約26%、50Lの節水効果があるという。
使用時は手持ちシャワーまたは水栓を使って湯を貯める。給湯設備とは繋がっていないため、自動給湯や追い炊きなどは不可。
手入れは通常の浴槽と同じように、浴室洗剤とスポンジでこするようにして洗うか、たらいなどに水をため、洗濯洗剤で手洗いすることを案内している。なお、防水性素材を使用しているため、洗濯機では洗えない。
浴槽のカラーはブリックレッド、アクアブルー、クラウドホワイト、ウィートベージュ、フォレストブラックの自然をイメージした5色。
販売タイプは意匠と機能の異なる3種類。価格は、スリムテンパー引き違い戸を採用し、浴槽2セットが付属するGタイプが200万円。片引き戸、浴槽2セット付属のSタイプが85万円。片引き戸、浴槽1セット付属のEタイプが55万円。従来の代理店に加え、LIXILオンラインショップでも工事付きで販売。個人で購入できるようにしている。
新発売のbathtopeはLIXILの社内公募から誕生した。原案、そして開発を担当した同社 LIXIL Water Technology Japan 浴室事業部 浴室開発部 デザインG グループリーダーの長瀬徳彦さんが、開発の経緯について説明する。
bathtopeは「bath」と「biotope」を組み合わせた造語。入浴文化を将来に繋げていきたいという思いと、多様な生物の住処であるビオトープのように皆が生き生きと暮らす場所のイメージを掛け合わせ、自由で柔軟な浴室を目指していきたいと名付けた。
長瀬さんによると、浴槽浴中心の暮らしから、現在はシャワー浴+浴槽浴のミックススタイルが主流になりつつあるという。このライフスタイルの変化に対する解決方法について、日本の伝統的な思想である「ハレとケ」をヒントにした。
日常と非日常を明確に分けることにより、ハレの非日常ではファブリックバスを使って浴槽の体験価値を高め、ケの日常では、浴室から浴槽を取り除くことで広い空間で体を洗える、洗いにくいものもなくなるといった二面性が生まれるという。こうした二面性が、例えば平日と休日で入浴方法を変える、気分に合わせて選ぶという風に、生活に変化をもたらすとしている。
ユニークな製品であるため、ターゲットには感度が高いアーリーアダプターのほか、シングルや2人暮らし世帯、都市部のマンションのスケルトンリフォームといったケースを想定している。
製品は10月18日(金)~27日(日)に開催の「DESIGNART TOKYO 2024」に出展され、実際に目にすることができる。bathtopeの展示場所は、東京都港区のワールド北青山 1階裏庭。