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パナのエアコン、使い続けると次の省エネモデル開発費に活かされる新施策
2024年10月18日 15:39
パナソニック 空質空調社は、同社製の家庭用省エネエアコンを使うユーザーを対象に「エアコン環境貢献プログラム」を10月21日より開始する。CO2排出削減した量を売却することで利益が得られる国の制度「J-クレジット」を使って環境への貢献を実感できるようにするもので、同制度にルームエアコンを活用するのは業界初という。
J-クレジットは、省エネや再エネ設備の導入、森林管理などによる温室効果ガスの排出削減/吸収量を「クレジット」として国が認証し、売買できるようにした制度。経済産業省、環境省、農林水産省が運営する。
環境問題が深刻化する一方で、家庭単位の小さな取り組みでは貢献度を実感するのは難しいことから、パナソニックがとりまとめて参加。J-クレジットで売却益を得て、それをさらに今後の省エネ製品開発や植林活動などに活用する。
売却益は1台あたり167円程度(エオリア2024年最上位モデル「CS-LX564D2」の場合)のため、現時点ではそれを細かく個人へ還元するのではなく、パナソニックグループ内でのカーボンオフセットに活かしていく方針。
J-クレジットに登録するには複雑な手続きや数十万円の費用が発生し、家庭など個人では現実的に難しいことから、パナソニックがとりまとめて実施。「省エネエアコンを使用することによる環境貢献を実感いただき、当社としてカーボンニュートラル社会の実現に貢献する」と説明している。なお、同社が実施したアンケート調査では、約6割が同社による申請手続の代行と環境貢献活動の推進に賛同を示しているという。
10月21日から開始する「エアコン環境貢献プログラム」は、パナソニックのIoT技術を用いて、省エネ性能の高いエアコン「エオリア」の運転状況を専用の「エオリアアプリ」を通じて把握することで実現。ユーザーはアプリの通知からプログラムの紹介Webサイトへ移動し、CLUB Panasonicサイトで参加許諾に同意するとプログラムに加わることになる。
対象となるエオリアは、Xシリーズ、UXシリーズ、TXシリーズなどの省エネ性能が高い2021年モデル以降の製品。手持ちのエアコンが対象となるかどうかは、CLUB Panasonic マイ家電ページで確認できる。
許諾したユーザーのエオリアを対象に、アプリを通じて各機の消費電力量を取得し、パナソニックがクレジットの認証手続きと売却を行なう。今回のプログラムにより、エアコン1台あたりで年間約108kgのCO2排出量削減相当のクレジット創出を見込む。プログラム全体のクレジット創出量(CO2排出削減相当量)は、同プログラムの紹介Webサイトで定期的に報告される。