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電気ケトルの転倒湯もれ防止、8月から厳しい新基準 タイガーは安全に高速沸騰

蒸気レス電気ケトル QUICK&SAFE+

タイガー魔法瓶は、高速な沸騰と徹底した安全設計の「蒸気レス電気ケトル QUICK&SAFE+ PCV-A型」4モデルを9月1日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は7,480円~8,980円(0.6L~1.2L)。

また、6段階の温度調節が可能な「蒸気レス電気ケトル(温度調節機能つき) QUICK&SAFE+ PTV-A型」2モデルも同日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は0.8Lモデルが14,300円、1.2Lモデル15,400円。

ケトル全体の半数以上が転倒時の湯もれ防止を未搭載

素早くお湯が沸かせて便利な電気ケトルが普及するにつれ、子供のやけど事故が問題になっている。2021年には「電気用品安全法の技術基準の解釈別表第十二」に転倒流水試験が追加され、2024年8月以降は、同基準の転倒流水試験条件を満たさない電気ケトルは製造と輸入ができなくなる(ただし製品によっては猶予期間あり)。

【8月2日追記】同法の「解釈別表第八」では経過措置期間が2年間のため対象は「2026年6月以降」となります(経済産業省による通達/PDF)

乳幼児がいる家庭で電気ケトルに関する「ヒヤッとした経験」は約3割という調査も(ジャストシステムのFastaskによるインターネット調査/n=424)

タイガーの調べによると、現状で転倒時の湯もれ防止機能を持つケトルは市場全体の約40%程度だという。同社の電気ケトルは2008年の発売以降、全製品に「転倒お湯もれ防止」を搭載。第三者認証機関によって製品試験と工場の品質管理の調査が行なわれたことを示すSマークを取得している。

転倒時の湯もれ防止機能が付いたモデルは市場全体の約4割程度という
タイガーではPSE認証に加え、第三者機関による試験と認証でSマークを取得
子供の事故防止について長年に渡り法改正を訴えてきた小児科医の山中龍宏先生が実際の事故例をもとに電気ケトルに関する危険について説明
山中先生らの実証によると小さな乳児のハイハイでも電気ケトルが転倒するのに十分な力があったという
ポット・魔法瓶によるやけどの救急搬送数(出典:東京消防庁)

スピード沸騰と安全設計「PCV-A型」

スタンダードモデルの「蒸気レス電気ケトル QUICK&SAFE+ PCV-A型」1.2Lサイズ

新モデルのPCV-A型は「転倒お湯もれ防止」を備えるほか、独自技術により蒸気を本体の外に出さない「蒸気レス」でやけどのリスクを抑えているのが特徴。

転倒による湯もれの新基準に適合していることを表示
ケトルを転倒させて湯もれをチェック/沸騰までの時間もテスト

沸騰スピードは、カップ1杯分(約140ml)が約57秒で沸騰。取っ手部分にある蒸気検知センサーまで蒸気を最短経路で誘導し、素早く蒸気を検知し、沸騰するとすぐ電源がオフになる。忙しい朝や急な来客、家事の合間にも必要なお湯を素早く沸かせるという。満水時の沸騰は3分(0.6L)~6分(1.2L)。

【お詫びと訂正】記事初出時、沸騰スピードについて「業界最速」と記載し、プリントヒーターの写真を掲載していましたが、これらは別製品(同社製「PTQ-A型」と「PCK-A型」)に関する情報を誤って掲載していたため削除しました。お詫びして訂正します(8月2日)

0.8Lモデルと1Lモデルは3色展開
コンパクトな0.6Lモデル

蒸気の出始めを素早くキャッチして、余計な蒸気の発生を抑制。フタ内部にある「蒸気キャッチャー」で、蒸気が冷却通路を通って冷やされ水滴となり、注ぎ口から出る。

沸騰し始めの蒸気を検知して、余分な蒸気が出る前にすぐ電源をオフに
独自の蒸気キャッチャー構造

お湯を注ぎやすくするために独自の「ドリップロジック構造」を備え、狙った場所にブレずに注げて、お湯の飛び散りも抑える。本体は二重構造で外側が熱くなりにくく、沸かしたお湯も冷めにくくした。

転倒による湯もれ防止は、蒸気の出口を1つにした経路設計で実現。倒れると水面よりも注ぎ口が上にくることで湯もれを最小限に抑える

「転倒お湯もれ防止」の仕組み

本体の左右それぞれに水量窓を備え、どちらからでも残量を確認できる。手入れをしやすくするため、内容器の奥まで手を入れて洗える。フタは着脱式。

水量窓は左右に備える
フタは着脱式

電源プレートを含む本体サイズと重量は、0.6Lモデル「PCV-A060」が16.1×21.2×16.7cm(幅×奥行き×高さ)、0.9kg。1.2Lモデル「PCV-A120」が16.6×22.4×23cm(同)、1kg。
本体カラーは、ナイトブラック、マットホワイトに加え、0.8Lと1Lモデルにはアーバンベージュも用意する。

ラインナップと店頭予想価格

【通常モデル PCV-A型】
PCV-A060 0.6L 7,480円
PCV-A080 0.8L 7,980円
PCV-A100 1L 8,480円
PCV-A120 1.2L 8,980円

温度調節もできる「PTV-A型」

電源プレート部のダイヤルで50/60/70/80/90/100℃の6種類の温度調整ができるモデル。一例として玉露は約50℃、煎茶は約80℃、コーヒーは約90℃といった使い分けが可能。オープンプライスで、店頭予想価格は、PTV-A080(0.8L)が14,300円、PTV-A120(1.2L)が15,400円

ケトル本体は上記のPCV-A型と同様に約57秒のスピード沸騰機能や、倒しても安心な安全設計、蒸気レス仕様などを備える。

カラーは0.8Lがブロンドベージュとグレイッシュホワイト、1.2Lモデルがチェスナッツグレーとグレイッシュホワイトのそれぞれ2色。

タイガーで最もコンパクトな「PCS-A型」も

コンパクトな「PCS-A型」

タイガー電気ケトル史上最軽量というコンパクト設計ながら、スピード沸騰と安全設計を備えるモデル。一人暮らしや、個室などでも使いやすい設計となっている。オープンプライスで、店頭予想価格は0.8L「PCS-A080」が6,480円、1L「PCS-A100」が6,980円。

カップ1杯分の沸騰時間は約59秒。電源プレート含む本体サイズと重量は、0.8Lモデルが15.9×20.3×18.2cm(幅×奥行き×高さ)、0.82kg。1Lモデルが15.9×20.4×20.1cm(同)、0.88kg。