家電レビュー

人生初電気ケトルで「湯沸かし」の価値観がアップデートされた

タイガー「PCM-A081」

タイガーの電気ケトル「PCM-A081」を買いました。それ以前に使っていたタイガーの同系統機種に加えての買い増しです。使用感は上々。満足度の高い買い物となりました。

買い増しの電気ケトルとしてこの製品を選んだ経緯は以下のとおり。

まず2021年の11月に、電気ケトルを購入。人生初電気ケトルです。モノはタイガーの「蒸気レス電気ケトル PCK-A080」。現在は生産終了品となりましたが、この電気ケトルをきっかけに筆者は「湯沸かしは電気」派になったような気がします。

人生初電気ケトルとして買った、タイガー「蒸気レス電気ケトル PCK-A080」(容量0.8L)

PCK-A080は、蒸気を外に出さない、転倒してもお湯が漏れにくい、二重構造で本体が熱くならず保温効果も高い、沸騰後に通電が自動オフになる、蓋が丸ごと外れて手入れしやすいなどの特徴があります。

それまではガスコンロにやかんを置いてお湯を沸かしていました。仕事中にコーヒーを一杯飲むとか、カップ麺を作るとかで、少量のお湯を沸かしていました。

ただ、「火を使う」ということにやや抵抗を感じていました。万が一ですが、コンロの火に布や紙が落ちて引火したら? まあそうならないように火を使っているときは近くにいました。でもなんか「火でお湯を沸かしている間ずっとその近くにいて監視」みたいな行為にモヤモヤしてもいました。

その頃、なんとなく入った家電店で見つけたのがタイガーの「蒸気レス電気ケトル PCK-A080」でした。「あっいまの電気ポットみたいなのって、こんなシンプルなんだ。使いやすそう。しかも省電力らしい。あら案外安い」と思って購入。

使ってみたらビックリです。

それまで、電気でお湯を沸かす家電は電気ポットの印象が強かった筆者。もう昭和の記憶って感じですが「沸かすのに時間がかかるしすごく電気を消費する」「保温にも電気をかなり使う」みたいな古くてネガティブな印象しかありませんでした。

しかし令和の電気ケトルは全然違った印象に。まず湯沸かしが早い! カップ1杯分(140ml)がわずか約45秒で沸騰します。

いつもマグカップでインスタントコーヒーを飲んでいますが、280mlくらいの容量なので約1分半で沸騰。電気ケトルに水を入れて電源をオンにし、さて今日はどのコーヒーを……と選んで封を切ってカップに粉末コーヒを……と準備する前にお湯が沸いてる! すっご! 速っ! と驚きました。

しかも湯気が全然出ない。ケトル自体も全然熱くならない。やかんより持ちやすくて注ぎやすい! すっご~い、いまどきの電気湯沸かしマシン! などと感動。

はあ? いまどきの電気ケトルってそういうのが普通じゃない? と思われるかもしれませんが、昭和の電気ポットで止まっていた筆者的湯沸かし家電のイメージが爆発的に覆され、「いまの電気ケトルってすごい!」と目をキラキラさせている筆者なのでした。

いや? 現代人のみなさんは、こーんなに便利な湯沸かしマシンを使ってたんですね。筆者もここにきてようやく電気ケトルに対するイメージをアップデートでき、いまどき的な電気ケトルの正しい価値観を脳にインストールできました。

さて、この電気ケトルはリビングで使っていましたが、仕事場にも電気ケトルが欲しいなと思った次第。そこで選んだのが最初に出てきたタイガーの「電気ケトル PCM-A081」です。

構造や機能性もこれまで使っていた電気ケトルに近いので、同じタイガー製でちょっとコンパクトなもの(おひとり様用?)を選んだという次第。容量は同じですが、PCM-A081は少し小さめで蒸気レス構造が非採用になります。今回はそうして買い増した電気ケトルについてレビューしたいと思います。

タイガー「電気ケトル PCM-A081」はどんなモノ?

まずPCM-A081の概要から。容量0.8Lの電気ケトルで、定格消費電力は1,300W。台座を含んだサイズは約16.1×21.3×18.5cm(幅×奥行き×高さ)で、重さは0.93kg(台座含む)です。カラーは、マットホワイト、スレートブルー、ブロンドベージュ、アイスブルーがあります。タイガー直販価格は6,480円。

タイガー「電気ケトル PCM-A081」(容量0.8L)は4色展開。容量が0.6Lの「PCM-A061」もあり、そちらはマットホワイトとスレートブルーの2色展開です

購入したPCM-A081(容量0.8L)には、容量違いのPCM-A061(容量0.6L)もあります。サイズ感があまり違わないので、少し容量に余裕のあるPCM-A081(容量0.8L)を買いました。

機能性はこれまで使っていた前述の電気ケトルと非常によく似ています。沸騰が速く、スチームが出にくく、転倒してもお湯が漏れにくく、二重構造の本体は熱くならず保温性も高い。なめらかに注げることや、蓋がワンタッチで丸ごと着脱できてメンテナンスがラクなのも特徴です。

気に入っているのは、カップ1杯分(約140ml)が約60秒で沸騰するという速さ。前述の品は約45秒でもっと速いんですが、1分で沸く速さは便利です。普段は2杯分を沸かすので2分かかっていますが、それでも「速いなあ」と感じられ、「遅いなあ」と鬱憤がたまることはありません。

蒸気が出にくく本体が熱くならない設計というのもイイ感じ。湯沸かし中も沸騰後も蒸気がほぼ出ないので、熱い蒸気に触れて「熱っ!」となったり火傷したりする心配がありません。

また「このケトル、全然ロスがないんだろうなあ」と感じられるのもイイ。やかんとコンロだと、周囲に熱が漂いますしやかん自体も熱くなります。「カップ1杯分沸かすだけでもロスがかなりあるんだろうなあ」と少々モヤモヤします。でもこの電気ケトルだと、そういうモヤモヤがなくて気分がいいです。

扱いやすさも上々。台座部分が電源となっていて、台座にケトルを置いてハンドルのスイッチを入れればお湯を沸かせます。台座へのセットも、スイッチ操作も、どちらもスムーズでフラストレーションは一切なし。

お湯が沸いたらスイッチが即座に切れるのも安心感があっていいです。電源コードが台座裏に巻けて、必要最小限のコードだけ引き回せるのもスマートでいいですね。

台座とケトル。台座部分が給電部で、その上にケトルをセットして湯沸かしします。ケトルを置くだけで台座に「ストン」とはまる感じ。ケトルは台座上で回転し、自由に向きを変えられます
電源スイッチはハンドル上部にあります。軽く押せるスイッチで、通電時はオレンジ色に光ります。お湯が沸くとスイッチが自動的にカチッと動いて電源がオフになります
台座部裏面にACケーブルを巻き取っておける窪みがあります。必要な長さだけACケーブルを引き出して使えるというわけです
仕事場キッチンにセット。拙宅仕事場の流し近くに置いて使っている様子。いまどきの電気ケトルは安全&便利で快適です

注ぎやすさも良く、注ぎ口が細めでお湯が滑らかに出ますので、お湯が飛び散りにくいのも使いやすい。ハンドルも持ちやすくて快適。蓋はワンタッチで全部外れますので、給水や手入れも手軽。

なお蓋にはロック機構があり、これを押さないとお湯を注げないしくみ。本体が倒れてもお湯が漏れにくい安全機構ですが、シンプルでわかりやすく好印象です。

注ぎ口は細めでお湯が飛び散りにくく快適に使えます。カップ麺の小さめの開口部を正確に狙って注ぐことも容易です
フタはガバッと丸ごと外せます。上部をつまむだけで容易に外れますので、給水や手入れも手軽に行なえます

これを毎日使用中。仕事開始の前にインスタントコーヒーを一杯淹れますが、そのときにまず湯沸かしを。ちょっと小腹が空いたかなというとき、インスタントの春雨スープとかを飲みますが、そこでも湯沸かし。カップ麺などを食べるときにも、この電気ケトルでお湯を沸かしています。

ちなみに、お湯が沸騰する直前くらいは「コーッ」といった感じの沸騰音が聞こえてきます。これがずっと鳴っていたら「ちょっとうるさい」と感じますが、せいぜい沸騰直前20~30秒程度なので、実際はあまり気になりません。

気になる点はあまりないのですが、強いて挙げれば、沸騰したお湯を使ったあともケトル内に僅かに水分が残ること。都度拭き取ったほうがいいかな? と思います。

ただ、沸騰直後にお湯を使い切ると、ケトル内はまだ少々熱い状態。なので、蓋を閉めずに蓋を斜めにして置いておけば、わりとすぐにケトル内部も蓋も乾くようです。

内部が汚れてきたら掃除する必要があるとは思いますが、日々は「蓋を斜めに置いてケトル内部と蓋を自然乾燥」させて使っていると、とくに問題を感じません。

沸騰直後にお湯を使い切り、蓋を斜めにして置いておくと、ケトルの余熱でケトル内部や蓋に僅かに残った水分が自然乾燥します

PCM-A081はヨドバシドットコムで買い、ポイントバック分を差し引いた価格は実質4,000円くらいでした。2022年10月14日購入という記録がありますが、それから約5カ月、2022~2023年の寒い季節に毎日役立ってくれ、「すでにものすごくモトが取れている」という実感があります。

電気ケトル+ポータブル電源で、ドライブ先で熱いコーヒーやスープを!

PCM-A081を購入後、「アレを試してみたい」と思ったことを実行。その結果「この使い方は楽しい!」となりました。

試してみたのは、ポータブル電源と組み合わせての「モバイル湯沸かし」です。去年にポータブル電源のEcoFlow「DELTA 2」を導入して使い始めましたが、これは最大1,500Wの高出力に対応した「ほとんどの家電が使えるポータブル電源」です。

EcoFlowの「DELTA 2」ポータブル電源。バッテリー容量は1,024Whで定格出力は1,500W。X-Boost機能を備え、この機能が働くと最大出力が1,900Wになります

タイガー「電気ケトル PCM-A081」の定格消費電力は1,300Wなので、このポータブル電源で使えちゃうハズ。室内で試してみたら問題なく使えたので、じゃあ電気ケトルとポータブル電源をクルマに積んで移動して「モバイル湯沸かし」をしよう! ドライブ先で熱いコーヒーやスープを飲んだりしよう! というわけです。

実際に電気ケトル+ポータブル電源を携えてドライブ。ドライブ先でコーヒーを淹れた様子を、その印象とともにお伝えします。

クルマでドライブに出かけました

荷室にはポータブル電源DELTA 2とトートバッグ。トートバッグにはタイガー「電気ケトル PCM-A081」とカップや水やインスタントコーヒーが入っています。

DELTA 2のサイズは40×21.1×28.1cmで重さは約12kgで、ちょっと重いものの、使いやすい位置にハンドルがあるため家からクルマへの積み込みは容易です。

ドライブ先で熱いコーヒーを楽しむための一式を並べます
ポータブル電源と電気ケトルのほかに、必要なのは水とカップとインスタントコーヒーなど
カップのなかにはインスタントコーヒーとビニール袋と紙ナプキンが入っています。コーヒーを楽しんだあと、紙ナプキンでカップを拭き、出たゴミはビニール袋に入れて持ち帰ります
さっそく湯沸かし開始!
1,252Wが出力されています
すぐにお湯が沸きました。約280mlを沸かし、それにかかった時間は2分弱という感じ
ポータブル電源は100%の充電状態から使い、約280mlの水を沸騰させたところでバッテリー残量は97%となりました。まだまだたっぷり湯沸かしできる電池容量ですね
熱いコーヒーを堪能。ドライブ先でコーヒー、とても満足度が高いです

ドライブに電気ケトルと高出力ポータブル電源を持っていき、さらにコーヒー豆やコーヒーミルを使って本格的にコーヒーを淹れてもいいですよね。

じつは筆者、以前にはそういうコトを楽しんでいました。電気ケトルや高出力ポータブル電源のかわりに、キャンプ用のバーナーやケトルを使って、ですが。

しかし現在は電気ケトルと高出力ポータブル電源とインスタントコーヒーなどインスタント飲食物。というのは、時間がかからず、用意も撤収も手軽だからです。

電気ケトルとポータブル電源をセットし、お湯を沸かしつつカップにインスタント飲食物投入。お湯が沸いたらカップに注いで味わって、その後はカップを拭いてゴミをビニール袋に入れて撤収。ものすごく手軽なのがイイです。……まあ、敢えて手間をかけてじっくりコーヒーを淹れるというのも楽しいんですけどね。

さておき、この「電気ケトル+ポータブル電源を携えてのドライブ」は、もう何度も楽しんでおります。平日に山方面にドライブしがちな筆者ですが、人口の少ないエリアの平日ってほとんど飲食店休業なので、「電気ケトル+ポータブル電源を携えてのドライブ」はとてもいい“休憩時飲食の解決策”にもなっています。

にしても、いまどき的な電気ケトル、お湯はすぐ沸くし扱いは簡単だしで、とてもイイですね。これからもタイガー「電気ケトル PCM-A081」が活躍してくれそうです。興味があればぜひじっくりとチェックしてみてください。

スタパ齋藤