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日立「白くまくん」ボッシュ傘下後も国産を継続 清潔機能が充実

白くまくん プレミアムXシリーズ

日立ジョンソンコントロールズ空調が11月1日に発売するエアコン「白くまくん プレミアムXシリーズ」。繊維に付いたニオイにまで対策を施すという、強力な清潔機能が大きな特徴だ。カーテンやソファなどに付着したニオイの対策ができるとのことだが、いったいどんな実力を持っているのか、新製品をいち早く体験してきた。

白くまくんといえば、今後はボッシュが100%株主の新会社で展開されることが発表されている。新製品発表会では、今後も白くまくんブランドを継続することや、変わらず栃木での国産路線を続けて高品質を守ることなども説明された。

50周年の白くまくん、清潔機能をさらに向上

日立が日本で初めてウィンドウ型ルームエアコンを発売したのは、約70年前の1952年。2024年4月には、国内生産台数比率が50%まで拡大(2023年4月は約30%)した。独自技術である凍結洗浄を搭載したエアコンの累計販売台数は2024年には500万台を突破。来年2025年は、「白くまくん」が正式名称として採用されてから50周年を迎える。

「白くまくん」の正式採用から2025年で50周年

11月発売の新しい白くまくんが初めて搭載した「NEW Premiumプラズマ空清」は、エアコン室内機吹き出し口側に新プラズマイオン発生器を備えたもの。これで繊維に付着するニオイ物質を酸化分解するという。吸込み口側からもプラズマイオンを放出し、浮遊するカビや菌などもより効率よく捕集するという。

新しいプラズマイオン放出ユニット
「NEW Premiumプラズマ空清」をアンモニア臭で実験!

新機能の具体的な解決事例としてわかりやすいのは、同社の神野憲之 家庭用商品企画部長によれば「リビングで調理した時の焼肉やお好み焼きなどのニオイ」だという。

なお、空気清浄機能の適用範囲は、冷暖房の適用畳数よりも狭い範囲にはなるが、冷暖房をしなくても空気清浄機能だけ使うことも可能。空気清浄機の置き場所がない家庭などにも、エアコンでニオイ対策などができることを訴求していく。

エアコンを横から見たところ。吹き出し口側にユニットを配置したことで、これまでより効率よくプラズマイオンを放出
調理やペット、体臭などにも
“広報部長”の白くまくんとともに製品を説明した、神野憲之 家庭用商品企画部長

もう一つの新機能「清潔みはりセンサー」は、エアコン運転中に部屋の空気を見張り、汚れに応じて自動で空気清浄運転をするもの。停止中はエアコン内部を見張り、汚れに応じて自動で内部クリーン運転を行なう。

清潔みはりセンサー
運転中と停止中の動作

一年中エアコンの内部を見張ってエアコンをカビから守る内部クリーン運転の「カビバスター」も引き続き搭載するなど、清潔機能を白くまくんの大きな特徴としてアピールしている。

ラインナップは全10機種で、冷房能力2.2kWの「RAS-XR2225S」~同9kWの「RAS-XR9025D」。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は29万円前後~44万円前後(いずれも税別)。

白くまくんの清潔機能

白くまくんはボッシュ傘下になっても「変わらず高品質に」

7月にお伝えした通り、「白くまくん」で知られる日立の家庭用エアコン事業はドイツのボッシュ傘下の新会社へ移ることが発表されている。

現在は日立ジョンソンコントロールズ空調が展開している日立ブランドの家庭用エアコンは、今後はボッシュが100%株主の新会社で日立GLSと連携し、ブランドは変わらずに「白くまくん」として販売される予定。栃木事業所(工場)での国内生産「メイドイン栃木」も継続していく。

ボッシュへの売却に関する内容
今後も白くまくんとして継続するという

日立ジョンソンコントロールズ空調の鷹取聡 家庭用事業本部長は「新会社においても、これまでと変わらず品質管理を徹底し、高品質なものづくりに取り組む。白くまくんの成長戦略についてはこれまでと変わらない。『清潔エアコン日立』のコンセプト・旗印のもと、供給力、ブランド力、商品力、この3本柱を一層強化する」と語った。

日立ジョンソンコントロールズ空調 鷹取聡 家庭用事業本部長