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シャープ空気清浄機、自動運転時の能力が5倍に進化して静かさは図書館並み

プラズマクラスター空気清浄機 FP-S120

シャープは、小型の本体ながら大空間にも対応した「プラズマクラスター空気清浄機 FP-S120」を9月7日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は118,000円前後。適用畳数は約53畳。一般家庭のほか、飲食店やオフィスなどの広い空間での使用も想定する。

一般的に高い空気清浄能力を持たせるには、大型のファンとフィルターが必要なため、本体の小型化が困難だった。また、使用頻度の高い「自動」運転は運転音と風量のバランスに配慮するため、短時間で空気清浄する場合は「強」運転への切り替えが必要な場合があった。

従来モデルは吸気が背面の1つだったが、新モデルのFP-S120は、左右の両側面から吸気する「両面吸い込み構造」を採用したのが特徴。従来比で約2.4倍の吸い込み面積と、両側面から取り入れた空気を1台のファンで同時に吸引する新形状の「両吸いシロッコファン」で、効率よく空気清浄を行なう。これにより、本体サイズをコンパクトに抑えながら、約53畳の空間まで清浄可能な大風量12m3/分を実現した。8畳の空間の清浄時間は約6分。

設置例
広めの公共スペースなどへの設置も
従来は大風量=大サイズが常識とされてきた
新モデルは両面吸い込み構造により、吸い込み面積を拡大
吹き出し口は天面。左右から吸気するため、背面は従来よりも壁に寄せて設置できるようになった。左右のスペースも写真のように詰めて置ける
正面向かって右側面の吸気口
左側面からも吸気
コンパクトながら大風量を実現

自動運転では、最小風量時でも図書館より静かとされる低騒音36dBに抑えながら、従来比で最大約5倍まで空気清浄能力を向上。運転開始30分後の粒子残存率は約1/9まで抑え、ハウスダストやウイルスなどの微小粒子をより多く捕集し続けることが可能になったという。自動運転の最小風量は5m3/分。

自動運転時の性能が向上
両面吸い込み構造の「FP-S120」と、背面から吸気する従来モデル「FU-S50」で自動モード時の運転音を比較すると、大きく違っていた
空気清浄の性能を、新モデル「FP-S120」(左)と従来モデル「FU-S50」(右)で比較

0.3μmの粒子を99.97%以上捕集する「静電HEPAフィルター」や、付着ウイルス、付着花粉アレル物質などの作用を抑制する「プラズマクラスター25000」を搭載。室内に浮遊する花粉やPM2.5、フィルターでは取れない付着ウイルスや付着花粉アレル物質の作用抑制などを可能にする。

本体内部とフィルター構成
静電HEPAフィルターを搭載

付属する消耗品の交換時期は、集じんフィルターと脱臭フィルターが10年に1回で、プラズマクラスターイオン発生ユニットが約2年2カ月。単品購入時の価格は、集じんフィルターが5,720円、脱臭フィルターが4,950円、プラズマクラスターイオン発生ユニットが3,080円。

【訂正】初出時、プラズマクラスターイオン発生ユニットの交換時期を誤っていたため訂正しました(8月25日11時30分)

AIoTクラウドサービス「COCORO AIR」にも対応。スマートフォンアプリ「COCORO HOME」を使って、曜日や時間ごとに運転モードや運転入/切の設定ができるタイマー機能を新たに搭載した。運転スケジュールを管理でき、オフィスや公共空間など夜間や休日に人がいない場所でも使いやすくした。

さらに、クラウドのAIが本体の使用状況を分析して集じんフィルターやプラズマクラスターイオン発生ユニットなどの消耗品の最適な交換時期の目安を「COCORO AIR」で通知する機能も備える。

アプリ接続により、タイマー機能や、フィルター交換時期の通知機能なども利用可能に
前面のディスプレイ部

本体サイズは333×330×578mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約11kg。搭載するセンサーは、ホコリ、ニオイ、温度、湿度、照度。運転音は20~54dB。消費電力は4.7W(モニターランプ「切」時4.4W)~73W。本体カラーはブラウン系。

同社の既存モデルとサイズ比較

【訂正】初出時、本体サイズの幅に誤りがありましたので訂正しました(8月28日)

7割のユーザーが自動運転を使用。加湿なしモデルの拡大も

シャープが持つクラウド上のデータによると、ユーザーの約7割が、運転音と風量のバランスに配慮した自動運転を使用しているという。これは主に家庭で運転音の静かさを重視する傾向が強いことが一因とみている。そこで使用頻度の高い自動運転の性能を高めるために、新しい両面吸い込み構造により風量アップを実現した。

約7割のユーザーが自動運転を使用

なお、FP-S120は同社のプレミアムモデルという位置づけながら、他の上位モデルとは異なり加湿機能は備えていない。業界全体では加湿機能を持つ空気清浄機は65%、加湿なしは35%となっており、シャープは今後加湿なしモデルの構成比を高めることで、これまでリーチできていなかったゾーンでのシェア拡大を図り、海外向けにも同様の筐体で加湿なしモデルを強化していく方針を示している。