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シャープ、ドアにたまりやすいホコリを自動洗浄するドラム洗濯機

プラズマクラスタードラム式洗濯乾燥機。左からES-G11B、ES-V11B、ES-X11Bのリッチブラウン、ES-X11Bのクリスタルシルバー

シャープは独自のハイブリッド乾燥技術と温度・湿度センサーを備えたプラズマクラスタードラム式洗濯乾燥機3モデルを9月14日に発売する。

「ES-X11B」「ES-V11B」「ES-G11B」の3機種を用意し、全て洗濯容量11kg、乾燥容量6kg。価格はオープンプライス。市場想定価格はフラグシップのES-X11Bが426,000円前後、ES-V11Bが396,000円前後、ES-G11Bが366,000円前後。ES-X11Bは省エネ性能の高い「ハイブリッド乾燥NEXT」を搭載する。上位2モデルはAIoT対応。

フラグシップ機のES-X11B

省エネのハイブリッド乾燥。ドアパッキンにたまりがちなホコリを自動洗浄

フラッグシップのES-X11Bは、乾燥効率をアップしたことで、洗濯から乾燥までの消費電力量600Whを実現した。

引き続き搭載する「ハイブリッド乾燥NEXT」は、ヒートポンプとサポートヒーターを併用する乾燥方式と、温度・湿度センサー、AI制御を組み合わせたもの。衣類の乾きやすさなどを見極め、パーカーやズボンのポケットなど乾きにくい厚手の衣類なども乾燥ムラを抑制する。

立ち上がり時の温度が低いため、ヒートポンプだと電力かかるという課題があった
サポートヒーターを使うことで温度を素早く上げる
さらに温度・湿度センサーにより、衣類から発せられる湿気量などから衣類の乾きやすさを見極めて細かくセンシングする
ヒートポンプで乾燥させたパーカー。フード部分やポケットの中は湿っていた
「ハイブリッド乾燥NEXT」で乾燥させたパーカー。衣類温度を約60℃に保つよう運転し、ポケットもフード部分も乾いていた

日々の手入れの手間を軽減させる機能も向上した。乾燥フィルター、乾燥ダクトに加え、新たにドアパッキンの3つに「自動お掃除機能」を搭載。

乾燥フィルターは運転終了後に自動でホコリをダストボックスに集める仕組み。手入れの手間を省けるほか、乾燥効率の低下を抑える。同社によると「1日1回の乾燥で約1カ月半分のホコリを溜められる」という。溜まったホコリはつまんで捨てられる。

従来乾燥のたびにお手入れが必要だった乾燥フィルターに自動お掃除機能を採用
お手入れの手間を省き、乾燥効率の低減を抑える

乾燥ダクトは、給水のたびにホコリや洗浄成分を洗い流す仕組み。従来は出口付近にホコリが残っていたが、新構造の乾燥ダクトを採用することで洗浄面積をアップ。ノズルをダクト上部に設置し、約180度散水できるようにしたほか、ダクト壁面の凹凸を減らした。これらの工夫により乾燥エラーを低減させ、乾燥効率の低下を抑える。

新構造の乾燥ダクトを採用(右)
洗浄範囲を広げた

ドアパッキンでは、乾燥時に付着したホコリを次回の洗濯運転時に洗い流す。この自動洗浄を搭載しないドラム式洗濯乾燥機は、パッキンの内側にホコリがたまりやすく、これを放置すると水を抜く穴にホコリなどが詰まり、水漏れが発生する懸念があった。

シャープのSmart Appliances & Solutions事業本部清潔ランドリー事業本部国内商品企画部の吉岡 直哉主任によると、同社はドア部に凹凸を設けた「ひまわりガラス」が、大きくて奥行きがあるため、ドアパッキン部分にホコリがたまりにくい構造だったという。新製品では、洗濯時にマイクロ高圧シャワーでしっかりホコリを洗い流すことで、余計な手入れの手間を省く。このパッキンの自動お掃除は新たに搭載したもの。

ドアパッキンの裏側にホコリがたまると水が流れにくくなることがあった

このほか、洗濯のたびに洗濯槽の裏側を自動でキレイにする「洗濯槽自動お掃除」を備えるほか、排水フィルターの形状も見直し、たまったゴミを簡単に捨てられる「するポイフィルター」を引き続き採用する。

海を泳ぐマンタ(大型のエイ)がエサを捕食する際に適したエラの構造した「するポイフィルター」

洗濯洗浄においては、高圧シャワーノズルから100~500μmの微細な水粒子を毎秒100万個以上噴射する「マイクロ高圧洗浄」を引き続き搭載。布傷みを抑えながら、繊維の奥の汚れをはじき飛ばす。

マイクロ高圧シャワーを応用し、すすぎの効率をアップさせる「高圧シャワーすすぎ」を開発。従来よりも角度を狭めることで、マイクロ高圧シャワーの水圧が洗濯槽の奥まで均一になるようにした。高圧シャワーを吹き付けながら洗濯槽を高速で回転させる「タンブリング制御」で、節水しながら効率よくすすぎ、衣類の洗剤残りを抑制する。

節水しながら効率よくすすぐ
ブラックライトで発光しているのが洗剤の蛍光剤。マイクロ高圧シャワーですすぐとほとんど発光していな

液体洗剤と柔軟剤の自動投入機能を引き続き搭載。粘度の高い洗剤/柔軟剤が投入経路に詰まりにくい設計のため、手入れは6カ月に1度で済む。AIoTにも対応すれうため、お手入れ時期などの確認などは専用アプリと連携させたスマホから可能。

本体上部のタンクに液体洗剤と柔軟剤用のタンクをセットする

独自のプラズマクラスターも継続採用。洗濯槽内にプラズマクラスターイオンを放出することで衣類の除菌や、静電気の除去で衣類の花粉を落としやすくする。
ジャケットなど家庭で洗いにくい衣類を水に浸けずにケアできる「除菌・消臭コース」も用意する。そのほか、「槽クリーンコース」では、洗濯槽やヒートポンプユニットのカビ菌の繁殖を抑制する。

本体サイズは640×739×1,115mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約84kg。洗濯~乾燥時の運転時間/消費電力量/標準使用水量は、約155分/600Wh/49L。カラーはクリスタルシルバーとリッチブラウンの2色。ドアは左開き/右開きを用意する。

ヒートポンプ方式の2モデル

乾燥機能などが異なるモデル「ES-V11B」「ES-G11B」も9月14日に同時発売。

ヒートポンプ式で乾燥させるES-V11BとS-G11B

乾燥方式がハイブリッドではなくヒートポンプ式。センサー数がES-X11Bとは異なり、消費電力量や使用水量がやや多くなる。

ES-V11Bは、液体洗剤・柔軟剤自動投入を搭載するほか、クラウドにつながるAIoTに対応。ES-G11Bは液体洗剤・柔軟剤自動投入を搭載せず、AIoTにも対応しない。

両機種とも乾燥フィルター、乾燥ダクト、洗濯槽、ドアパッキンの自動お掃除機能を搭載。ドアは左開き/右開きを用意する。

ES-V11Bの本体サイズは、640×739×1,115mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約80kg。洗濯~乾燥時の運転時間/消費電力量/標準使用水量は、約170分/880Wh/54L。カラーはアッシュゴールド。

ES-G11Bの本体サイズは、640×728×1,104mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約79kg。洗濯~乾燥時の運転時間/消費電力量/標準使用水量は、約170分/880Wh/54L。カラーはシルバー系。