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パナソニック、映像で心地よい空間作る新発想の照明ランターナ

パナソニックの次世代照明「LANTERNA(ランターナ)」

パナソニック エレクトリックワークス社は、映像を4面に表示できる次世代照明「LANTERNA(ランターナ)」を7月より受注開始する。置き型と天吊り型の2タイプを用意する。

オフィスや飲食店、ホテルなど主に法人向けで、価格はオープンプライス。想定価格は購入プランが27万円前後、サブスクが月額1万円(いずれも税別)。1台あたり月額3,000円のクラウドサービスが別途必要となる。

置きタイプと天吊りタイプを用意

人間の五感に訴えるような心地よい空間を作る映像演出を、大掛かりなプロジェクターやデジタルサイネージではなく、小型の照明で実現可能とする製品。身体だけでなく精神や社会的に健康な状態「Well-Being(ウェルビーイング)」が注目されていることを受けて開発された。

ホテルへの導入例

ランプシェードにあたる4面の部分に液晶ディスプレイを備え、本体の下側にLED照明を設けた製品。液晶部分に映像を流し、店舗など周りの雰囲気や、使う人の好みに合わせた自由なコンテンツを映し出せる。例えば「春に桜の映像を流して季節感を演出」「アクアリウムを模した映像で落ち着いた印象を与える」「伝えたいメッセージを表示する」など、空間演出やコミュニケーションのツールとして利用できる。

天吊りタイプはダクトレールへの取り付けに対応し、置きタイプはカウンターなどにも設置できる、幅約16cmのコンパクトサイズとなっている。

本体にスピーカーは内蔵しないが、Bluetoothで外部音声スピーカーと接続することにより、音楽と連動した演出が可能になる。

オフィスや店舗などでの使用例
自己紹介映像でコミュニケーションツールとしても使える

映像コンテンツは、専用アプリのランターナクラウドサービスを通じて、用意されたコンテンツから選べるほか、専用の映像制作ツールを使って、手軽にオリジナルの写真や動画制作も可能。

アプリでコンテンツなどを設定できる

連携したスマホなどで、どのコンテンツをいつ再生するかといったスケジュール設定も可能。店舗などで時間帯に合わせたイメージの映像を流すことなどもできる。

1台を親機として、複数台のランターナを同期させて映像を表示することも可能。最大10台まで連携できる。

複数台の連携も
スケジュール設定で表示できる
時間帯に応じて、照明の色温度を変化させることも

4つの面で異なる角度からの映像も表示できる。一例として、ビールを注ぐような映像コンテンツをデモしていた。もし会社で夕方にこんな映像が表示されれば「早く帰ろう」という気分になりそうだ。

ビールを注ぐような映像を照明で表現
会社で夕方にこの映像が流れたら、残業せず早く帰りたくなりそう

LED照明の明るさは60形電球一灯相当で、10段階の調光と、3種類の調色(2,700K/3,500K/5,000K)に対応する。スマートフォン接続用のWi-Fiと、外部スピーカー接続用のBluetoothを搭載する。

本体サイズと重量は、置きタイプが163×163×297mm(幅×奥行き×高さ)、3kg。天吊りタイプは163×163×237mm(同)、2kg。フレーム部のカラーはブラックとホワイトの2色。

電源は置きタイプが100Vコンセントプラグ、天吊りタイプはダクトレール/引掛埋込ローゼットで、消費電力は30W。液晶の輝度保持期間は1日12時間で約5年(5年後輝度50%低減)。

パナソニックのオフィス内でも実際に活用されている

照明に新しい価値。試作機はテレビを改造して誕生?

ランターナを開発したパナソニック エレクトリックワークス社 ソリューションエンジニアリング本部 大島弘嗣さんは、「普遍的な照明器具に新しい価値を出したい」と説明。当初の試作機はテレビを分解して組み立てたものから始めたという。その後、マーケティング担当の尾崎泰一朗さんなどとの部門を越えた連携により、製品化に至った。

今後は、クラウドサービスでユーザーの要望に対応していく予定。また、映像クリエイターとの連携による映像コンテンツのオープンプラットフォーム化も目指す。

開発者の大島弘嗣さん
初代の試作機(写真左端)は、テレビの液晶を改造して作ったものだったという