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シャープのエアコンはCO2センサー搭載、窓開け換気を声で促す

プラズマクラスターエアコン「Xシリーズ」

シャープは、CO2(二酸化炭素)センサーを搭載したプラズマクラスターエアコン「Xシリーズ」9モデルを2023年1月30日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は31~44万円前後(暖房能力6~26畳)。

室内機に備えたCO2センサーにより、適切な換気のタイミングをエアコンが声やアプリで通知できる「換気おしらせ」機能を搭載したエアコン。国内の家庭用エアコンにCO2センサーを搭載するモデルは業界唯一としている。過去にCO2センサーを搭載したエアコンは存在したが、換気の案内と、連動した動作まで行なうのは本機が初だという。

感染予防として換気が一般化する中で、窓を開けても「十分に換気できているのかわからない」「換気による室温の変化でエアコンが強いパワーで運転する時間が増加して、電気代の上昇が気になる」といった声に応えるために製品化。実際のCO2濃度をもとに、効果的に換気できているかを分かりやすくしたうえで、省エネかつ適切なパワーで運転できる機能として搭載した。

CO2濃度に合わせて適切な換気のタイミングを通知

CO2センサーが、1,000ppmなどあらかじめ設定した値を超えると、「お部屋のCO2濃度が1,040ppmです。少し空気がこもっているようです、換気しませんか?」といった音声が本体から発話。前面LEDの色も変化して知らせる。人が窓を開けて換気することなどでCO2濃度が戻ると、冷えた床面を中心にパワフルな運転に自動で移行する。

搭載するCO2センサー
光音響方式のセンサーを採用するため、半導体式センサー(写真左)とは異なり、室内でアルコールスプレーを使っても影響がほとんどないという
CO2センサーは本体左側の下部に
CO2濃度が設定値に戻ると、冷えた床を中心にパワフル運転

従来の制御では、換気中も設定温度に戻るまで強いパワーで運転を続けていたが、新モデルでは換気中はパワーを上げず、ムダな電力を抑制。換気の終わった後で風向きを変えて冷えた床面に向けてハイパワーで暖かい風を送る。これにより床面が設定温度に達するまでの時間が従来比約14%アップした(14畳のシャープの試験室での結果)という。

CO2濃度が高くなるとエアコンが声で「換気しませんか?」と案内
CO2濃度を音声や本体ランプ、リモコン、アプリで通知
換気と連動して運転

換気に必要な時間については、CO2濃度の変化量から予測して音声とスマホアプリ画面で案内。基準値を下回った時にも音声で知らせる。

この機能はスマホアプリを使わなくても利用でき、付属リモコンでもCO2濃度を確認する操作などが行なえる。

リモコンでもCO2濃度確認の操作が可能

なお、他社ではエアコン自体が自動で換気まで行なうモデルも登場している中で、シャープもそうした機能を検討したが採用しなかった理由については「実験をしてきた中で、確実にCO2濃度を下げられる“窓開け換気”をおすすめすることが適切と考えた」と説明している。エアコンの設置は家の中でも高い位置にあるが、それでもCO2濃度の検知精度については「低い位置にセンサーを置いた場合とほぼ同等」としている。

ルーバーなどを外して簡単手入れ。睡眠状況に合わせた温度制御も高精度に

従来モデルと同様に「プラズマクラスターNEXT」も搭載。浮遊ウイルスや浮遊カビ菌などの作用を抑えるイオンの濃度を高めたもので、プラズマクラスター送風運転も行なえる。在宅時間が増えても、清潔で安心な室内空間を実現するという。

プラズマクラスターで清潔に保つ

エアコン内部へのホコリの侵入や湿気、空気の停滞などカビの要因に対処する「風クリーンシステム」も装備。吹き出し口周辺のルーバーやダストボックスは取り外して水洗いできるほか、吹き出し口内部も凹凸が少なく拭き掃除しやすい「簡単お手入れ構造」で、内部も清潔に保てるという。

ルーバーなどを外して手入れが簡単に行なえる

エアコンをクラウドに接続することで、AIoT制御による省エネ運転にも対応。本体センサーを使った「エコ自動運転」のほか、クラウドを活用すると気象予報に応じた省エネ運転ができる。例えばくもりから晴れに変わる予報があった場合、先回りして暖房を弱めることで、従来よりも消費電力を抑えられる。

省エネ運転にもクラウドを活用

睡眠中の温度制御をより高精度に行なうため、パラマウントベッドの睡眠計測センサー「Active Sleep ANALYZER」との連携にも新たに対応。マットレスの下に敷くセンサーでの検知に合わせて、入眠や深い眠りなどの状態をエアコンが受信して温度を制御する。従来のAIoT制御では、タイマー設定で入床してから1時間で1℃ほど設定温度が下がっていたが、今回の新たな連携により、実際の睡眠状態に合わせた温度に自動で設定する。

パラマウントベッドの睡眠計測センサー「Active Sleep ANALYZER」

適用床面積が冷房11~17畳、暖房11~14畳のモデル「AY-R40X2」(店頭予想価格35万円前後)は、プラズマクラスター適用床面積約14畳。消費電力は冷房940W、暖房1,010W。室内機の運転音は冷房63dB、暖房69dB。室内機の本体サイズは798×373×295mm(幅×奥行き×高さ)、重量は18kg。カラーはホワイト系。

ラインナップと店頭予想価格

「AY-R80X2」(暖房21~26畳、冷房22~33畳) 44万円前後
「AY-R71X2」(暖房19~23畳、冷房20~30畳) 42万円前後
「AY-R63X2」(暖房16~20畳、冷房17~26畳) 40万円前後
「AY-R56X2」(暖房15~18畳、冷房15~23畳) 38万円前後
「AY-R40X2」(暖房11~14畳、冷房11~17畳) 35万円前後
「AY-R36X」(暖房9~12畳、冷房10~15畳) 34万円前後
「AY-R28X」(暖房8~10畳、冷房8~12畳) 33万円前後
「AY-R25X」(暖房6~8畳、冷房7~10畳) 32万円前後
「AY-R22X」(暖房6~7畳、冷房6~9畳) 31万円前後