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シャープ、設定温度になった後の蒸し暑さ防ぐ「匠の冷房」エアコン

プラズマクラスターエアコン「Xシリーズ」

シャープは、冷房中の平均湿度を従来機から約12%抑制したプラズマクラスターエアコン「Xシリーズ」9機種を10月29日に発売する。冷房の適用畳数の目安は9/10/12/15/17/23/26/30/33畳。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は270,000~400,000円前後。

浮遊している菌やウイルスの作用を抑える独自イオン「プラズマクラスターNEXT」搭載のエアコン。冷房運転時の湿度をコントロールする機能「匠の冷房」を新たに採用した。シャープによれば「一般的にエアコンの冷房運転は、室温が設定温度に到達すると運転を一時停止し、設定温度よりも室温を下げないような制御を行う」としているが、Xシリーズでは室温が下がらないよう制御しながら湿度をコントロール。従来のエアコンにみられた、設定温度到達後に湿度が上がって蒸し暑くなってしまうことを防ぐという。

「匠の冷房」を新たに採用

同社のAIoT対応エアコンの使用状況を分析したところ、冷房運転中、設定温度に達して運転停止している間に室内の湿度が上昇していることがわかった。冷房運転中は空気を冷やすことで湿度が下がるが、停止中は除湿できず室外の湿度の影響を受けやすい。室外湿度が65%を超えると約7割の家庭で室内湿度が5%以上も上昇していたという。

AIoTエアコンの使用状況を分析したところ、室外湿度65%超で室内湿度も上昇

エアコンの冷房では、熱交換器の温度を下げることで湿度も下がる。しかし、熱交換器の温度が過度に下がると冷たい風が出てしまい、肌寒く感じる要因となってしまう。そこで、「匠の冷房」はセンシングした温湿度をもとに、熱交換器が除湿可能な温度になるようファンを細かく制御。冷房中でも快適湿度帯とされる60%以内に湿度を抑制できるという。

また、上下両開きのロングパネルにより風を遠くまで届ける「ロング気流」を採用。冷風を持ち上げて運転することで、風量が弱くても冷気が垂れさがりにくく、室温のムラを防げる。

匠の冷房

本体サイズと重さは、冷房の適用畳数17畳の「AY-P40X2」の場合、室内機が798×373×295mm(幅×奥行き×高さ)で18kg、室外機が800×300×630mm(同)で38kg。

リモコン

空気清浄機との連携機能も新たに追加

また、エアコンとスマートフォンアプリ「COCORO HOME」を連携させるAIoT機能も進化。AIoT対応エアコンと加湿空気清浄機をアプリに登録して設置場所を設定すると、双方の機器で風量・風向を連携して制御。気流をコントロールすることで効率よく空気清浄を行なう。

ウイルス飛沫粒子の専門家の京都工芸繊維大学 山川勝史教授の協力のもとで行なったシミュレーションでは、未連携の場合に比べてウイルス飛沫粒子の捕集数が平均で約1.5倍になったという。

エアコンと空気清浄機が連携
シミュレーションでは、ウイルス飛沫粒子の捕集数が平均約1.5倍に

また、エアコンと空気清浄機の「サーキュレーション連動」により、効率よく室内が暖まるよう暖房運転をアシストする。空気清浄機が床面の空気を引き込むことで、温風が部屋の奥まで届くという。

エアコンと空気清浄機の連携機能は、新製品以外のAIoT対応シャープ製品でも利用可能。2018年度モデル以降のエアコンの一部機種、2019年度モデル以降の空気清浄機の一部機種が対象。

アプリ「COCORO HOME」の機器設定時の画面