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6月のエアコン販売台数は前年比22%増。大型家電が好調だった'22年上半期

2022年上半期の家電およびIT市場の販売動向を発表

GfK Japanは18日、全国の家電量販店の販売実績データを基にした、2022年上半期の家電およびIT市場の販売動向を発表。好調だった前年同期を下回ったものの、15年以降では前年に次ぐ2番目の規模になったと解説した。

2022年上半期の家電小売市場規模は、前年比で3.9%減少。'21年上半期は「巣ごもり需要」「テレワーク需要」に支えられ、上半期としては'15年以降で最大の金額を記録していた。前年から落ち込む製品が多い中、冷蔵庫、洗濯機、エアコンを主とする大型生活家電は前年を約8%上回った。なかでも4~6月期のエアコンの伸びが大きく、気温の上昇に伴い、エアコンの早期点検・買い替えの動きも後押しとなったようだ。なお、4~5月のエアコン販売台数は過去10年で最大を記録している。

一方、前年上半期に「巣ごもり需要」の恩恵を受けていた調理家電や空気清浄機などの小型生活家電や、「テレワーク需要」が追い風となっていたIT関連製品は前年を下回ったとする。

生活家電市場を製品別に見れば、冷蔵庫の販売台数は前年並みの230万台となった。容量クラス別の数量構成比は前年から大きな変化がなく、小容量(200L以下)が43%、中容量(201~400L)が22%、大容量(401L以上)が35%。コロナ禍において需要が高まった冷凍食品保管ニーズはやや落ち着き、冷凍室容量150L以上の数量構成比は前年から1%縮小し10%となった。冷蔵庫市場の税別平均価格は各容量クラスで上昇の動きを見せ、市場全体では前年から5%上昇した。

洗濯機は前年並みの280万台。タイプ別の数量構成比は、ドラム式が前年から1%増の18%、縦型が1%減の80%、二槽式が2%。洗濯容量別の数量構成比では、小容量(洗濯容量6kg未満)が25%、中容量(6kg以上8kg未満)が25%、大容量(8kg以上)が50%を占めた。大容量のうち12kg以上の製品は大きく伸長し、洗濯機に占める数量構成比は前年の5%から12%に拡大。平均価格が比較的高い同製品が好調に推移したこともあり、洗濯機市場の税別平均価格は前年から3%上昇し、83,000円となった。

洗濯機の販売台数は前年並みの280万台

エアコンは前年比10%増の490万台。全国的に平年に比べ平均気温が高かったこともあり、販売数量が押し上げられ、特に6月の販売数量は前年から22%拡大した。冷房能力別の数量構成比に大きな変化はなく、小部屋向けの2.2kWが47%と半数近く。多くの冷房能力帯で平均価格が前年を上回り、市場全体では前年から4%上昇した。

平年に比べ平均気温が高かったこともあり、エアコンは前年比10%増の490万台

掃除機は前年比3%減の390万台。ハンディタイプの数量が前年から18%増加した一方、キャニスタータイプは前年比12%減、スティックタイプは同3%減、ロボットタイプは同6%減となり、全体の市場規模は縮小した。近年拡大を続けていたスティックタイプの数量構成比は前年並みの54%となり、在宅時間が増えた過去2年で拡大した同タイプの需要は落ち着きを見せた。掃除機の税別平均価格は前年並みの23,000円となった。

掃除機は前年比3%減の390万台。ハンディタイプは前年から18%増加した

生活家電以外の市場については、コロナ禍で大きく落ち込んだカメラ関連製品が観光やイベント再開に伴って回復傾向にあり、前年の規模を上回ったとする。ここ数年テレビの買い替え需要が成長要因となっていたAV関連機器は、東京五輪閉幕以降需要が減速し、前年比で2桁減。

オンライン販売における家電小売市場規模についても前年比で2.8%の減少となった。前年同期が対前年2桁増と非常に高い伸びを記録していた影響が大きいが、行動制限が緩和されたことによりインターネット通販への依存度が下がっていることも想定されるとしている。この結果、上半期の家電小売市場規模におけるオンライン販売の構成比は前年同期から微増の20%にとどまった。

GfK Japanは'22年下半期の家電小売市場は前年同期に近い水準を維持し、'22年通年では2%程度のマイナスになると予想。'21年下半期は既にコロナ禍による特需も一巡し、コロナ禍前の17年~19年の規模をやや下回っていたため、この規模を維持できる可能性は高いと見ている。