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フィリップス、AI補聴器の低価格モデル。ガヤガヤしたカフェでも会話しやすい

3030/2030シリーズ。外観は共通

デマント・ジャパンは、AIを搭載した補聴器「フィリップス ヒアリンク」の低価格な新モデル「3030シリーズ」と「2030シリーズ」を5月19日より発売した。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は電池の種類などで異なるが、低価格なモデルは15万円を下回る見込み。

補聴器の普及率が低い日本。人が多いカフェでも会話しやすいAI搭載モデルを手ごろに

日本補聴器工業会の2018年調査によれば、世界各国の難聴者の比率(自己申告)では、ドイツ、イタリアに続き日本は3位と高いにも関わらず、補聴器の使用率は14.4%(国内推計約200万人)で、ドイツ(36.9%)やイタリア(29.5%)、米国(30.2%)、英国(47.5%)に比べて極端に少ないという。

フィリップスの新しい3030/2030シリーズは、上位モデルに搭載しているAI(人工知能)音声処理技術「AIサウンドテクノロジー」を、より低価格な普及モデルに搭載したのが大きな特徴。

従来の補聴器は、カフェなどでは周りの騒音ごと音を大きくしてしまうため、装着している人も会話が難しかったという。

前述のAIサウンドテクノロジーは、従来の音声処理技術における固定ルールにとらわれず、1,000万を超える音環境データをもとにトライ&エラーを重ねて学習したAIを採用。さまざまな音や会話などが同時に存在する賑やかな環境でも、騒音を低減し、会話をよりクリアに聞き取れるという。

騒音下でも会話がしやすいAI搭載モデルをより低価格化することで、補聴器を使い始めることに抵抗を持ちやすい軽度難聴の人や中高年にも手に取りやすくし、普及拡大を図る。

リモート会議をする人、マスクをしながら大きめの声で会話をする人など、騒音の多いカフェでも目的の会話をしやすいという

装着性は2つの耳かけ型スタイル「ミニBTE T R(充電タイプ)」と「ミニBTE T(空気電池タイプ)」を各シリーズに用意。外から見えにくい従来のミ二RITEスタイル(外耳道内レシーバー型)に加え、特に扱いやすさを重視する人に向けた耳かけ型(レシーバーが本体内に収まるタイプ)を提供する。いずれもIP68の防塵防水性能を持つ。

充電タイプも用意

既発売の上位モデル9030/7030/5030(電池タイプ25万円~45万円前後)との大きな違いは、搭載するAIによるノイズ低減の性能。高価格帯モデルだと、周囲のノイズをより強力に抑えられるという。

Bluetoothも搭載し、iOS/Androidスマートフォンなどの音楽や映画、通話音声を直接補聴器へストリーミングして聴くことが可能。

新たにiOS向けのハンズフリー通話機能も追加。省電力のBluetooth Low Energy(BLE)に対応し、通話時は補聴器のマイクがユーザーの声を拾うため、従来のようにiPhoneのマイクに直接話しかける必要がなくなった。

補聴器としての適合範囲は、軽度~高度/重度難聴(105dBHLまで)に対応するのがミニRITE T R、ミニBTE T R。軽度~高度難聴(85dBHLまで)の対応がミニRITE TとミニBTE T。

本体カラーは、ベージュ、ブラック、ブラウン、ダークグレー、グレー、トープの計6色

カラーは6種類

耳にちなんだ新たな試みとして、ビタミンCや葉酸、亜鉛などの栄養素を含んだ「耳にやさしいスムージー」もプロデュース。恵比寿ガーデンプレイス内のカフェ「THE TEST KITCHEN」で5月20日~30日の平日限定で提供する。

「耳にやさしいスムージー」。緑色のものは「ケールとはちみつ、カシューナッツのグリーンスムージー」、ピンク色は「ベリーとビーツ、はちみつのレッドスムージー」で各800円