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シャープ、見た目がイヤホンの補聴器。来店不要で調整
2021年8月31日 11:32
シャープは、ワイヤレスイヤホンのように耳穴へ装着するスタイルの補聴器「メディカルリスニングプラグ MH-L1-B」を9月中旬以降に発売する。価格は99,800円。製造と販売は、医療機器を手掛けるニューロシューティカルズが行なう。補聴器の専門店や直販サイトだけでなく、量販店やECサイトなどでも販売する。
軽度または中等度難聴者に向けた補聴器で、管理医療機器の認証を取得した機器ながら、自宅にいても遠隔でフィッティングからアフターサービスまでプロがワンストップでサポートする。医療機器認証番号は、303AFBZX00058000。
マスク着用やソーシャルディスタンスの確保、オンライン会議の増加などで、会話時の聞き取りづらさを自覚する人が増えていることなどを受けて製品化。従来の補聴器を装用することへの抵抗感や価格面での負担感など利用へのハードルを感じる人も多く、日本の難聴自覚者における補聴器の所有率が約14%に留まっていることも、製品化の背景として挙げている。
「メディカルリスニングプラグ」は、完全ワイヤレス(TWS)イヤホンのように音楽などを楽しめるのも特徴。スマートフォンとBluetoothで接続し、専用スマホアプリで音量調整などの操作もできる。
会話などを聞き取りやすくするリスニングモード、スマホの動画音声や音楽などを楽しめるストリーミングモード、本体内蔵のマイクを使ってスマホ通話やオンライン会議などができるハンズフリー通話の3つの機能を用意する。モード切り替えは、本体のタッチセンサーまたはアプリで行なえる。
一般的な補聴器の場合、購入時に正しく装着するためのフィッティングで販売店へ3~10回通う必要があるとされる(日本補聴器工業会調べ)。そこで、新たな「COCORO LISTENING」サービスにより、スマホを介して遠隔でプロによるサポートが受けられるようにした。
聴力チェックを通じて行なう初期設定のほか、使用開始後のビデオカウンセリングや聞こえ具合の微調整などのフィッティング、聞こえ具合のトレーニングや日々使用する中での相談などの全てを、販売店に通うことなく自宅で受けられる。フィッティングのサポートは、購入後から60日間は無料で何度でも受けられる。
オプションの「ケアプラン」(33,000円)に加入すると、さらに1年間のフィッティングサポート延長に加え、5年間の延長保証や盗難と紛失補償などが受けられる。リモートでのフィッティングサポートのみを追加したい場合に期間を60日間追加できるサービスプランも11,000円で提供する。
本体に米Knowles製のバランスド・アーマチュア型(BA)ドライバーを搭載し、特に中/高音域も繊細で広がりのある音で聞けるという。
カラーはブラックで、ビジネスシーンにマッチするというデザインを採用。「眼鏡や時計のように日常的に着用したくなる新しいスタイルの補聴器」として提案する。
本体サイズは13.6×25×24.1mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1個5.8g。Bluetooth 5.0対応で、プロファイルはHFP、A2DP、AVRCPをサポートする。
本体にリチウムイオン充電池を内蔵するほか、収納ケースからも充電可能。使用時間はリスニングモードが約20時間(充電ケース併用時約55時間)、ストリーミングモードが約6時間(同16時間)。
ケースへの充電は、USB Type-C接続で行なえる。スライド式のUSB Type-A端子も備え、ケーブルを使わずにパソコンなどへの直挿しでも充電できる。