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自転車通学時の事故数は減少するも、全体の2割が加害事故に

自転車通学の学生(写真はイメージ)

自転車の安全利用促進委員会は、2020年の全国中高生の通学時における自転車事故に関する調査結果を発表した。

コロナ禍により、自転車利用者の約3割が乗車の機会が増えたというデータがあるが、2020年の事故件数は2019年と比較して15.9%減少している。中高生の間でも、中学生19.8%・高校生19.5%と、約2割減っている。登校日数の減少が原因と考えられるが、2014年以降は例外の年はあるものの全体的に右肩下がりの傾向があり、改善されつつあることが分かった。

交通事故・自転車事故ともに減少傾向にある
2019年比で15.9%減少している
通学時の事故件数の変化

一方で、都道府県別に見ると約2割の地域で増加傾向が見て取れる。中学生では香川、群馬、徳島が、高校生は群馬、静岡、宮崎がワースト3となった。なお、高校生のワースト3は2019年よりも事故件数は減っているものの、ランキングに変動はなく群馬県が7年連続ワースト1位だった。

都道府県別のランキング

事故の一当率(加害者になる率)についての調査では、中学生20.3%、高校生19.3%で、約2割が加害者だったことが分かった。2019年比では全体的にわずかに減少しているが、増加した地域は半数近く(中学生22都道府県、高校生29都道府県)に及んでおり、地域ごとで大きな差があることが見受けられる。特に兵庫は40.2%という結果で、約2.5人に1人が加害者だったという。

一当率のランキング

今回の調査により、2020年は自転車事故の件数は大きく減少したが、一部の都道府県では増加していることが判明した。さらに、一当率も増えた地域も多いことも明らかになっている。全事故のうち歩行者との接触事故の割合が1975年以来最大の3.9%に増えたこと、一当率が例年の平均15%台から初めて2割を超えたこと、自転車側の法令違反の割合が65%と高止まりしていることを背景として挙げている。

大きな事故の約1/3は車体に原因があったというデータもあるそうだ。交通ルールや乗車時のマナーの再確認に加えて、車体の安全性チェックも忘れずに行なう必要があるだろう。特に通学用の自転車は使用頻度も高く期間も長いため、耐久性や強度などの安全基準をクリアした「BAAマーク」のある車体を選んでおきたい。

そして、しっかりと自転車保険の加入や見直しも必要だろう。事故に遭う被害者になるのは避けたいが、一方で加害者になる可能性もある。自転車と歩行者との事故割合が年を追うごとに高くなっている調査結果もある。

BAAマーク