ニュース
災害への備え、屋内外にも様々な二次電池活用。「スマートエネルギーWeek」レポート
2021年3月4日 09:00
キャンプでポータブル電源&ソーラーパネルの利用
会場で広くブースを展開していたのが、Jackery Japanだ。同社はブースデザインをキャンプ風とし、ソーラーパネルなどの使用例を紹介しながら展示していた。
Jackeryは現在、240Wh/400Wh/700Wh/1,002Whのポータブル電源をラインナップしている。同シリーズの特徴は、過充電や過放電を防止するバッテリーマネジメントシステムを搭載し、高い安全性を実現していること。さらに出力100Wと68Wのソーラーパネルをラインナップ。展示会場では全製品に触れられる。
電動キックボードをソーラーパネルで充電する
T-Planは、シェアリング用の電動キックボード「mobby(モビー)」を、充電するシステム「青空スマート」を展示している。青空スマートは、キックボードを規定のレールに停めるだけで、自動で充電が始まるシステムだ。
同システムは発電能力1,240Wのソーラーパネルと、容量6.5kWhの蓄電池を装備。電動キックボードユーザーは使い終わったら、規定のレール上にキックボードを乗せるだけ。あとは自動で充電が始まり、次に使われるのを待つという。
担当者によれば、電動キックボードのシェアサービスは、すでにトヨタ自動車九州の工場内などで実施しているという。だが、従来はユーザーが充電用ケーブルを接続する必要があり、電動キックボードに十分な充電がされないことも多いとのこと。そのため、使う人の手間がかからず、自動で充電できるシステムを開発したという。
キックボードは8台同時に充電可能。ソーラーパネルで発電しAC100Vコンセントも備えているため、災害時には非常用電源としても利用できる。
車載電池にためた電気を自宅で利用「V2H」対応の電動バイクを開発中
aideaは電動バイク「AAカーゴ アルファ4(原付一種 50ccクラス)」を展示。平常時はバイクとして移動手段となり、災害による停電時には「電源」として使える。同バイクは、一般的なスマートフォンを385回充電できる、3.85kWhのバッテリーを搭載。 ACコンセントを装備するため、いざという時には被災地に「電気を運ぶ」ことが可能だという。
また同社は現在、7.7kWhのバッテリーを搭載する「AAカーゴ V2H」を開発中。車載バッテリーの電気を、自宅で利用できるV2H対応とし、自宅の蓄電池としての利用を目指すという。
トヨタとHondaのコラボで実現した移動式発電所
会場には、トヨタとHondaが開発した、移動式発電・給電システム「Moving e」が展示されていた。これは移動式発電所となるトヨタの燃料電池バスと、Hondaの大容量給電器やポータブル電源(蓄電器)で構成される。
トヨタの燃料電池バス(FCバス)は、水素量を倍増し、給電能力を向上させている。災害時などはFCバスで被災地へ行き、このFCバスで発電した電気を被災した人たちに配るという。実際の災害時には、車内にHondaの給電器やポータブル電源を満載し、後方にある給電口からFCバスで発電した電気を取り出す。
災害時には災害対応の一助として、被災地で電力供給を行なう一方で、平常時にもイベントなどでの利用を考えているという。
手軽にスマートメーターで得られる電気の使用状況をスマホで見られるようにする
NextDriveは、電力スマートメーターのBルート(スマートメーターで計測したデータの宅内HEMS機器への送信)データ取得に対応するIoTゲートウェイ「NextDrive Cube スマートエネルギーゲートウェイ」などを展示している。
同品は、コンセントに挿すだけでWi-SUN通信により、電力スマートメーターと接続。専用スマートフォンアプリを介し、日々の電気使用量をグラフで確認できるほか、リアルタイムの電気利用状況を外出先からでも確認できる。
また、Bluetooth対応で、同社が用意する温湿度センサーやモーションセンサー、(防犯)カメラなどとも接続可能。前述の専用アプリで、操作や確認が行なえる。
【お詫びと訂正】初出時、NextDrive社ブースの出展社名を誤っておりましたため、訂正しました(3月5日)