ニュース

イタリアのオートバイメーカー「FANTIC」のe-bikeが日本上陸!! Brose製ドライブユニットを搭載

 イタリアのオートバイメーカー「FANTIC(ファンティック)」は、日本初上陸となるe-MTB「XF1 INTEGRA 150 TRAIL」「XF1 INTEGRA 160」のレンタルを茨城県桜川市にある「高峰山MTBワールド」で開始した。日本の法規に未対応の欧州仕様車のため、日本では公道走行不可のモデルとなっている。3月発売予定。

車体メーカーもドライブユニットメーカーも日本初上陸

 ファンティック製のe-MTBは、これまでの自転車づくりの発想にとらわれず、オフロード・モーターサイクルへの深い造形とノウハウを活かした開発が特徴だという。前後異形タイヤ(オフロード・モーターサイクル同様に前輪が大径、後輪が小径でファットタイヤを選択)、トラクション重視のリンク式リアサスペンション、バッテリー一体型のスタイリッシュなフレーム、ハイグレードなコンポーネンツ、最新のディメンジョンを誇る高品質なフレームといった最高級の素材を備えるe-MTBとして、パフォーマンスを最大限に発揮することで、すべてのライダーに走る楽しさを提供するという。

サイクルモード2019で撮影した写真

 そして、両モデルとも「Brose(ブローゼ)」製の最大出力250W/最大トルク90N・mというパワフルなドライブユニットを搭載する。ブローゼは世界第4位の自動車部品メーカーで、ボッシュと同じくドイツの主要メーカー。今回が日本市場に初参入となる。その技術を活かして開発されたドライブユニットは、軽量ながらも高トルクを発生できるという。そして契約ライダーや試乗体験者からは、モーター音も非常に静かで、アシスト力をフルパワーで乗っても音が気にならなかったというコメントも出たそうだ。

初心者向けのフルサスe-MTB「XF1 INTEGRA 150 TRAIL」

 MTBで遊んでみたいという初心者向けのトレイルバイク。ドライブユニットは最大出力250W/最大トルク90N・mのブローゼ製「S」を搭載し、ダウンチューブ一体型の630Whの大容量バッテリーを採用。初心者向けとのことだが、前後サスペンションのトラベル量は150mmと本格的なダウンヒルコースも走破できる仕様となっている。

フルサスe-MTB「XF1 INTEGRA 150 TRAIL」

 走行モードは「レベル1」「レベル2」「レベル3」「レベル4」の4モード。約6時間でフル充電でき、約80%までは3時間で充電できる。

ディスプレイと一体型の操作スイッチ

 コンポーネンツはSRAM製「SX Eagle」で変速はリアのみ12段、前後にSRAM製の2ピストン油圧式ディスクブレーキを搭載。フロントタイヤは29×2.35、リアタイヤは27.5×2.6、フレームサイズはSサイズ、車体重量は約24kg、カラーは2色展開。価格は490,000円(税抜)。

本格派向けのフルサスe-MTB「XF1 INTEGRA 160」

 レースに参加したい本格派向けのモデルが「XF1 INTEGRA 160」。ブローゼ製のドライブユニット「S-Mag」を搭載。「S-Mag」という名称のとおり、マグネシウム素材を使っており、重量は2.9kgと最軽量の部類に入るが、最大出力250W/最大トルク90N・mとパワフルで高性能だという。こちらもダウンチューブ一体型の630Whの大容量バッテリーを採用している。前後サスペンションのトラベル量は160mm。

フルサスe-MTB「XF1 INTEGRA 160」

 走行モードは「XF1 INTEGRA 150 TRAIL」と同じく4モード。よりハードな走行に対応するパーツが装備されており、コンポーネンツはSRAM製「NX Eagle」で変速はリアのみ12段、前後にSRAM製の4ピストン油圧式ディスクブレーキを搭載。フロントタイヤは29×2.35、リアタイヤは27.5×2.6、フレームサイズはSサイズ、車体重量は約24kg、カラーは2色展開。価格は570,000円(税抜)。

 またカーボンフレームの「XF1 INTEGRA CARBON」も同時に発売される。「XF1 INTEGRA 160」と同じスペックの予定。車体重量は約22kg、カラーは1色のみ。価格は880,000円(税抜)。本稿執筆時点では国内最高価格のe-MTBとなる。

 以下はサイクルモード2019に展示されていた「XF1 INTEGRA 160L」の写真。

[写真で見るファンティック「XF1 INTEGRA 160」]

1日1万円でレンタルして本格的なコースが走れる

 「XF1 INTEGRA 150 TRAIL」と「XF1 INTEGRA 160」は、茨城県桜川市にあるMTB常設コース「高峰山MTBワールド」でレンタルできる。レンタル料金は1日10,000円で、完全予約制。

 「高峰山MTBワールド」は、雪が積もることがないため、年間通してMTBで遊べる関東でも人気のコース。ファンティックと契約するe-MTBライダーの内嶋 亮選手が監修したe-MTBの登坂力を活かせる専用コースも用意されている。また、内嶋 亮選手が行なうスクールやレースも開催する予定だという。ステップアップをしたいライダーだけでなく、レースにチャレンジしたい人、安心して走行を楽しみたい初心者にもオススメだとしている。

 ファンティックは「サイクルモードライド大阪2019」に出展するので、会場で実車を確認できるはずだ。なお、冒頭でもお伝えしたように、欧州仕様車のため日本で公道は走行できない。レースに参戦したり、クローズドのコースを走ったり、オフロードモーターサイクル好きのe-bikeという位置づけのモデルといえるだろう。