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日立、コネクテッド家電に注力。新しいキーワードは「ハロー! ハピネス」

 日立アプライアンスは、家電製品の新しい宣伝キャンペーンワードとして、「ハロー! ハピネス」を採用することを発表した。新コンセプトの製品第一弾として、大容量冷蔵庫「真空チルド」シリーズ、コネクテッド家電としてロボットクリーナー「minimaru RV-EX20」とIHクッキングヒーター「火加減マイスター HT-L350KTWF」を発表、今後順次発売していく。

家電製品の新しい宣伝キャンペーンワードとして「ハロー! ハピネス」を採用。新コンセプトに乗っ取った製品として、大容量冷蔵庫「真空チルド」シリーズ、コネクテッド家電としてロボットクリーナー「minimaru RV-EX20」とIHクッキングヒーター「火加減マイスター HT-L350KTWF」を順次発売する

 「ハロー! ハピネス」は、同社が掲げる事業スローガン「360°ハピネス~ひとりひとりにうれしい、暮らしを~」に沿った新たなキャンペーンワード。今後は「ひとりひとりに寄り添い、暮らしをデザインする」を家電の新たなコンセプトとして掲げ、製品を展開していくという。

 新コンセプトに伴ない、冷蔵庫、ロボットクリーナー、IHクッキングヒーターの3製品を発表。そのうち、ロボットクリーナーとIHクッキングヒーターに関しては、スマートフォンの専用アプリからの操作や設定が可能な「コネクテッド家電」となっており、日立は今後、同分野に注力していく構えだ。

 日立アプライアンス 取締役社長 徳永俊昭氏は、新しいキーワードについて、「人々の暮らしが変化し続けている昨今、家電がこのままでいいのか、問題意識があった。それを気づかせてくれたのは、お客様の声。新たなコンセプトのもと、お客様に真に寄り添い、新たな価値をご提供する企業へ変革を遂げている最中」と語った。

日立アプライアンス 取締役社長 徳永俊昭氏

 また日立のコネクテッド家電の特徴として、「進化していく」ということを挙げた。

 「まずはアプリで操作できるというところから始めるが、我々の目指すところはそこではない。将来的には洗濯機で必要なプログラムだけをダウンロードできたり、冷蔵庫のレイアウトを自分の使い勝手に合わせて変えられたりというようなお客様の生活に寄り添った家電を目指す」

ソフトウェアのダウンロードで進化を続ける「コネクテッド家電」を目指す

1つのアプリで最大5台までコントロールできる「ミニマル」

 ロボットクリーナー「minimaru(ミニマル) RV-EX20」は、直径250mm、高さ92mmのコンパクトなボディが特徴。スマートフォン専用アプリを通じて、掃除スタート・ストップ、モードの選択、スケジュール予約などができるほか、掃除履歴や取扱説明書の閲覧も可能となっている。1台のミニマルを最大で5台のスマートフォンから操作できるほか、1台のスマートフォンで最大5台のミニマルを操作できるため、家族それぞれで使用したり、1階と2階で使い分けるなどの操作も便利だという。ソフトウェアは随時、更新を予定しており今後さらに機能が進化していくという。

ロボットクリーナー「minimaru(ミニマル) RV-EX20」
専用アプリでスケジュール予約などができるほか、掃除履歴や取扱説明書を閲覧することもできる

 操作性の面では独自の走行制御「minimaru AI」を搭載。ごみが多いところを通過すると自動で判断し、そのエリアに戻って掃除する走行制御「ごみハンター走行」や、在宅中などに運転音を抑え時間をかけて掃除する「マナーコース」などを用意する。

 本体重量は2.3kg。集じん容量は0.25L。充電時間は約3時間。掃除時間は最長約60分。本体カラーはディープシャンパン。

300種類のレシピをアプリで検索、調理の設定を本体にそのまま送信できるIHクッキングヒーター

 IHクッキングヒーター「火加減マイスター HT-L350T」も、スマートフォン専用アプリに対応する。アプリでは300種類のレシピが簡単に検索でき、選択したレシピの火加減や加熱時間などの設定を送信することで、調理するまでの操作が手元で簡単にできる。また、調理中の進行状況は、リアルタイムでスマートフォンに表示される。

IHクッキングヒーター「火加減マイスター HT-L350T」
専用アプリでは、300種類のレシピが簡単に検索でき、選択したレシピの火加減や加熱時間などの設定を送信することで、調理するまでの操作が手元で簡単にできる

 今回、IHクッキングヒーターをコネクテッド家電としたことについて、担当者は、「今、キッチンで料理をするときに、お料理の本を広げている人はほとんどいない。多くの人はスマートフォンやタブレットを見ている。それを考えたら、IHクッキングヒーターこそ、スマートフォンを介して使うのに最適な家電だと判断した」と話した。

 本体デザインは高級感を演出するプレミアムブラックカラーを採用する。価格は442,000~462,000円前後。トッププレート幅、75cmと60cmを用意する。

ラップなしでそのまま保存できる「うるおい低温冷蔵モード」搭載の冷蔵庫

 冷蔵庫は、「真空チルド」HWシリーズとして、本体幅68.5cmで定格内容積602Lの「R-HW60J」を2月下旬に、幅65cmで定格内容積520Lの「R-HW52J」を3月下旬にそれぞれ発売する。価格はオープンプライス。市場想定価格は順に37万円前後、32万円前後(いずれも税抜)。

「真空チルド」HWシリーズ。容量602Lの「R-HW60J」と、520Lの「R-HW52J」を展開する

 真空と密閉構造で食品の酸化や乾燥を抑制、食品表面の酵素の動きを抑える炭酸ガスなどで鮮度を長持ちさせる「真空チルド」機能搭載の大容量冷蔵庫。新モデルでは、「冷蔵室独立冷却システム」を新たに採用した。

 従来機種では、冷蔵庫全体を1つの冷却器で冷却していたが、今回の新システムでは冷蔵室専用の冷却器と、冷凍室・野菜室専用の冷却器の2つを搭載する。これにより、冷蔵室の湿度を高く維持でき、庫内の食品の乾燥を抑えられる。また、「うるおい低温冷蔵」モードに設定すると、冷蔵室内の温度を通常時の4℃から約2℃まで下げられる。

従来機種では、冷蔵庫全体を1つの冷却器で冷却していたが、今回の新システムでは冷蔵室専用の冷却器と、冷凍室・野菜室専用の冷却器の2つを搭載する
新システムの採用により冷蔵室の湿度を高く維持でき、庫内の食品の乾燥を抑えられる

 今回の新機能は、ユーザーがどのように冷蔵庫を使っているか調査した結果に基づいたものだといい、調査の結果、惣菜やおかずの残りを保存している例が非常に多かったという。庫内温度を従来より下げることで、まとめてつくった惣菜などの生菌類の繁殖を抑え、鮮度を守ることができるという。また、カレーなどの鍋を入れても、鍋周囲の食品の温度上昇を抑えながら冷却できるという。

 そのほか、野菜をみずみずしく保存できる「新鮮スリープ野菜室」、大型アルミトレイと専用センサーでおいしく冷凍する「デリシャス冷凍」などの機能を備える。

冷蔵室の庫内の様子
冷凍室。見やすい3段ケースを採用する

 容量602Lの「R-HW60J」の本体サイズは685×738×1,833mm(幅×奥行き×高さ)。本体カラーはグレイッシュブラウン、クリスタルシャンパン、クリスタルホワイト。