パナソニック、LEDを最大約30%省エネ化する新技術
パナソニック電工は、環境省からの委託開発プロジェクトの成果として、LED照明の高効率化を実現する新しい技術と設置方法が得られたことを発表。この新技術と設置法を採用することで、約30%の消費電力の効率化が図れるという。
同社はプロジェクトの成果として3点を挙げており、1点目は熱や光のムラなど、蛍光体の部分におけるロスを省いて効率化したこと、2点目は屋外利用ができるよう電源ユニットを小型化・効率化したこととしている。3点目はLEDの設置方法に関するもので、設置場所ごとにLEDを最適な場所・台数で配置することにより、設置台数を削減して省電力に貢献できるに目処が立ったという。
これらの成果により、LEDの効率が上がった。LED自体の性能では、同社で最高効率を誇るLEDダウンライト「EVERLEDS LED 150形ダウンライト」と比較した場合、消費電力は19.5Wから18Wと、約10%削減できるという。さらに新しい配置法により、より少ない照明で空間を照らせるため、最大で約20%の省エネにもつながるという。同社では合計約30%の省エネが実現するとしている。
このうち3点目については、環境省と大阪府の図書館・病院などでフィールドワークを実施し、照明設計のデータを採取。それぞれの空間に必要な「明るさ感」を計測し、LEDへ変更した後のシュミュレーションしているという。例えば廊下の場合は、壁面への配光を工夫することで、消費電力と設置台数を省きながら明るさを保てるという。なお、「明るさ感」の指標として、天井、壁、床から目に入る光を総合的に捉えた、同社独自の指標「Feu(フー)」を使用している。
同社では、このプロジェクトで得た成果を活かし、早期の製品化を目指すとしている。
プロジェクトは、パナソニック電工と大阪府との共同により、2006年から2009年3月まで行なわれた。
-LED照明器具の構成(画像上段)と、新たに開発した技術(下段) |
「明るさ感」に関するフィールドワークを行なった場所。左から、環境省、大阪府立図書館、大阪市内のパスポートセンター |
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(本誌:正藤 慶一)
2009年4月3日 17:23