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無人補給機「HTV」に搭載されるLED照明「PSL」
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パナソニック電工株式会社は、同社のLED照明が、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発中の宇宙ステーション用補給機に採用されたと発表した。同社では宇宙船用の照明としてLEDが採用されたのは世界で初としている。
補給機に採用されたLED照明は、白色タイプの高出力LEDを20灯搭載した「PSL(Permanent Solid-State Lighting)」。消費電力は約29W。電圧はDC120Vで、宇宙ステーションより電力供給を受ける。光束は約400lm。サイズは673×167.5mm(横×縦)。
PSLを搭載するのは、有人の国際宇宙ステーション(ISS)に物資を輸送するための無人補給機「HTV(H-II Transfer Vehicle)」。HTV1機につき2~4台のLED照明装置が搭載される。用途としては、HTVが宇宙ステーションに到着し、宇宙ステーションの搭乗員が資材を積み降ろし、また不用品を詰め込む際、作業場所を照らすというもの。搬入出が完了した後は、HTVは宇宙ステーションとは分離され、大気圏に突入、燃焼廃棄される。
現在、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」では、照明として蛍光灯を使用している。しかし、蛍光灯はガラス管や水銀を使用しており、さらに、蛍光灯の玉切れも発生しているという。一方PSLでは、万が一破損しても飛散の心配がなく、さらに水銀も使用していないというメリットがある。
HTVはJAXAによって開発が進められており、打ち上げは2009年夏から開始される。このうちPSLを搭載するHTVは、2010年以降、順次使用される見込み。
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パナソニック製LEDの搭載が決定した無人補給機「HTV」
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HTVは国際宇宙ステーション(ISS)へ資材を補給するための宇宙船
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国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」内部の写真
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HTVが国際宇宙ステーションと結合しているイメージ画像
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HTVの打ち上げイメージ。PSLは打ち上げ時の衝撃にも耐えうる仕様となっている
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■URL
パナソニック電工株式会社
http://panasonic-denko.co.jp/
ニュースリリース
http://panasonic-denko.co.jp/corp/news/0811/0811-1.htm
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( 本誌:正藤 慶一 )
2008/11/06 00:05
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