長期レビュー
三洋「GOPAN(ゴパン) SPM-RB1000」 最終回
三洋「GOPAN(ゴパン) SPM-RB1000」 |
最終回の今回は、お米パンの切り方や、GOPANならではのお手入れ方法、ちょっとしたヒントなどについて紹介していきたいと思います。
基本の米パンを作るまでをご紹介した1回目は→こちら
オリジナルアレンジパンをご紹介した2回目は→こちら
■材料はどうやって揃えるの?
米粉からではなくて、お米から米パンが手軽に作れるのが特長のGOPANですが、材料はお米だけではありません。
「米パン」を作る場合は、お米のほかに、小麦グルテン、ドライイースト、塩、砂糖、ショートニングが必要ですし、小麦を全く使わない「小麦ゼロお米パン」を作る時は、上新粉、ドライイースト、塩、砂糖、オリーブオイルが必要です。
材料の数自体はそれほど多いわけでも、複雑なわけでもありませんが、ちょっとクセモノなのが、小麦グルテンです。近所のスーパーで手軽に買える材料ではありません。私の場合は、インターネットで購入しています。三洋電機のインターネットストア「Sanyo e club」では、GOPAN専用の小麦グルテンを販売しているほか、小麦食パンミックス粉なども売っています。
インターネット以外では、大型の家電量販店でも扱っていることが多いです。ホームベーカリー製品のコーナーの脇に、グルテンやミックス粉、ショートニングなどが並んでいるので、近くのお店をチェックしてみてください。
三洋電機のインターネットストア「Sanyo e club」で購入したミックス粉と、小麦グルテン | 小麦グルテンは1箱2袋入り(1袋500gでお米パン10回分) |
■ちょっとコツがいる米パンの切り方
我が家で一番作っているのは、小麦グルテンを使用して作る「米パン」です。お米の香りともちっとした食感が楽しい米パンなのですが、弾力があって、柔らかいので、なかなか上手に切れません。
特に焼きたては難しくて、無理に切ろうとするとせっかくふかふかの米パンがつぶれてしまいます。これは、水分含量も影響しているようです。小麦で作ったパンの水分含量は約35.2%なのに対して、米パンは約37.2%。
GOPANのホームページでも、うまく切れないという質問があり、それには「焼き上がりから2時間ほど冷やしてから切ることで上手に切れます」との答えが掲載されていました。ただ、焼きたてをいただくのがホームメードの良さだと思うので、2時間待たずともどうにか上手に切れないものでしょうか。
色々試した結果、米パンを横にして、半分に切ってから耳の硬さを利用して切るのがベスト。下の写真は焼きあがり1時間後のパンで試したところです。
普通に上からナイフを入れるとつぶれてしまうので、米パンを横に倒してからまずは2つに切ります | 断面を下にしてナイフを入れていきます |
細く切ろうとするとつぶれてしまうので、ざっくり4等分にします。少しつぶれ気味でもコツをつかめば大丈夫 | こちらは焼いてから半日置いたパン。ある程度時間をおけば上手に切れます | 焼いた次の日には、こんなに薄く切ることもできます |
注意したいのは、米パンを切り終わったあとのパンナイフのお手入れです。普通のパンを切ったときとは違って、お餅を切ったときのようになっているので、そのままにしてしまうと落とすのに一苦労です。水につけておくか、すぐに洗うことをお勧めします。
なお、一度に食べきれない時は冷蔵庫や冷凍庫で保存するようにしましょう。無添加ですから「当日食べきれない場合は、切り分けて密封袋に入れて冷凍をするように」と取扱説明書にもしっかり記載されています。
私の場合は、切り分けずにパンケースに入れて冷蔵庫にいれておきます。私は翌日しっかり冷えたゴパンを切り分けてからラップをせずに電子レンジで少々温めます。これだけで、びっくりするぐらい出来立てのような米パンに戻ります。
■お手入れは丁寧に
ホームベーカリーを使い続ける上で、避けて通れない仕事がお手入れ。GOPANと普通のホームベーカリーの1番の違いはミルがついていることです。ミルは、お米をペースト状にするGOPANのキモともなる大切な部品。おいしい米パンを作るためにも、キチンとお手入れすることが大切です。
【本体とふた部分】
本体やふた部分はよく絞ったふきんで拭き取ります。庫内にも、飛んだ粉やパンくずが落ちていることがあるので、本体部分と同様によく絞ったふきんで拭きます。自動投入ケースは中性洗剤をつけたやわらかいスポンジで洗い、さびないように水分をふき取ります。
本体や庫内はよく絞ったふきんで汚れを拭き取ります | ミルするときに飛んだのか、ガラス窓には白い跡が残っていました |
【お米パンケース】
パンケースは、焼きあがり、米パンを取り出したらすぐに水やぬるま湯を入れます。このとき注意したいのが、ケースごと水につけるのではなく、あくまでケースの中に水を入れること。そして長時間つけて置きすぎないことも大切です。長く水につけておくと、腐食の原因になるらしいです。
【米パン羽根】
生地の攪拌作業などを行なう羽根は、外した時点ですぐに水を張ったボールに浸します。焼きたての米パンから外したばかりの羽根部分は熱いので、やけどに注意しましょう。20分ほど経って、羽根表面に付着した生地がふやけてきたら、保護カバーをはずし、付属の洗浄ブラシを使って洗います。GOPANは羽根の刃が命ですから、ここは丁寧に掃除しましょう。
羽根は米パンから外したら、すぐに水を張ったボールに浸します | 付属の洗浄ブラシを使って、羽根の裏側までしっかり洗います | 刃は鋭いので、十分に気をつけて。長時間水に放置するのことも腐食の原因になるようです。洗い終わったら、必ずよく水分をふき取って |
GOPANにはクリーニングモードも搭載されているので、たまには使用するのもいいでしょうが、クリーニングモードだけでは、米パン羽根を綺麗に洗うことが出来ません。あらかじめ、ある程度の汚れを落としてから活用したいモードです。
■GOPANのミル音は慣れる?
マットを何枚か重ねて敷いてみました。もっとしっかりした対策なら、防音床マットなどが有効だと思います |
第1回でも書きましたが、最初にびっくりしたのがGOPANの特徴?的なミル音。水に浸したお米とはいえ、硬いお米をミルするのですから、割と大きな音がするわけで……
この音は我が家ではもう慣れてしまいましたが、初めて聞くと焦ってしまうかもしれません。設置環境や、時間によって(夜遅くにセットするときなど)は対策が必要でしょう。たとえば、本体の下に厚手のマットや、バスタオルなどを敷くといいかもしれません。多少、音が小さくなります。
■気軽に焼くための工夫あれこれ
時間があるときに材料をまとめて量っておきます。下がお米、上がグルテン、塩と砂糖はラップで小分け。あと、ショートニングはチューブなので、何cmで10gなのかなどを調べておくと楽です |
GOPANに限らず、ホームメードのハードルを上げてしまうのが、スタートボタンを押すまでの材料計測などの工程ではないでしょうか。作りたいなぁ――でも量ったりする手間がかかるのを思うと、「また今度でいいか」ってなることはありませんか?
そこでおすすめなのは、時間に余裕のあるときにあらかじめ量れるものは量っておくこと。材料によっては繊細なものもあるので気をつけなければなりませんが、お米、グルテン、砂糖、塩ぐらいはOKです。ドライイーストは繊細なものなので、その都度量りましょう。
ちょっとした工夫で気軽にゴパンが焼けるのではないでしょうか。また、GOPANでは無洗米も使用できます。計量しておけばあとは水を入れるだけで手軽に米パンが作れます。
■大きい羽根の穴はどうにかならない?
大きい穴があくのは仕方ない?? |
GOPANに限らず、ホームベーカリーではたいていパンの後ろに穴ができます。米パンの後ろにも、しっかり大きな穴ができます。これは攪拌用の羽根を取り出した跡ですが、自宅で食べる分には気にしない人もいれば、これは許したくないって思う方も多いはず。人に差し上げるときなどには、できれば「なくしたい穴」ですが、ある方法で小さくすることができます。
これは、オフィシャルではないので、自己責任で試していただきたいのですが、捏ね工程が済んだ後にパン生地を一度取り出して、羽根を外してしまうのです。ポイントは生地をパンケースに戻す時に、クッキングシートを使うこと。羽根はパンケースの底部分についているものなので、羽根を外すと、ケース底部分の形状が、通常とは変わってしまい凹凸がついてしまいます。
そのまま生地を戻すと、底の部分に凹凸がついていますが、クッキングシートをパンケースの底に敷いておくと、米パンの底部分をきれいに仕上げることができます。クッキングシートをパンケースの底のサイズに合わせて切って、真ん中に十字の切れ目を入れておきます。これはパンケースの軸の部分を通すためのものです。
捏ね工程が済んだらパン生地を一度取り出します。生地はボールなどに入れておきましょう | 生地の中に埋まっている羽根を取り除きます | パンケースの底のサイズに合わせて切ったクッキングシート。真ん中に十字の切れ目を入れておきます |
パンケースの底にクッキングシートを敷く | 再びパン生地を戻す。そのまま醗酵に入るので、綺麗な形で戻しましょう |
少々手間はかかりますが、こうすると米パンの底の穴が小さくなるだけでなく、羽根を焼かないことで、手入れが数段楽になる、取り出しやすくなるなどのおまけもついています。試してみる価値はアリです。
焼きあがり | 底部分 | 穴は殆ど目立ちません |
■新しい食事の形
我が家にGOPANが来て4カ月ほど過ぎました。最初は試行錯誤もありましたが、キッチンツールとして大切な、そして頼もしい存在になっています。1日おきぐらいにゴパンを作っていますが、すっかり食卓のおなじみです。和食とも、洋食とも相性がいいので、朝食だけでなく、夕食に登場することもしばしば。
世界に誇れる日本のお米を、気軽に食べることができるGOPANの出現は、これからの日本の食卓を変えていくかもしれません。
2011年4月4日 00:00
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)