三洋、米から作る米粉パンが試食できるカフェをオープン

GOPANで作った米粉パンが試食できるカフェ「Zip Zap」

 三洋電機は、米から米粉パンが作れるホームベーカリー「GOPAN(ゴパン) SPM-RB1000」で作った米粉パンを渋谷区・神宮前のカフェ「Zip Zap」で試食できるサービスを開始した。期間は9月30日まで。

 店内で飲食をした際に、GOPANで作った米粉パンを無料で試食できるというサービス。試食は1日160食限定となる。店内には、GOPAN本体も展示しているほか、PR用の映像や冊子なども用意される。

 試食メニューは、新潟県・魚沼産のコシヒカリで作った米粉パンと山形県産のはえぬきで作った米粉パン2種類と、トッピング用の肉じゃが、青さのりが提供される。試食メニューは2週間ごとに変更される。試食後は、好みに合うメニューや米粉パンの感想などについて簡単なアンケートを提出する。

店内で提供される試食メニュー。新潟県・魚沼産のコシヒカリと山形県産のはえぬきで作った米粉パン、さらにトッピング用として肉じゃがと青さのりが用意される店内のテーブルにはGOPANをイメージして米を使ったテーブルアレンジなどがされている試食メニューは2週間ごとに変更される
店内には本体の展示コーナーも設置される店内には米をイメージしたパネルなども飾られている米粉パンを使ったメニューなどを紹介している冊子

 米から米粉パンが作れる「GOPAN SPM-RB1000」は、米の消費量拡大や自給率向上のために同社が開発を進めたもので、米と指定の材料を入れるだけで米粉パンが作れるという製品。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5万円前後。発売は10月8日からとなる。

 米を原料とした米粉パンは、これまでにも米の新たな利用法として注目を集めてきたが、原料となる米粉の流通ルートが限定されている点、小麦よりも割高である点などが問題となっていた。

 米は硬いため、粉状にするには専門の大型製粉機器が必要だった。GOPANではこの問題を解消するために、米を粉状にするのではなくペースト状にする製法を新たに開発。2つのモーターを組み合わせた正逆回転モーターや、独自の工程を採用することで、家庭の米から米粉パンが作れるという。1斤の米粉パンを焼くのにかかる時間は3時間58分。   

製品本体本体上部の操作パネルふたを開けたところ
庫内の様子専用のパンケースパンケースを外した状態。周りにはヒーターが設置されている
パンケースの中に設置する正逆回転モーター。上の羽根で生地を撹拌する下側には米を砕くミルが搭載されている本体蓋内側にはドライイーストやレーズンなどを自動で投入するケースが設置されている
三洋電機 マーケティング本部 事業企画部 伊藤千恵さん

 試食カフェで店長を務める三洋電機 マーケティング本部 事業企画部 伊藤千恵さんは、「まずは米粉パンを知ってもらうことから始めたい。GOPANで作った米粉パンは、これまでの米粉パンと作り方や製法が違うので、そこの味の違いについてもお客様に直接聞けたらと思います。新たな食生活の提案として、ごはんでもパンでもないGOPANで作った米粉パンをご紹介できたら」と話した。GOPANの一番の特徴については「製法や原材料がはっきりと見える、わかることです。食事にこだわっている方や原材料が気になる方に安全・安心のパンをお届けできます」とした。

 神宮前交差点からほど近い、今回の立地条件については「原宿は観光客の方が多く、地方出身の人もたくさんいらっしゃいます。情報発信の場所として最適だと考えました。また、米の産地にこだわる消費者の方は多くいらっしゃいます。自分がよく食べる米や出身地の米で米粉パンが作れるということもアピールしていきたい」と語った。回収したアンケートは「いただいたご意見は、今後のカフェメニューに反映させていくつもりです。お客様からご好評だった場合は試食という形だけではなく、米粉パンをメインとした有料のカフェメニューも展開していくつもりです」と話した。

オールドキッズカンパニーグループ プレスマネージャーの高松友妃子さん

 今回、試食スペースを提供した「Zip Zap」は、クラッシックバーガーをメインメニューとしたアメリカンカフェ。

 試食メニューなどは「Zip Zap」と三洋電機の共同開発となる。Zip Zapを経営するオールドキッズカンパニーグループ プレスマネージャーの高松友妃子さんは、今回の取り組みについて「私自身、今回初めて米粉パンを食べたのですが、米で作ったとは思えない食感や見た目に驚きました。お店のメイン客層となる30代女性は、健康や食に対して関心が高く、GOPANのコンセプトとマッチすると思いました」と語った。また、試食メニューについては「カフェのメインメニューは洋食が中心となるので、和食すぎず、洋食と一緒に食べても合うようなものを選びました」と話した。

Zip Zapのメインメニューはハンバーガーやグリルなどの洋食が中心オープンキッチンのある店内は明るくて開放的な雰囲気
訪れたお客さんは米粉パンを無料で試食できる

 カフェは11時30分よりオープン。

 訪れた女性客はGOPANで作った米粉パンについて「今回初めて米粉パンを食べたが、もちもちとした独自の食感に驚きました。使った米によってこんなに味が違うことも、初めて知りました。個人的な好みとしてしては山形のはえぬきの方がしっとりしていて好きですね」と話した。

 また、自宅で米を選ぶ際には「産地はもちろん、無農薬であることにこだわっています」とし、「今も、自宅でホームベーカリーを愛用していますが、産地や農薬の有無が確認できる米から米粉パンが作れるなんて驚きです。欲しくなってしまいました」と製品への期待を語った。





(阿部 夏子)

2010年7月21日 15:12