カデーニャ

カオスな街ファーチャンペーは交渉術が大事!? 【キキテーニャ】

 「ものづくりって何?」「そもそもハードウェアって?」という非ガジェット女子、レイナがインタビューをするコーナー、「キキテーニャ」。株式会社Cerevoの岩佐さんを相手に、中国深センの電気街「ファーチャンペー」と中国工場の秘密に迫る企画の第3弾では、前回に続きファーチャンペーのディープなところや知られざる裏ネタについてお届けする。

 第2回はこちら

 岩佐:ファーチャンペーの面白い裏ネタは、まだまだありますよ。

 レイナ:聞きたいです!

 岩佐:ファーチャンペーはECが中心なので、物流がものすごいんです。すごい勢いで荷物がパッキングされて、そこら中を荷物が行き来してる。中国郵政やTNTの連中が荷物を担いでいる光景が広がっています。狭い場所だから、ひたすら人力です。

 レイナ:中国物流パワー半端ないですね。

 岩佐:あと、ファーチャンペーは電気街というイメージだけど、最近女性用ファッションなんかも増えてますよ。

 レイナ:楽しそう。

 岩佐:あとはね、「修理」が強いんです。ここ数年で伸びているのはスマホを修理する店です。

 レイナ:格安で修理できそうですね。私のスマホもボロボロだから修理してほしい。

カオスだけど意外とフレンドリー?

中国人は大のカラオケ好き。スマホに繋げるカラオケマイクも売られている

 岩佐:パーソナルモビリティの店も増えましたね。こういうのがばんばん売っていて、みんなこれで店中で走り回っています。

 レイナ:カオスすぎません?

 岩佐:カオスです。子供たちがそこらじゅう走り回っていたり、店員のお姉さんが普通に子守しながら店番してたり、飯食いながら店番してたり。愛想は正直言って悪いですよ。でもね、やっぱり全体的に安い(笑)。

 レイナ:最後が大事。

 岩佐:店内は薄暗くて、最初はちょっと怖いかもしれません。当然、カードはほぼ使えないので現金文化。値段は交渉次第でぜんぜん変わるんです。昔の大阪みたい。

 レイナ:岩佐さんも実際に交渉しているんですか?

 岩佐:はい、いつも交渉していますね。まとめて買うから安くしろ! とかあっちの店ではXX円だったぞ! とか、高すぎるからこれもおまけでつけろ! とか。

 レイナ:結構強気な交渉ですね。

 岩佐:関西人にはやりやすいですよ。ファーチャンペーに限らず、対アジア人の価格交渉は慣れないと難しいけど、慣れてしまえば楽ですよ。

 レイナ:向こうは交渉に応じてくれますか?

 岩佐:ケースバイケースですね。こちらも急いでいることが多いので、駄目なら諦めて買っちゃいますね。ただ、同じ物を売っている店がごまんとあるので、10軒に安値をふっかけてみて全部駄目なら11軒目で定価で買うとか。値札がついていないことが多いので、10軒全部価格が違うこともあって面白いです。

 レイナ:日本とは違ってきっちりしていないんですね。

 岩佐:中国の人は愛想は悪いけど、フレンドリーなところもあって人間関係を重んじるんです。交渉文化なんですよね。対工場の交渉などでは、相手と時間をかけて関係を作りながら、いつもタフなネゴシエーションをしていますよ。

 レイナ:ファーチャンペーネタ、永遠にでてきそうですね。

この記事は、2017年8月4日に「カデーニャ」で公開され、家電Watchへ移管されたものです。

Reina

非ガジェット女子。普段は哲学女子。nebulaを運営しています。