カデーニャ
偽物だらけ!? 熱気溢れる中国の電気街「ファーチャンペー」【キキテーニャ】
2018年6月5日 08:00
「ものづくりって何?」「そもそもハードウェアって?」という非ガジェット女子、レイナがインタビューをするコーナー、「キキテーニャ」。株式会社Cerevoの岩佐さんを相手に、中国深センの電気街「ファーチャンペー」と中国工場の秘密に迫る企画の第2弾では、ファーチャンペーのディープなスポットや知られざる裏ネタをお届けする。
第1回はこちら。
レイナ:ファーチャンペーの面白いところや裏話を知りたいです。気になることがあるんですが、ファーチャンペーに並ぶ商品で、偽物と正規品はどのくらいの割合ですか?
岩佐:数でいうなら、98%ぐらいがコピー品。なんだけど数でカウントするのは本当はよくない。なにしろ、畳3枚ぐらいのスペースにスマホケースが1万個積み上がっているような店が300店舗くらいある。キティちゃんがプリントしてあるスマホケースとか、絶対に権利取ってないだろ! みたいな商品を1と数えると、98%以上はパチモンです(笑)。
レイナ:そもそも部品が偽物だから、偽物で偽物作っても永遠に偽物ですね(笑)。
岩佐:そうそう。怪しいものが多すぎる。「このシールを貼ればあなたの謎バッテリーもSAMSUNG正規品!」みたいなシールが売ってたり。SAMSUNG正規品シールのコピーですが。
レイナ:ファーチャンペー、なんだか挑戦的ですね。
岩佐:こんなの売るのかよ! と突っ込みたくなる内部部品がたくさんある。スマホを分解したら出て来るカメラUnitとか。あとは、簡単に作れるものはみんな大量に作って大量に店頭に出す。スマホケースだけでファーチャンペー全体で100万個ぐらい在庫されてんじゃないかなというレベル。LEDライトもモバイルバッテリーも恐らく100万個は並んでると思う(笑)。あと、横流し品みたいなものも平気にありますね。ノキアの純正部品とか。
これぞチャイナスピリット
レイナ:それでもビジネス回ってる風だからすごいですよね。
岩佐:そうですよね。表だけをみてもファーチャンペーの本質はわからない。裏にAlibabaやJD(女子大生じゃないよ!!)があって、彼らの大半はECでさばいているのです。(※JD:中国最大の電子機器通販サイト)
レイナ:そういうところで大量に仕入れて、誰かが別のところで売るわけですね。ヨーロッパの観光地とかで中国製の偽物を売ってる謎の人よく見ますけど、そういうことだったのか。
岩佐:そうそう。それもあるし、中国って本当に広いから、深センから400km離れた街のおじさんが仕入れてその街で売っていたり、700km離れた街の人がネット通販でポチって個人用に買ったり。まあ、なんせ人口13億ですからね。
レイナ:日本の「正規品の方がよい」みたいな考えが薄いのかもしれませんね。使えて安ければ別にいいですし。すぐ壊れなければ。
岩佐:すぐ壊れるけど、すぐ買える。そして激安! これぞ、中華パワー。
レイナ:これぞ、チャイナスピリット! ちなみに偽物以外もありますよね? このままだとファーチャンペーのイメージ落ちちゃう。
岩佐:もちろんあります(笑)。ファーチャンペーの表には、綺麗な正規品が並ぶお買い物スポットがあります。日本の代理店もそこから正規品を仕入れて日本で売ってます。表通りにはスタバもユニクロもあるし、中国話題のスイーツ店もあります。で、裏通りや正規品を売るビルの2階以上にアングラな世界が広がっています。
レイナ:清濁入り交じるファーチャンペー。
岩佐:掘り出し物市的な感じですね。ユニークなものがパチモン売り場のなかに混じっていたり、すごく面白いですよ。
レイナ:面白そう! 行ってみたいです。まだまだファーチャンペーの面白いところ、出てきそうですね。
この記事は、2017年7月28日に「カデーニャ」で公開され、家電Watchへ移管されたものです。 |