年末特別企画

クイジナート「ピザオーブン」でもう宅配ピザやめた【私の2025】

クイジナート「ピザオーブン CPZ-120SJ」直販価格52,800円

2025年に私が選ぶベスト家電は、クイジナートの「ピザオーブン CPZ-120SJ」に他なりません。名前の通り自宅でピザが焼けるオーブンですが、特筆すべきは最高温度400℃という高温設定。さらに保温性を高めるピザストーンが添付しています。

もう1社と悩んだのですが、クイジナートは窯に入れるための専用スコップまで付属という点で選びました。

これまで食べてきたのはピザじゃなくチーズトーストだった!?

最初は「最高温度400℃? 東芝の石窯の350℃より50℃高いだけじゃないか。家のスチームオーブン(パナソニックのビストロなど)だって最高300℃は出るし」と、ナメていました。しかし、300℃と400℃は決定的に違う! マジで違うのです! 炎上覚悟であえて言います「400℃未満で焼いたピザはただの“チーズトースト”である! 」と。

自宅で焼いたピザを思い出してください。300℃だと冷凍なら約10分、冷蔵でも約5分焼くのが一般的です。焼きあがったピザはおいしそうに見えますが、「焼き色」はトーストと同じ「茶色」です。一方、宅配ピザやお店で出てくるピザは、生地のフチや裏に「黒い焦げ」があります。実はこの「黒」こそがおいしさの秘密。しかし、最大300℃台のオーブンでは、この本格的な黒い焦げが作れません。すなわち“チーズトースト”は焼けても、“ピザ”は焼けないのです!

ピザ屋の焼きたての黒い焦げ、生地がベタつかない魚介と野菜!

クイジナートのピザオーブンは、庫内の高さが15cmほどで熱源に近く、400℃の熱がダイレクトに伝わります。オーブンの下にはピザストーンが敷き詰められており、まさに灼熱の400℃ピザ窯そのものです。だからピザを焼く時間も極端に短く、常温生地ならたった3分でOK! 3分半焼けば、表面のマヨネーズやチーズが焦げ始め、生地のフチが真っ黒に焦げ始めるほどです。

このピザオーブンを購入して分かったのは「ピザは高温で短時間で焼くもの」という真理。色即是空、悟りました。5分や10分も焼くのは邪道です。その違いが最もよく分かるのが、イカやエビなどの魚介ピザ。一般的なオーブンで焼くと、魚介の水分が抜けてしまい、カップラーメンの具のように硬い食感になってしまいます。宅配ピザも似たようなものですが、ピザオーブンの焼き上がりは全く違います。3分しか焼かないため、魚介や野菜の中の水分が蒸発することがなく、みずみずしいのです。

結果、焼き上がりのピザは、天ぷらのようにぷりぷりしたイカやエビの食感。なのに、生地の焦げは黒く香ばしい! トマトやキノコも、水分が出て生地がベチャベチャになることなく、みずみずしさを保ったまま生地はサクサク。まさにサイゼリヤなどで出てくる焼きたて本格ピザが自宅で再現できるのです。

生地だって自分で作っちゃう!

最初は生地だけをスーパーで購入していましたが、このオーブンを手に入れると、「作りたての生地を焼いてみたい」という衝動に駆られます。レシピは意外に簡単。強力粉250gに塩、イースト菌、オリーブオイルと水を混ぜるだけ。これでクリスピーピザが3~4枚作れました。

生地も自家製。ほうれん草とペパロニのピザ(ソースはトマト缶を煮詰めたもの)、エビとイカとオリーブのピザ(ソースは自家製ベシャメルソース)

生地を冷凍保存する場合は、練ったらすぐに冷凍庫へ。練った後に発酵させてから焼くのが基本ですが、冷凍保存では発酵する前に冷凍してイースト菌を「冬眠」させ、食べる直前に「眠りから覚まして」発酵させるのがコツです。パン生地の場合は、イースト菌を倍にして、塩に加えて砂糖と牛乳を混ぜると良いでしょう。

テレビでピザ職人が生地を空中に投げて広げたりするのは、あくまで演出。まな板の上に打ち粉をして麺棒で伸ばせば十分です。

ソースは市販のピザソースでもおいしいですし、トマト缶に塩コショウをして煮詰めて作っても絶品です! 魚介系なら、自分で作ったベシャメルソースや、ハインツのホワイトソースを使っても爆ウマ間違いなし。

面倒なときは、レトルトのカレーをぶっかけ、ソーセージやベーコン、コーン缶、野菜類をのせるだけでもOK。ただし、ジャガイモなどの根菜類は、サイコロ状に小さくカットして、あらかじめレンジで加熱しておくと火の通りが良くなります。

我が家は宅配ピザを全廃! 「ピザは家で作るもの」に昇華

クイジナートのピザオーブンを買った結果、我が家では宅配ピザが完全に駆逐されました! 1回頼むと5、6千円はかかる宅配ピザですが、自宅で生地から作れば、ほとんど原価はタダ同然。200円分の具材をのせれば豪華なピザになります。

唯一、再現が難しかったのはイタリア風ソーセージでした。しかし、これも問題ありません。合いびき肉を買ってきて、塩コショウ、味の素、ナツメグなどの好きな香辛料を入れ、バットに敷き詰めます。そして、焼く前にナイフなどで2cm角の切れ目を入れておくだけ。あとはピザオーブンで高温で5分ほど焼いて、サイコロ状のイタリア風ソーセージが完成します。

こうして我が家では、月に2回ペースで食べていた宅配ピザが完璧なまでに駆逐されました。ピザはデリバリーするものでもなく、スーパーで買うものでもなく、ゼロから自宅で作るものへと昇華したのです。

次回チャレンジしたいのは、味噌ピザ。生地に軽く味噌を塗り、味噌漬けにした薄切りロースを散らし、玉ねぎスライスとチーズをのせる。最後に網目状にマヨネーズを乗せたら絶対うまいはず! 味噌とチーズの相性は先人が証明済み。そこに相性のいいマヨネーズを加えたら、おいしくないわけがありません! あとは好みでニンニクスライスをのせるか否かでしょう。肉がなければ、軽く焼いた塩鮭をほぐしてのせるのもおすすめです。

このほかにも、火力を調整すれば、トーストも焼けるし、グラタンやローストチキン、フライの再加熱(リベイク)などにも使えます。

原稿を書いているそばから、よだれが出てきましたよ。

藤山 哲人

家電の紹介やしくみ、選び方や便利な使い方などを紹介するプロの家電ライター。独自の測定器やプログラムを開発して、家電の性能を数値化(見える化)し、徹底的に使ってレビューするのをモットーとしているため「体当たり家電ライター」との異名も。 「マツコの知らない世界」(番組史上最多の5回出演)「ゴゴスマ」(生放送2回)「華大の知りたいサタデー」(生番組4回)「アッコにおまかせ」「NHKごごナマ」(生放送2回)「カンテレ ワンダー」(5回)「HBC 今ドキ!(生中継4回)」はじめ、朝や昼の情報番組に多数出演し、現在インプレスの「家電Watch」「PC Watch」やサイゾー「ビジネスジャーナル」などのWeb媒体をはじめ、毎月ABCラジオなどで連載やコーナーを持っている。 趣味は、鉄道、飛行機、バス、車の旅行や写真とシステム&構造。電子工作、プログラム。あと神社めぐり。

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