年末特別企画

一番おいしかったのは「トースト」でした【私の2024】

2024年はトースター豊作の年だったかも

2024年も多くの家電が登場しました。とはいえ、2019年末や2020年のコロナ禍による生活家電の特需からの反動もあり、新製品が少なめで比較的おとなしかった一年だったと思います。

その中で一年を振り返って最も印象的だったのが「トースト」です。他のカテゴリーはマイナーチェンジの製品が多かったのに対して、トースターは注目の新製品が数多く登場しました。その結果、トーストをよりおいしく食べられるようになりました。

食パンを挟み込んで焼くabien

24年に発売されたトーストおいしく焼ける代表的な製品のひとつが、abienの「abien BREAD GRILL」です。これは、同社製ホットプレートで採用していた独自開発のサーキットヒーターを内蔵したプレートを上下に配置し、食パンを挟み込んで両面から焼けるトースターです。

「abien BREAD GRILL」(直販価格27,500円)。5月に開催された説明会にて撮影

食パン1枚だけを最高においしく焼くという機能を限定した製品ですが、食パンの焼き上がりは脱帽のレベルです。「abien BREAD GRILL」が面白いのは、プレートの裏側にバネが入っており、約200℃に熱したプレートが食パンに押しつけられること。このため、強く接地するミミの部分はより強く、カリカリに焼けます。

「abien BREAD GRILL」で焼いたトースト。ミミがカリッと焼けているのが見てわかる

さらに半密閉で焼くため、蒸し焼きのような状態になるのもポイント。表面はカリッサクッとした食感で、中は水分が閉じ込められたふわふわ食感に仕上がります。チーズトーストやフレンチトーストなどのアレンジに対応するのもポイントです。ややクセの強い製品ではありませんが、オンリーワンな逸品でした。

“ふわふわ度”が新しいヘルシオトースター

2024年の「トースト」を語る上で、もう1台欠かせない製品があります。それがシャープの「ヘルシオトースター AX-WT1」です。12月5日発売とギリギリでしたが、24年の逸品になりました。

「ヘルシオトースター AX-WT1」(実売価格33,000円前後)。ヘルシオグリエからのリニューアルとして登場。トースターの年を締めくくる逸品でした

「ヘルシオトースター」はヘルシオの名前がつく通り、過熱水蒸気で焼くトースターです。面白いのは、この過熱水蒸気の量と温度をコントロールすることで独自機能として「ふわふわ度」が3段階で設定できることにあります。

トーストをはじめ、さまざまなコースで設定できる、ふわふわ度。 焼き加減と組み合わせで好みの食感に 調節できる

ふわふわ度1のトーストはカリッと、2だとややふわふわ、そして3のトーストは生食パンのようにふわふわになりました。買ってからちょっと時間が経って乾燥した食パンもおいしくトースト。さらに焼き色も5段階で調整できるので、15種類の食感のトーストが楽しめるというわけです。

ふわふわ度3で焼いたトーストは他にはない食感。カリッとしていながらやわらかい

このほか、「ヘルシオトースター」ではおかずの温め直しやおかず調理も可能。ノンフライから揚げやグリル野菜も焼けます。トーストに負けず、こっちも絶品でした。

この2つ以外にも、話題のモデルが複数発売されるなど、24年はトースターが非常に豊作な年でした。このため、焼き具合や使い勝手の検証で、何十枚のトーストを焼き、食べました。なので、「私の2024年」はトーストの年にしたいと思います。

コヤマタカヒロ

フリーランスライター。1973年生まれ。学生時代より雑誌ライターとして活動を開始。PC、IT関連から家電製品全般までに造詣が深く、製品やビジネスを専門的ではなく一般の方がわかるように解説するスタンスで執筆活動を展開している。近年は、デジタルとアナログ、IT機器と家電が交差、融合するエリアを中心に取材活動を行なっている。雑誌やWebに連載多数。企業のアドバイザー活動なども行なっている。 Twitter: @takh0120