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ネコの舌からきのこの傘まで! シャープ独自の「ネイチャーテクノロジー」家電まとめ
2018年11月5日 06:00
ネコの舌、きのこの傘、フィボナッチ数列のひまわりの種etc……、一体なんのこと? と思われるかもしれないが、これらはすべてシャープの家電に搭載されている技術。シャープでは動物や植物の特性に着目した「ネイチャーテクノロジー」を、白物家電に採用しており、そのラインナップは多岐にわたる。今回は、シャープのお家芸ともいえる「ネイチャーテクノロジー」が搭載された家電を紹介しよう。
ネコの舌を応用し、ゴミを1/5に圧縮する掃除機
9月に発売されたばかりの、サイクロン式コードレスキャニスター掃除機「RACTIVE Air(ラクティブ エア) EC-AS710/510」では、ダストカップ内のゴミを圧縮するためにネコの舌を応用。
ネコの舌はザラザラしており、その舌をブラシ代わりにして毛づくろいするという習性がある。舌のザラザラは細かい突起によるもので、舐めとった毛は固まって毛玉になるという点に注目。
EC-AS710/510では、ダストカップにネコの舌を模した突起を採用し、ネコが毛をなめて固めるように、吸い込んだごみを固めて再膨張を抑える構造だ。これにより、ダストカップのハンドルを回すだけでゴミを約1/5に圧縮でき、ゴミ捨て時にホコリが舞い上がりにくくなったという。
胞子を遠くに飛ばすきのこの傘で、温風をふとんの隅々まで届ける「きのこアタッチメント」
きのこの傘を応用した「プラズマクラスターふとん乾燥機」は、ホースの先端にきのこの傘を模した「きのこアタッチメント」を搭載。
きのこの傘が胞子を遠くまで飛ばすという点に着目しており、アタッチメントは内部に小さいきのこを5つ配置し、それを大きなキノコで覆う構造。外側の大きなきのこがふとんの中に風の通る空間を作り、内部の5つの小さなきのこに沿って風の勢いを強め、広い範囲に温風を届ける。これにより、乾燥マットを使わずにふとんの隅々まで温風を届けられるという。
アホウドリとイヌワシの翼をヒントにしたルームエアコン
そもそもシャープのネイチャーテクノロジーの始まりは、2009年に発表したルームエアコン。室外機に搭載されているファンに、長距離飛行に適したアホウドリと、強い乱気流のなかでも安定して飛翔できるイヌワシの翼を応用し、送風効率を高めたという。
翼をファンの根元まで伸ばすことで風を大きく受け、翼に切れ込みを入れて乱流の失速を低減させることで、消費電力を抑える効果があるのだという。さらにはファン全体も軽量化でき、軽量化によりファンを駆動させるモーターも小型化を実現している。
フィボナッチ数列に着目したひまわりの種は、洗濯機から美容家電にまで応用
ドラム式洗濯乾燥機と、ヘアーアイロンには、ひまわりの種の配列を応用。
ひまわりの種は、種の一つ一つが中心から約137.5度(黄金角)ずつずれながら螺旋状に配列されている。限られたスペースを巧みに埋め尽くしており、ランダムに見えて規則性があり、フィボナッチ数列とも関連する。
ドラム式洗濯機ではフタの内側に突起を配し、ひまわりの種の配列を応用。洗濯物にまんべんなく突起があたるように設計できたことで、洗濯ムラを低減し洗浄力もアップするとしている。
ヘアアイロンはピン1本1本が熱くなるヒートピンタイプで、ピンの配列にひまわりの種を応用。この配列により髪をキャッチする力が向上し、ストレートや毛先をカールさせる際、ピンのすき間から髪が逃げにくくなるという。
アマツバメの翼で送風効率を高めたヘアードライヤー
ルームエアコンではアホウドリやイヌワシの翼を応用していたが、ヘアードライヤーに用いられているのはアマツバメの翼。
同社のプラズマクラスタードライヤーでこだわっている「速乾力」を高めるために、高速飛行する渡り鳥「アマツバメ」の翼形状をファンに応用し、羽根枚数は従来の7枚から3枚に変更した。ファンの回転数アップを実現し、熱の力に頼らずにスピーディーに髪を乾かせるという。
このほかにも、空気清浄機にはてんとう虫の飛翔能力を、冷蔵庫にはホタテの貝がらの凹凸を応用しているという。シャープの公式サイトには、「ネイチャーテクノロジー」特設ページが用意されているので、興味がある方はこちらも要チェックだ。