やじうまミニレビュー

「ちょっと座ってひと休み」に便利な、杖にもなる折りたたみイス

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです
フリップスティック インターナショナルの「フリップスティック」

 ちょっと座って休みたい……。人気店、遊園地の順番待ちの行列や、野外フェスなど、長時間立ち続けていれば誰もが感じる事だろう。だからと言って目的がある以上、休憩する椅子を求めてその場を離れるわけにもいかず、地ベタに座るのも気が引ける。

 そんな状況でも気軽に、かつスマートに座って休憩できる、折りたたみ式のイスを今回は紹介しよう。英国のフリップスティック インターナショナルの「フリップスティック」だ。

メーカー名フリップスティック インターナショナル
製品名フリップスティック (折りたたみ式)
購入場所岡野商店
購入価格5,556円(送料別)

 フリップスティックは、レジャーやシニア向けに開発された、杖にもなるポータブル型の折り畳みできるイスだ。自転車のサドルに1本脚を取り付けたようなスタイルで、ボタンを押せば座面が回転し、イス⇔杖と切り替えられる。イギリスで35年以上の歴史を持つ製品で、ひとつひとつ丁寧にハンドメイドで作られているそうだ。

 色は全部で9色。その中からブラックのLサイズ(参考適合身長:160cm以上)を購入した。

専用のナイロン製のバッグも付属
折り畳めばコンパクトになる

組み立ては一瞬。体重130kgまで座っても大丈夫!

 フリップスティックの構成は、取っ手の付いた「座面」に、3分割できる「ポール」と、いたってシンプルな作りだ。材質は、座面はプラスチック製で、ポールはしっかりとしたアルミニウム製。ポールの先に、交換可能なゴム製のキャップが取り付けてある。ナイロン製の専用バッグが付属する。

 購入したものはLサイズ。高さはイスモード時で73~79cm(Sサイズは70~76cm)、杖モード時で84~90cm(Sサイズは81~87cm)。ポール下部で、2cm刻みで4段階に高さが調節できる。サドル型の座面の大きさは20×22.5cm(幅×奥行き)。

 重量は520gで、500mlのペットボトルとほぼ同じなので、携帯してもさほど負担にならない。専用バッグに収納した時は、24.5×27×6cm(幅×高さ×厚み)とかなりコンパクトにまとまる。

 組み立ては一瞬だ。バッグから取り出して、座面を持ってポールを伸ばし、3箇所の接続部それぞれをしっかり挿し込むだけ。ポール内部に1本のゴムが通っているので、組み立てるのも折り畳むのもバラバラにならず簡単だ。

 イスに切り替えるのはボタンを押すだけ。ポール上部のボタンを押しながら座面を90度回転させると、ボタンが座面の孔にパチンとはまり、確実にロックされる。簡単な仕組みなのに、130kgの人が座っても大丈夫、というほど頑丈にできている。

座面はサドル状だが座りやすい形状(上)。ポールの接続部は深さ3cmあり、しっかりはまる。ポールの中にゴムが通っている
パーツが全てゴムで繋がっているので、畳むのも簡単
ポール下部のシルバーの突起を押せば、2cm刻みで4段階の高さに調節できる
座面の取っ手を持ち、ポールを振り下げるだけで簡単に組み立てができる
イス⇔杖の切り替えは、ポール上部のボタンを押して座面を回転させるだけ

安定して座れ、立ち上がるのもラク

 1本脚のイスだが、安定して座れる。座り方は、座面の取っ手を持っておしりの下に入れ、そのまま腰掛けるだけ。

 初めはバランスを取るのに少し戸惑ったが、膝を軽く曲げて両脚を肩幅ぐらいに広げて座れば安定する。フリップスティックが垂直にならないように少し角度を付けて座るのがコツだ。両足さえしっかり地面に着いていれば、座面にかなり体重を預けても、多少腰を振っても倒れるような怖さはなかった。

 滑りやすいフローリングの上で使用してみたが、まったく滑らずに安定して座れた。というのも、ポール下部の直径が4.5cmのゴムキャップは柔らかく、体重がかかると接地面に合わせてゴムが適度に変形し、しっかり床面を捉えるからだ。フローリングよりも面の荒い、屋外のアスファルトや、芝生の上ならなおさら滑りにくい。

 立ち上がるのもラクにできる。膝を深く折り曲げずに座るので、立ち上がる時に膝に負担がかからず、スッと立ち上がれる。たとえ移動しながら進む行列の中に居ても、列の状況に合わせて機敏に動きやすい。

1本脚のイスなのに、安定して座れた。フリップスティックに少し角度をつけ、両足が地面に付いていれば体重がしっかり預けられる
ポールの下部のゴムキャップ(上)。体重が加わると柔らかいゴムが適度に変形して地面をしっかり捉える

 もともとは、行列必至の外出用にフリップスティックを求めたのだが、家で料理をする時にも活用している。玉ねぎを飴色になるまで弱火でじっくりと炒めるなど、長時間ガスコンロの前に立つ必要がある時に使っている。

 座りながらできるので、腰への負担がかなり軽減した。しかも、1本脚で場所を取らないので、我が家の狭いキッチンでも使いやすく、身動きもとりやすい。使わない時は、ちょっとした隙間に立てかけていつでも使えるようにしてある。

屋内でも使える。場所を取らない椅子として、料理中も活用している(左)。使わない時は立てかけておける
自分専用のポータブル椅子を携えて出かけよう。バッグのベルトは長さ調整ができる

 安いものではないが、デザイン的にも優れており、作りもしっかりしている。待ち時間に、ちょっと座れるだけでも疲れの度合は相当違うのは間違いない。

 握りやすい取っ手のついた杖として、ウォーキングにも利用できる。レジャー、イベント、買い物などを思う存分楽しむための助っ人アイテムとして、大いにオススメしたい。

藤原 大蔵