やじうまミニレビュー

モトローラ「P793」

~たった63gで、厚さ10mmのモバイルバッテリー
by 正藤 慶一


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


モトローラ「P793」

 スマートフォンの普及とともに、外出先でも充電できる外部電源として注目を集める「モバイルバッテリー」。最近はスマートフォンの高機能化に合わせて大容量化が進んでいるが、容量が多いとそれだけ重くなり、荷物になるというデメリットがある。

 しかし、今回紹介するモトローラの「P793」は、とにかく薄くて軽い。しかも、モバイルバッテリー本体に給電用のケーブルが直付けされており、外出時にケーブルを持ち歩く必要がない。外出時の手軽さを優先したモバイルバッテリーなのだ。


メーカーモトローラ
製品名P793
購入場所Amazon.co.jp
購入価格3,463円

 P793のバッテリー容量は1,390mAh。本体は真っ黒のデザインで、同社がauから発売するスマートフォン「MOTOROLA RAZR」や「MOTOROLA PHOTON」を思い起こさせる、シンプルかつシャープな印象だ。本体中央部には、モトローラのロゴマークである「M」字も描かれている。

 実際に製品を手に取ると、その軽さと薄さにびっくりする。本体サイズは110×55×10mm(幅×奥行き×厚さ)で、重量が63g。重さや持ち辛さはまるで感じられない。モバイルバッテリーというより、カードケースを持っているかのようだ。

製品パッケージ本体は真っ黒のデザインで、シンプルかつシャープな印象だ
厚さは10mmと非常に薄い本体中央部には、モトローラのロゴマークである「M」の文字も刻まれている

 ちなみに以前、薄くて軽いモバイルバッテリーとして、日立マクセルの「モバイルボルテージ MLPC-2000」を紹介したが、あれよりもさらに軽くて薄い感覚だ。モバイルボルテージは86×56×13mm(同)で、重量は65g、バッテリー容量は2,000mAhだった。モバイルボルテージの方がP793よりコンパクトさと電池容量では上回っているが、P793のほうが、本体にケーブルが直結しているためコンパクトに持ち歩ける。

左から定期券、日立マクセル「モバイルボルテージ MLPC-2000」、P793、au「ARROWS Z ISW11F」P793の重量は63g(写真中央)。手に取ると、モバイルバッテリーというより、カードケースを持っているような軽さと薄さだ。ちなみに左は日立マクセル「モバイルボルテージ」、右はパナソニック「USB対応モバイル電源パック QE-PL201-K」

 本体直結のケーブルは、本体の側面に設けられたスリットの中に収納されている。ケーブル先端にはちょこんと突起が出ており、これをつまむと先端を取り出せる。先端のコネクタの形状は、Android系のスマートフォンで広く採用されているmicro USB。スマートフォンへ給電する場合は、このコネクタをスマートフォンに接続し、本体の電源ボタンを押せばスタートする。

本体直結のケーブルは、本体の側面に設けられたスリットの中に収納されている本体直結のケーブルは、Android系のスマートフォンで広く採用されているmicro USB
バッテリー本体の充電には、付属のUSBケーブルを使用する。写真では、個人的に持っていたACアダプタとUSBの変換プラグを使って充電している

 さっそく、私のスマートフォンを充電しようと思ったが、その前にP793本体のバッテリーを充電しておく必要がある。バッテリーの充電は、付属のUSBケーブル(USB A - micro USB)などをUSBポートに繋いで行なう。本体に直付けのケーブルはあくまでもデバイスへの給電用で、バッテリーの充電には別途ケーブルが必要なのだ。

 なお、バッテリーの電池残量は、電源ボタン上部の4つのLEDインジケーターで表示する。もちろん、点灯ランプが多いほど、電池の残量があることを表し、少なくなると電池残量がわずかなことを表す。ランプは白色で、明るさを抑えた上品な印象だ。

 充電が終わったら、スマートフォンに接続して給電をスタート。私のスマートフォンはauの「ARROWS Z ISW11F」(電池容量:1,460mAh)だが、電池がゼロで電源が付かなくなった状態でスタートして、約1時間半で約58%まで充電できた。また、電源ONで待機中に給電すると、約1時間半で電池残量15%から69%まで上がった。フル充電とまではいかないが、出先で電池がなくなったピンチは凌げるだろう。

 ちなみに、デバイスへの出力方法は、本体に直結しているケーブルを使う方法以外もある。本体のケーブル付け根の隣に、USB-Aの差込口が開いており、 ここに各種USBケーブルを差すことで、Android系以外の機器にも給電できるのだ。試しにiPhoneに使ったところ、ちゃんと給電できた。また、 直結ケーブルとの同時給電も可能だった。

本体に直結のケーブルをスマートフォンに接続し、本体の電源ボタンを押すと、スマートフォンへ給電がスタート別途ケーブルを用意すれば、iPhoneなどAndroid系以外の機器にも充電可能。同時充電もできる

 使ってみて気に入ったのは、冒頭でも触れたとおり、ケーブルが本体に直結している点。一般的なモバイルバッテリーは、本体と別にケーブルを用意する必要があるため、ついうっかり置き忘れてしまったり、またイヤホンなど、ほかのケーブルに絡んでしまうこともある。しかし本製品なら、ケーブルは直結なので置き忘れることはないし、そのまま本体に収納できるため、ほかのケーブルに絡むこともない。何度かケーブルを置き忘れた経験のある私には、非常に嬉しかった。

スマートフォンと一緒に持ち歩きやすい軽くて薄いデザインだ。黒いスマーフォトンを合わせて使いたい

 また、軽くて薄いデザインも、持ち歩きに適している。ポケットやカバンに入れても、ほとんど重みを感じないのだ。先に挙げたケーブル直結もあって、非常にコンパクトにまとめられる。モトローラらしいシンプルな黒いデザインもカッコイイ。

 難点は、容量が少なめなところ。フィーチャーフォンなら満充電もできるだろうが、GPSなど電気を多く消費する機能が満載のスマートフォンでは、1,390mAhという容量は心もとない。デバイスを最大2台同時に充電できるというが、これではすぐに残量がなくなってしまう。大容量化と薄型・軽量化は相反する難題だが、せめてスマートフォンをフル充電できるくらいの容量は欲しかった。

 バッテリー本体の充電時に、直結のケーブルが使えないのも残念だ。これが充電用のケーブルも直結し、収納できるようになれば、付属のケーブルを使わなくてもすべてコレ1台で事が済んでしまい、とても便利になりそうなのだが……。

 以上の点を考えると、スマートフォンのヘビーユーザー向けというよりもライトユーザー向けだろう。もしもの時のためにカバンやポケットに忍ばせておけば、別途ケーブルを用意することなく、本製品だけでスマートフォンが充電できる。ライトなAndroidユーザーにオススメの、かっこいいモバイルバッテリーだ。





2012年 2月 2日   00:00