やじうまミニレビュー

下村工業「りんごの皮むき器」

~ハンドルを回すだけできれいに皮むき
by 伊達 浩二


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


下村工業「りんごの皮むき器」

 私はとても不器用で、包丁がほとんど使えない。

 レモンを半分にするぐらいはできるが、薄く切ることは難しい。もちろん、林檎などの果物の皮を剥くことはできない。何度か試したことはあるが、皮を一定の厚みで切ることができないし、手を切ったこともある。

 果実の皮を剥くというのは、包丁使いとしては最初の関門なのだそうだが、それができない。家人もあきらめて、林檎や梨を食べたいというと、黙って剥いてくれる。林檎は皮付きで食べてもいいのだが、梨は皮が厚いので、家人の手をわずらわせるしかないのだ。

 海外では林檎の皮むき器というものがあることは知っていたが、国内で売っていても高価なものだろうと思っていた。たとえば、5,000円以上するのであれば、一生使い続けるにしても高すぎる。

 ところがある日、台東区かっぱ橋の道具街で、下村工業の「りんごの皮むき器」が1,200円で販売されていたのを発見した。これなら、林檎と梨の皮むきだけでも、元がとれると思える。あとで気がついたが、楽天市場では、1,000円以下で販売している例もある。


メーカー下村工業
製品名りんごの皮むき器
希望小売価格1,500円
購入価格1,200円

 箱を開けると、本体だけ入っており、取扱説明書がない。箱の裏側に印刷されていることがすべてだ。説明の内容は充実しているが、箱は処分して、取扱説明書だけ保存しておきたいという私のような人も少なくないと思う。

 本体は樹脂製で、危なそうな部分にはカバーがかぶせてあり、好感が持てる。また、本体の裏側には4つの吸盤がついており、しっかり固定できるようになっている。

白と赤のきれいなデザインだ外箱の裏が取扱説明書になっている危ない波や針にはカバーが付属している
ハンドル側から見る受け皿があるので、果汁がこぼれても受け止めてくれる底の部分は穴が開いているので、全体を水洗いしても乾きが早い
上からみた状態。ハンドルは時計回りに回す刃のカバーをはずすときは、もう一方の手で押さえながらやると簡単だ

 さっそく使ってみる。まず、林檎のおしりの部分を、シャフトに刺す。シャフトには長い針がついているので、かなりしっかりと林檎を固定できる。

 この状態で、ハンドルを右に回すと、シャフトの下にあったカッター(とあるがピーラーというべきだろう)が、じわじわと反時計回りに移動していく。カッターが林檎に触れると、皮がむけていく。そのままハンドルを回していくと、林檎全体の皮がむける。カッターが、シャフトの下にきたら、ハンドルを回すのを止める。

 ハンドルの中央にある突き出しロッドを押すと、針から林檎が押し出される。

林檎を、ぎゅっと押しつけて針に深く刺す片手で林檎を支えながら、もう一方の手で突き出しロッドを押す

 文章で説明すると、面倒なようだが、林檎を刺してから、皮がむけるまで、ほんの数十秒ほどだった。実際のところは動画を見てほしい。


ほんの10秒ほどで林檎が剥ける

 自分が包丁でやると、あれだけ大変な作業なのに、とても簡単に終わってしまうので、ちょっと感動した。

 これを丸かじりにしてもいいし、客用に四等分するぐらいはさすがの私でもできる。それも面倒ならアップルカッターやアップルスライサーと呼ばれるグッズを使えば良い。

 梨でも試して見たが、同じようにきれいにむける。梨の方が皮が厚いはずだが、特に調整の必要はなかった。数十秒でスルッとむける。梨は皮が厚く丸かじりできないので、簡単に皮がむけるのはうれしい。

キウィだと果肉が柔らかく支えきれないようだ

 製品の箱の裏には、林檎や梨の皮を剥くための製品であって、ほかの用途には使うなと書いてある。そうは言っても、これだけ便利な道具なのだから、自己責任でキウィなどを試して見た。

 キウィは、果肉が柔らかくて針で刺しても固定できず、皮がむけない。また、固くてもジャガイモなど凹凸のあるものもダメだった。皮がまだらに剥けてしまうのだ。つまり、この製品は、林檎や梨のように、果肉が堅くて丸い形の果実を対象にしているということだろう。

 というわけで用途は限られるのだが、きれいで簡単に皮がむけ、価格が安く手入れが簡単なので気に入っている。とくに全体を水洗いできて、乾きが早いところが良い。林檎や梨は好きだけど、皮むきが苦手という人には、ぜひお勧めしたい。

 



2010年 11月 18日   00:00