やじうまミニレビュー
アイメディア「皮むきグローブ」
アイメディア「皮むきグローブ」 |
調理用具の専門店で、ちょっと変わったものを見つけた。野菜の皮むき用のゴム手袋だ。「泥野菜の皮むきが、早く! 安全に! きれいに!」というキャッチがつき、じゃがいも、里芋、ゴボウなどを流水で洗いながらこすると、皮がむけるという。刃物を使わないので、不器用な人でも野菜の皮がむけるわけだ。
さっそく買って試してみることにした。
メーカー | アイメディア |
製品名 | 皮むきグローブ ピンク |
希望小売価格 | オープン |
購入場所 | かっぱ橋イイダ |
購入価格 | 480円 |
「皮むきグローブ」は、ちょっと見、一般的な分厚いゴム手袋そのものだ。ただ、その指と手のひらの部分に小さな突起が無数についてザラザラしている。これで野菜の皮をこすり取る仕掛けらしい。
この突起は固いが、チクチクと鋭いものではなく、手でさわっても別に痛くない。最近の薄くて手になじむ台所用手袋とは違い、重くてがっしりしていて、タテに置くと立つほどだ。
見た目はちょっと強烈な濃ピンクで、キッチンのインテリア性を大事にする人には抵抗があるかも知れない。ちなみにピンク以外の色はないようだ。フリーサイズだが、特に手が大きい人でなければ男性も使えるだろう。これでさっそく、野菜をむいてみようと思う。
手のひら側全体に無数の突起があってザラザラしている | 厚手でがっしりしているが、フィット感がある |
「皮むきグローブ」を手にはめてみる。見た目の無骨さから予想したよりはフィット感があって、自然な感触だ。内側は布張りになっているのでサラッとしていて、べたつきにくい。ただ、表面にザラザラの加工がされて分厚くなっているので、普通のゴム手袋に比べて指を曲げにくい感じだ。指をこすりあわせるとザリザリと音がする。
■じゃがいもは時間がかかる。ゴボウには有効。
では、野菜をむいてみよう。まず、じゃがいもを試した。
流水の下でこすってじゃがいもの皮をむく。思ったより根気がいる | むいたじゃがいも。皮はよくとれるが、芽のところが残る |
パッケージの写真にある通りに、流水を流しながら芋の表面をこする。こすったところから、薄皮だけがポロポロとむけて、白い中身が露出しはじめる。このむきかたが何に似ているかというと、サンドペーパーでペンキや塗料をこすり落とすような感じだろうか。
へこんだ芽のところは指が届かないので、どうしても残る。普通は包丁のつけねで削り取るところだが、スプーンの柄のカドや、缶切りの刃でほじって取るという手もある。
こすったところから着実にむけていくが、大ざっぱになで回しているだけではうまくむけないので、よく見て、ある程度丁寧に作業する必要がある。包丁でむくのに比べて、結構まだるっこしい。時間的には2倍か3倍くらいかかる感じだ。
もちろん、包丁を使うのが苦手な人の場合、逆に、「皮むきグローブ」を使った方が時間の短縮になるということは、大いにありえるだろう。包丁目を立てないから芋の形のままツルツルにむけるし、薄い皮だけを取って実を削らないので可食部分が多く残り、歩留まりがいいと思う。
次に里芋だ。里芋は、皮にモジャモジャした細かい毛が生えているので、それに対してどんなことになるかと思ったが、「皮むきグローブ」のザラザラした表面がそのモジャモジャを引っかける感じで、じゃがいもよりやりやすい。
里芋をむく | 市販の「洗い里芋」同様にきれいにむけた | 里芋を味噌汁にした |
それでも、やはり包丁でやるより時間がかかる。じゃがいも同様、薄皮のみを取るのでツルツルとしたできあがりだ。ただ、皮の色の茶色みが少し残る。八百屋さんやスーパーで売っている「洗い里芋」そっくりな仕上がりになるので、このまま煮物などに使うことができる。
次にゴボウを試した。真っ黒に土のついた泥ゴボウだ。流水の下で、手に握ってしごくと、すごい勢いで泥と皮が落ちて、すぐに薄茶色の肌があらわれた。
「皮むきグローブ」はゴボウと相性がいい。簡単に泥と皮がとれた | 先の方の、しなってこすりにくいところもラクにこすることができる |
洗う前の泥ゴボウ | 「皮むきグローブ」できれいにむいたもの | 煮しめにした。薄皮だけをむいたので断面がきれいだ |
ゴボウの皮はジャガイモなどに比べて薄くむきやすいので、これまで包丁ではなくタワシを使っていた。しかし、「皮むきグローブ」を使ったほうがタワシに比べてずっと早く、楽にできた。タワシだと、ゴボウを回しながら繰り返し何度もこする必要があるが、「皮むきグローブ」は、握りこんでしごくので、ゴボウの全表面を同時にこする感じになり、早いのだ。
ゴボウは、のろのろ作業しているとどんどんアクが出てきてしまうので、すばやくむいて、すぐ水につけることができるのは本当にいい。「皮むきグローブ」とゴボウとは相性がいいと思う。ただ、ゴボウという野菜は毎日たくさん使うようなものではないところが、ちょっと弱いかも知れない。一度に大量のゴボウを処理する必要がある場合、たとえばお煮しめや、キンピラゴボウを鍋一杯作るような時には重宝するだろうと思う。
使用後は水で流すだけでいいが、表面の突起に野菜の皮がこびりつくので、少し洗いにくい |
使ったあとの手入れは、水で洗い流すだけでいいが、表面のザラザラに野菜の皮の破片がからみついているので、軽く流すだけではとれない。ある程度丁寧に洗いたい。水切りは、水切りカゴ等に逆さにして置いておけばいい。
■たしかに包丁なしで皮がむける。だが限界もある。
「皮むきグローブ」は、たしかに包丁なしで野菜の皮がむける。その点看板にいつわりがない商品だ。
ただ、普通に包丁が使える人の場合、これで毎日の野菜の皮むきをするのは現実的ではない。たとえばじゃがいもだと、丁寧に全面をこする必要があり根気がいる。また、それなりに手の力もいる。1つ2つをむくのならならいいが、肉じゃが用に5つもむいたらげんなりするだろう。
一方、長所としては、刃物を使わないので絶対に安全だということが大きい。子供だけでも使わせられるし、また、不器用な人、包丁を使えない人でも皮むきができる。
いずれにしても、機能がある程度限定されること、ものによっては時間がかかり根気がいることを理解した上で使用すれば、便利な商品だろうと思う。
2010年 9月 28日 00:00
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