やじうまミニレビュー

アプレス「こう見えても体温計」

~携帯に便利な超薄型体温計
by 藤原 大蔵


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです



体温計に見えないかも知れないが、商品名は「こう見えても体温計」
 体温計といえば、細長いペンのような形が一般的だ。しかし、今回紹介する製品を見て「これは体温計だ」と即答する人はとても少ないだろう。その名も「こう見えても体温計」だ。

メーカーアプレス
製品名こう見えても体温計
購入価格525円
購入店舗アプレス オンラインショップ

 普通の体温計と一番違うのはその薄さ。91×9×0.25mm(幅x高さx厚み)と、小さい上にペラッペラなのだ。たとえるなら、細長い付箋、コーヒーのマドラーを薄く延ばしたもの、といったところだろうか。

 さらに違うのが、体温の表示方法。表面には見慣れた目盛りやデジタル表記はなく、その代わりに電子基板のような緑色をした50個の点が整列している。点の横には体温を表す数値が添えられているので、点の様子を見て体温を知るんだろうな、と使い方は想像できるものの、本当にちゃんと体温が測れるのか心配になる。

「こう見えても体温計」のパッケージ。キャラクターの“タイオンちゃん”がかわいい購入時は写真のように袋に入っている。厚さは0.25mmで薄っぺら体温は緑色のドットマトリックスの変化で読む。写真下はドットの裏側

 とりあえず1度測ってみることにする。使用方法は舌下なら1分、脇の下なら3分測る、とのことで、時間が短い舌下でチャレンジ。水銀式の体温計のように割れる心配もなく、手で支えている必要もないので測定はとてもラクだった。薄く硬いプラスチック片という経験した事のない感触には戸惑いを覚えるが、無味無臭なのでその抵抗感はすぐに消える。

 1分が経過し、取り出して見ると、「35 5」と記された行にある5つの点のうち、左から3つがハッキリと黒く変化していた。一個の点が0.1℃を表し、黒く変わった終点のドットが体温を表すというので、自分の体温は35.7℃という事になる。

 製品のホームページを見ると「精度は±0.1℃以内」と紹介されていた。比較のために電子式体温計で測定すると、35.6℃と表示された。その差は0.1℃。見た目は心もとないが、どうやら本当に正確な体温計のようだ。

 1つの点の直径は1mmと小さくて読みづらそうだが、ケースにはルーペが付いているので簡単に拡大して確認できる。ただし、測定後、20秒ぐらいすると黒い点は徐々に緑色に戻るので、測定が済んだら速やかに読み取らなければいけない点には注意。

舌下で1分測定したところをすぐに撮影した。説明書によれば、写真のような場合は「35.7℃」になるらしいすぐさま手持ちの脇専用の電子式体温計で測定した。結果は35.6℃。もともと脇の下は舌下よりも低い温度ので、納得の結果だケースにはルーペが付いている。体温計の表示部分は小さいので、拡大して見られるのは便利だ

 実を言うと、本製品は厚生労働省も医療機器として認可しているちゃんとしたもの。体温計本体はアメリカ生まれで、アメリカ合衆国の政府機関である「食品医薬品局(FDA)」も認可している。製造から5年の使用期限はあるものの、いたまない限り洗って何度でも繰り返し使える。ちょっとユーモア交じりのネーミングに可愛らしいイラストが見えるパッケージから「なんちゃって体温計」程度と捉えていたが、本当はしっかりしたものだったのだ。

 計測が終わったら、ケースにしまって保管する。清潔に保つために、そのままケースには入れずに、水洗いをし、水気をふき取ってから行なう。壊れる心配がほとんどないので、水道の下で気軽にジャバジャパ洗えるのはなかなか爽快だ。

 使わないときは、クレジットカードとほぼ同じ大きさ(56×88mm)のケースに収め、透明カバーに入れる。若干厚みはあるが、毎日持ち歩く財布の中 に、クレジットカードや保険証と同じように収められるので、意識することなく持ち歩きが可能になる。旅行の際に持っていくと、いざというときに活躍してく れそうだ。

パッケージ裏面には、米国の政府機関であるFDA(アメリカ食品医薬局)が、口に入れても安全と認可したことが記されている使用後は水洗いする

洗った後は、ケースの中に入れて保存するクレジットカードや保険証と同じように財布の中に納まってしまう。常に持ち歩いておけば、イザというときにも役立つだろう

 難点としては、その小さなサイズのため無くしやすそうなことか。ただし、前述のように財布に入れておくようにすれば、探し回る手間は無くなる。さらにいえば、保険証と共に収められるというメリットもある。

 使用上の注意としては、脇の下での計測がちょっと難しい。あまりにも薄いため、どうにも収まりが悪く、その結果、体温の数値も不安定だった。何度も繰り返して計測してみたが、舌下で計測する方が確実という印象だった。

 バッテリー切れや割れる心配がない上、価格は水銀体温計(1,000円前後)や電子体温計(2,000円前後)よりも手ごろ。家族それぞれ専用の物を持つというのもアリだろう。製品名のとおり、こう見えても“ちゃんと使える”体温計だった。


2010年 3月 9日   00:00