やじうまミニレビュー

キントー「ドライフードスタンド」

~残った野菜で簡単に「ちょい干し」できるスタンド

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キントー「ドライフードスタンド」

 料理をすると、少しだけ野菜が余ってしまう場合がある。そんなとき、我が家では中途半端に残ってしまった野菜は、「干し野菜」にしている。ちょっと天日で干すだけで、素材のうま味や甘味がグッと増す。同じ野菜を2度楽しめるので、我が家では晴れの日に余った野菜をサッと干すのが日課となっている。

 野菜を干す時に便利なのが、キントーの「ドライフードスタンド」だ。ちょっと干したいときにサッと使えるので、重宝している。

メーカーキントー
製品名ドライフードスタンド
購入場所Amazon.co.jp
購入価格1,890円

ドライフードスタンドは3枚入りで、重ねて置ける

 ドライフードスタンドは板状で届くが、使用するときは端を2カ所折り曲げてから使用する。組み立ては数秒で終わる。

 組み立てたサイズは170×170×40mm(幅×奥行き×高さ)で、スタンドは3個セットとなっている。スタンドを積み重ねたり、並べて置けるので、場所を選ばず使える。重ねれば、窓辺などにも置くことができるほどコンパクトだ。

かわいらしいパッケージ
3個セット。板状になっている
両端を折る
完成
3つ重ねることができる

手軽に調理できるセミドライ干し椎茸はおすすめ

 ドライフードの作り方で一番大事なのは、野菜や果物を洗った後にふきんやペーパータオルで水気をしっかりと拭き取ることだ。水分が多いとカビが生えやすくなる。我が家ではキッチンペーパーを使い、しっかり拭き取っている。

 最初に干したのは椎茸とゴボウだ。切った野菜は、切り口を上にしてスタンドに並べる。素材と素材の間に風が通り抜けやすいよう、少し間隔をあける。

 干すときは、日当たりがよく、風通しのよい場所に干す。置くスペースがない場合はスタンドを重ね、余裕がある場合は並べたほうが早く乾く。

ゴボウと椎茸。椎茸は丸ごと干してみた
途中でひっくり返す

 スタンドの高さは40mmあるので、風がよく通る。ときどき上下を返しながら、セミドライは数時間から半日、ドライであれば数日間干す。

 天気がいい日に半日ほど干したところ、ゴボウはほぼドライ、椎茸はセミドライになった。香りがよく、椎茸はほのかに干し椎茸のようだ。料理の前にはさっと水で洗い、ホコリなどの汚れを落とし、アクが強いものはさっと茹でておく。煮物にしたところ、生のまま調理したときとは食感が変わり、少し締まった状態になった。

半日でゴボウはほぼ乾いていた
干し椎茸のような香りになり、調理も簡単。煮物がおいしい

 セミドライは日持ちはしないが、水で戻す手間が省けるので手軽に調理できる。特に干し椎茸は水で戻すのに時間がかかり、面倒に感じるときがあるが、セミドライは干し椎茸の香りを楽しみつつ簡単に調理できる。日当たりや気候によって仕上がりに変わってくるので、お好みの干し加減を見つけると良いだろう。

 同じようにエリンギもおすすめだ。うま味が凝縮され、和食にも洋食にもよく合う。残ってしまった茄子と一緒に天日干しし、焼肉のたれで炒めるだけで立派な副菜になった。

エリンギと茄子を干した
干しエリンギは和食でも洋食でも合う
一日でナスはカラカラに
焼肉のたれで炒め煮にしてみた。エリンギの食感がたまらない。茄子は甘い

中途半端に余るゴーヤや大根は迷わずドライ

 我が家で1本食べきれない野菜といえばゴーヤ。苦みが強いので大量に入れると子供達から文句を言われてしまう。いつも1本の半分を調理するが、残りは干している。ゴーヤ半分ならドライフードスタンド2個で足りたので、重ねて干してみた。1日でカラカラのドライ状態になった。

 ドライにしたものを水に戻してから調理すると、生よりも苦みが薄くなる。

ゴーヤは2段にして干した
水分は蒸発し、こんなに縮む
水に15分ほどつけておくと元通り
苦みが薄まるので、子供でもゴーヤチャンプルを食べていた

 大根は中途半端に残ってしまうときがあるが、切り干し大根にすると色々な調理に使える。ザク切りにして一日干しておけば、歯ごたえのよい干し大根になる。味噌汁に入れると絶品だ。

大根が余ったらすぐに天日干し。我が家では定番の干し野菜だ
セミドライでOK
味噌汁によく合う

高価なドライトマトも家で簡単に作れる

 イタリア料理を作るときによく使うのがドライトマト。オイル漬けは専門店で販売されているが、高価なのでなかなか我が家では買えない。

 そこでおすすめしたいのは、自家製ドライトマトだ。我が家ではプチトマトを半分に切ってよく水分を拭き取り、乾燥させる。

プチトマトを干す。一部穴から落ちてしまった
種の部分は少し湿っていた
簡単だがイタリア料理風に

 丸2日干したプチトマトは甘味が凝縮され、トマト独特の香りが強調される。調理する際は少し水で戻してから水ごと入れる。

 今回はバジルと一緒に煮込んだ鶏肉料理にした。干し野菜というと和食を思い浮かべる方も多いかもしれないが、実は洋食にもよく合うのだ。

 ただしトマトを干す際に気になったのは、小さなトマトが下に落ちてしまったことだ。ザルのように目が細かくなく、一部広く開いている部分があり、そこからストンと落ちてしまうことがあった。デザインとしてはオシャレだが、小さいものを干すときは困る。もう少し目を細かくして欲しい。

歯ごたえがあり、酸っぱいが、なぜかとまらなくなる

 ついでに干したキウイも子供のおやつにぴったりだ。かなり酸っぱさが残るので初めはビックリしたが、噛んでいるうちに香りと甘味が口に広がってくる。噛み応えがあり、油も砂糖も入っていないので、ダイエット中のおやつとしてもおすすめだ。

干すことで日持ちするので長期保存にも

 最後に干し野菜の保存について触れておきたい。干し野菜を密閉できる容器や袋に入れれば、冷蔵庫で3~4日程度保存できる。また、水分を完全に飛ばしたドライ状態のものは、瓶などに乾燥剤を入れれば、常温で約1カ月程度持つ。

 我が家では、日持ちさせるということより、その香りと食感を楽しむために半日から一日干し、数日後に食べきってしまうことが多い。天日干しした野菜や果物はギュッとうま味が凝縮され、本当においしい。干す手間はそれほどかからないので、中途半端に余った野菜は、ドライフードスタンドを広げ、日当たりのよい場所で干している。

窓辺にも置ける小さなサイズが嬉しい

 干し野菜を作るときに一番困るのは「干す場所がない」という問題だが、ドライフードスタンドならコンパクトで、ちょっとした空きスペースに置くことができる。庭やベランダがなくても、スタンドを積み重ねて、出窓などでもできるのは嬉しい。使用後は畳んで板状にできるので、我が家はレシピブック置き場に立てかけて収納している。

 デザインもとてもオシャレで、ザルのように古くささを感じさせない。家族と暮らす方だけでなく、1人暮らしで「野菜が中途半端に残ってしまう」という方も、干し野菜にチャレンジしてはいかがだろうか。

石井 和美