やじうまミニレビュー
タカラトミーアーツ「FireWood」
~インテリアにピッタリ! 本物ソックリの焚き火シミュレーター
by 藤山 哲人(2012/12/7 00:00)
片手でごはんが食べられる「スマート飯」などのオモシログッズでおなじみのタカラトミーアーツから、また新たな製品が発売された。ベッドサイドのオシャレな照明にもなる“焚き火シミュレーター”とでも言うべきインテリアグッズ「FireWood(ファイヤーウッド)」だ。
しかしこれがまぁ~、よくできてるのなんのって(笑)。見た目は、本物の炭そのもの。しかもパチパチとはじける音までするので、小学5年生の子どもが見たとき発した言葉は「これ熱くないの?」だ。
これからしばらくキャンプのオフシーズンになってしまうが、部屋の中でも焚き火がシミュレーションできるこのFireWoodが、どこまでホンモノに近いかを見ていこう。なにせ筆者の趣味は、電子工作とプログラムと焚き火だから(笑)。
メーカー | タカラトミーアーツ |
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製品名 | FireWood |
希望小売価格 | 7,140円 |
購入場所 | ヨドバシカメラ |
購入価格 | 5,620円 |
「ライティングモード」はベッドの脇の明かりなどちょっとしたインテリアライトに使える
FireWoodにはいくつかモードがあるが、明かりとして実用的に使えるのが「ライティングモード」だ。ベッドのサイドライトにすれば、ちょっと夜中にノドが乾いてベッドを離れる場合など常夜灯のように使えるほか、居間のテレビの前などに置いておき、暗めの照明としても使える。
使い方は簡単だ。FireWoodに火をつけるには、本体上部にあるスライドセンサーを左から右に軽くなぞるだけでいい。ちょうどマッチをするようなイメージだ。これで「ボッ!」という音とともに炭に火がつき、ホンノリと明るい炭の炎があたりをぼんやり照らすようになる。
さらにリアルなことに、炭がはじけるパチパチという音も聞こえる。焚き火の音を聞きながら過ごすのがFireWoodの王道の楽しみ方だが、やむをえない事情で静かにしたい場合は音を消すことも可能だ。
さらにスライドセンサーを左から右になぞることで火が大きくなり、6段階で明るさを調整できる。逆に左から右になぞると「シュー!」と少し水をかけた音が鳴り、一段階ずる暗くできる。一度に火を消したい場合は、左右に繰り返しなぞると、たくさんの水をかけ「シューーーー!」という音とともに火が消えるようになっている。
これがどれぐらいホンモノに近いかを比較するために、本当に炭を組んで、火をつけてみた。それが下の写真だ。FireWoodのように炭全体に火をつけるのは超大変で難易度が非常に高いが、ここではバーナーを使って再現してみた。
左の写真を見ればお分かりのとおり、台座がなかったらどちらが本物か見分けることができないほど、完成度の高い仕上がりになっている。
部屋を暗くするとリアルさはさらに増し、ホンモノとFireWoodの区別はほとんど付かないほど。それどころか、ホンモノの炭はあまりパチパチと音がしないので、FireWoodの方がよりホンモノっぽく感じるぐらいだ。
“焚き火シミュレーション”ができるアウトドアモードは超リアル!
次に紹介するのは、アウトドアモードと呼ばれる“焚き火シミュレーションモード”だ。アウトドア好きの人ならこちらのモードがオススメである。
火のつけ方はライティングモードと同じだが、いきなり炭に火がつかないってのがミソ。マッチをするようにスライドセンサーを左から右になぞると、炭を組んだ中央にまず火がつく。そう、ライティングモードとは異なり、アウトドアモードでは種火を入れるところから始まるのだ。
この種火を明るいところで見ると、炎の形をした白いプラスチックを黄色のLEDで照らし、電磁石でゆらゆらと揺らしているというのが分かってしまうのだが、部屋を暗くして見ると、マッチの炎ソックリ。できるだけ明かりを落として楽しむのがオススメだ。
さてライティングモードでは、スライドセンサーをなぞると火を大きくできたが、アウトドアモードではもう少し本格的。もう1つのボタンをタッチして、赤いランプが点灯したら炭の中央に向かって息を吹きかける。すると「ブォー!」という息を吹きかけ炎が大きくなる音が鳴り、1段階明るくなる。
夢のない話になってしまうが、要は内蔵のマイクで音を拾って炎を大きくするという仕組みなのだが、それでも「あー!」とかしゃべっても、火は大きくならないというリアルさがスゲエ! 下の動画のように息を吹きかけることで、徐々に火を大きくすることができる。
ライティングモードとの決定的な違いは、火のお守りをしてやらないと徐々に火が消えてしまう点だ。最大まで火を大きくしておいても、少しずつ火が弱くなってしまい、およそ2分半で火が消えてしまう。火を絶やさないようにするには、様子を伺いつつ息を吹きかけて、火を大きくすつ必要があるのだ。
ホンモノは火を起こすのが難しいが、FireWoodは火を絶やさないようにするのが難しい。
音楽プレイヤーをつなぐと炎が揺れる
FireWoodはさらに、携帯音楽プレイヤーの外部スピーカーとしても使える。添付のケーブルで接続すると、モノラルだが音楽をみんなで聴くことも可能だ。しかも、音楽に合わせて炎が揺らぐ演出もある。
ポータブルスピーカーにしてはちょっと大きめだが、単3電池3本で駆動できるので、キャンプやハイキングのお供として持って行くと、みんなでワイワイ楽しいだけでなく、必ず「ナニコレ!」とウケることウケアイだ。
しかも音質も意外にいい! ヘッドホンほどのスピーカーしかついていないのだが、低音が本体に共鳴して、ベースやバスドラムの音まではっきり聞こえる。
さて、筆者はレビューでパッケージを紹介することはまずないのだが、FireWoodのパッケージには、下の写真のようなギミックがある。
このパッケージ、アウトドア用品の店頭で見かけそうなデザインで、キャンプを嗜む人なら思わず笑ってしまうだろう。WireWoodに携わったタカラトミー社員のオチャメさと、遊び心が詰まったパッケージになっており、捨てるのは実にもったいない箱なのだ。
携帯用のミニFireWoodは、忘年会で絶対ウケる!
さてFireWoodの希望小売価格は7,140円と安くはないが、希望小売価格が1,260円と手軽に購入できる姉妹品もある。それが、スマートフォンのアクセサリなどにできる、ポケットサイズの「FireWood POCKET(ファイヤーウッド ポケット)」だ。大きさと重さは「カロリーメイト」と同じで、スマホにつけても重く感じない。
息を吹きかけると炎の大きさが変わる機能と、超リアルな炭の灯りは、本家FireWoodと同じ。カラーは漆黒のブラックと、茶色がかったチャコール、そしてかなり燃えたあとっぽく見えるグレーの3色がある。筆者がオススメしたいのは、もう1時間ほどは燃え続けて、灰に近い状態となった哀愁漂うグレーだ。色は変わっても、リアルな炎は変わらないので好みで選ぶといいだろう。
スマホにつけてアウトドア好きをさりげなくアピールして、「サバイバルできる男」を忘年会でアピールしたり、また「外は寒いけど俺、これがあるから暖かいんだ。でも、かなり熱いから注意してね」と言って相手に手渡して驚かせるという遊び方もできるだろう。キーホルダーとして使えば、夜の暗闇でも鍵穴を照らすという、実用的な使い方もできる。
焚き火好きは冬をFireWoodで乗り越えろっ!
さてFireWoodは、オモチャという括りで扱ってしまうのは難しい製品。FireWoodは、FireWoodそのものを楽しむものではなく、その揺らめく炎の中に小さな心の灯りを照らせる、少年・少女の心を持った大人のためのヒーリングアイテムだ。
「LEDが光るオモチャ」としか思えない場合はかなり高く感じるだろう。しかし筆者のように焚き火好きな人はもちろん、FireWoodの炎に何かを感じることのできる人にとっては、これまでにない画期的な製品であり、価格にもうなずけるだろう。言い換えれば、これまでの人生で刻んできた経験というシワが多ければ多いほど、このリアルな焚き火の炎に思いを馳せることできるのがFireWoodだ。
キャンプオフシーズンとなった今、実際焚き火ができる春になるまで、暖かい部屋のなかでFireWoodで焚き火を楽しんで欲しい。