やじうまミニレビュー
リックス「エコチャージャー」
リックス「エコチャージャー」。名古屋のホテルにて撮影 |
この夏、名古屋へ1泊2日の旅行に出かけたのだが、ちょっとしたアクシデントがあった。携帯電話(iPhone)を充電するためのモバイル電源を、家に置き忘れてしまったのだ。
iPhoneをはじめとする多機能携帯「スマートフォン」は、電話だけでなく地図やらMP3プレーヤーなど1台で何役もこなしてくれるため、もはや旅の必需品となっているが、それだけに使用する機会が多く、電池の減りが早い。そのため、旅行の際には「eneloop moble booster(エネループ モバイルブースター。三洋電機)」などのモバイル電源が欠かせないのだが、今回は用意していたものの、カバンに入れるのをすっかり忘れていたのだ。
それに気付いたのが昼の1時。行きの新幹線で音楽を聴いたので、iPhoneの電池残量は早くも半分以下に減り始めている。これからウェブや地図機能を使って、おもしろげな喫茶店を探そうというのにこれではイカンと、大須の電気街に飛び込んだところ、風変わりなモバイルバッテリーを発見した。リックスの「エコチャージャー」である。
メーカー | リックス |
製品名 | ECO Charger(エコチャージャー) |
品番 | RX-LBAC14UBK |
購入店舗 | グッドウィル本店 |
購入価格 | 1,780円 |
エコチャージャーの本体は90×25×180mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクト |
このエコチャージャーは、USBポートを1口設けた、電池容量1,400mAh、出力700mAのモバイルバッテリーである。これだけならフツーの製品だが、バッテリー本体に直接コンセントに接続するための電源プラグが付いているところが面白い。前述のeneloopなど、現在市販されているモバイルバッテリーのほとんどは、本体にプラグがない。そのため、入力用のUSBケーブルを繋いで充電するスタイルのものが多い。しかし本製品は、電源プラグを最初から付けることで、モバイル電源としても、USBをAC電源に変換するアダプターとしても使えるのだ。
封を開けると、中からはコンパクトな黒い本体が出てくる。 サイズは90×25×180mm(幅×奥行き×高さ)と手のひらサイズ。プラグは180度のスイング式なので、持ち歩く時には引っ込めてより小型にできる。
USBの差し込み口はロゴ下部にあるが、その右側にはスイッチが配されている。これが出力用のボタンで、機器に接続した後にボタンを押すことで、機器への充電がスタートする。本体内蔵の充電池を充電するには、プラグをそのままコンセント穴に差し込むだけだ。なお、充電池はリチウムイオンポリマー電池となっている。
ご覧のように、モバイルバッテリー自体に電源プラグが付いているため、コンセントに直接差し込める | USBの差し込み口。その左隣にあるのが、給電をONにするスイッチ。スイッチを機器に接続していない状態でつけ放しにしてみたが、容量は空にはならなかっった |
まずは、エコチャージャーのモバイルバッテリーとしての充電能力を確認してみたい。電池残量5%のiPhoneに、コンセントに接続しない状態でエコチャージャーを単独で接続。私のiPhoneは「3GS」で、パッケージの対応表には書かれていないが、問題なく充電マークが点灯。1時間半後に画面を確認すると、75%まで充電したところで、充電マークが消えていた。単体では満充電はできないようだが、75%もあれば十分に急場をしのげるだろう。なお、対応機器については、パッケージに「iPod」「iPhone 3G」「DS」「PSP」と書かれていたが、PSP-Goでは反応してくれなかった。
いろいろ遊んだ後、ホテルに帰って電池残量を見ると、何と5%。これではいかんと、エコチャージャーを接続して充電開始。この時点では、本体はコンセントに接続していない | 風呂に入ったりテレビを見るなりして、1時間半後に画面を見ると、残量は75%でストップ。満充電とはならなかったが、これなら急場はしのげる |
コンセントに差し込みながら充電できる点も、エコチャージャーの特徴 |
次に、リチウムの出力ボタンをOFFにし、コンセントに接続した状態でiPhoneの充電に挑戦。こちらも問題なく充電できた。この時には、本体の「AC」マークが点灯する。同時に内蔵のリチウム電池も充電しているようで、この後モバイル電源として使用した際には、iPhoneの充電マークが点灯した。
なおコンセント接続の場合、「このアクセサリは対応していません」というアラートが表示されたことが何度かあったが、結果的には充電できた。これは100円ショップで買ったiPod用USBケーブル(もちろん非純正)を使っていたせいかもしれない。説明書には「付属の純正ケーブルをご使用ください」とあり、純正のUSBケーブルを使えば、何のアラートもなく充電できた。もしエラーが起きた場合は、純正のケーブルを使ってみると良いだろう。
この製品の良いところは、コンセントに直接差し込めるため、パーツが少なくて済む点。一般的名モバイルバッテリーでモバイル機器を充電した場合、今度はモバイルバッテリー側の電池容量が減ってしまうため、改めて充電し直す必要がある。しかし、モバイルバッテリーにはACアダプタはないため、充電用のUSBケーブルケーブルなどアクセサリを使ってAC電源(またはUSBコネクタ)に繋ぐ必要がある。
それが、エコチャージャーなら、モバイルバッテリー(エコチャージャー)本体と、給電用のUSBケーブル、という2点だけで済む。持ち歩くパーツが少なくなるため、荷物の量が抑えられ、よりシンプルに充電にできるのだ。
一般的なモバイルバッテリーをAC電源経由で充電するには、アクセサリが必要だった。写真は三洋電機の「KBC-L3A」(USBケーブルは純正品を使用していません) | エコチャージャーなら、コンセントに直接差し込めるため、アクセサリが不要 |
ただし本製品には、使用回数は約500回までという制限が加えられている。つまり、使い続けるにつれて、だんだんと使えなくなってしまうのだ。単三型のエネループが1,500回繰り返し使用できることを考えると、ちょっと心許ない感もある。
また、電池容量が1,400mAhと、そもそもあまり容量が多くないというのも心配だ。三洋が現在発売している「エネループ モバイルブースター KBC-L2AS」、および10月より発売する「KBC-L2BS」なら、容量はドーンと5,000mAh。エコチャージャーがいくら充電しやすいといっても、モバイルブースターなら大容量のためそもそも充電の頻度を省けるというメリットがある。さらに言えば、KBC-L2BSはiPadにも対応する。総合的に見れば、モバイルブースターの方が高性能だろう。
その点を考慮すると、エコチャージャーのメリットはその手軽さだ。購入しやすい価格に、すぐにコンセントに差しこんで充電できるという手軽さは、今回のような1泊2日の旅行にはピッタリだった。複数のモバイル機器をガッツリ使用するハイレベルな“モバイラー”よりも、私のようなスマートフォンなど携帯電話を1台だけ充電できればいいや、というライトユーザーの方が相性が良いだろう。8月は終わったが、9月・10月の連休にお出掛けの予定がある方は、旅のお供としてお勧めしたい。
2010年 9月 2日 00:00
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