やじうまミニレビュー
トンボ「リポーターコンパクト4」
今や、仕事のほとんどはパソコンで完結する記者/編集業だが、紙とペンがいらなくなったかといえば、そうではない。イベント取材や取材対象者を囲んで話を聞く、いわゆる囲み取材など、まだまだ紙とペンを引退させることはできない。
さらに掘り下げて、こうした取材活動をする際に、紙とペン、どちらがより重要かと言えば、ペンである。紙のほうは、最悪、手持ちがなくても、会場で配られる資料の裏や余白に書けばよい。しかし、ペンを忘れたら、なにも記録することができない。
というわけで仕事に使用する“取材ペン”だが、私が要求するスペックはまず安いこと。とにかく、持ち運ぶのでなくすことが多い。数本まとめ買いできるものであってほしい。2つ目は多色ペンであること。メモを取る際に、事実と感想、データなどを色分けしておくと、あとで原稿を書く際に格段にラクになる。あと、仮にインク切れを起こしても他の色で補えるという側面もある。そして最後の条件がストラップを付けられること。ストラップがなく、胸ポケットなどに入れていると、落としたり、そのまま洗濯して衣服を汚したりとトラブルの原因になりやすい。首から提げていれば、こうした心配はなくなる。
これらの条件を満たす多色ボールペンが、今日紹介する「リポーターコンパクト4」だ。この製品、実は「リポーター」という同社の定番製品の弟分、という位置づけになっている。
メーカー | トンボ鉛筆 | |
製品名 | リポーターコンパクト4 | |
希望小売価格 | 367円(ストラップなし) | 504円(ストラップ付き) |
購入店舗 | ヨドバシカメラ | |
購入価格 | 希望小売価格と同額 |
では、なにゆえ“リポーター”という名前が付いているかというと、多色ペンのトリガーの部分に秘密がある。色ごとに指が引っかかるところのパーツの形状が変わっており、慣れればいちいち目視で確認しなくても色を切り替えられるのだ。
黒のトリガー | 緑のトリガー |
赤のトリガー | 青のトリガー |
この便利さは、ある程度慣れるまで使い込まないとわからない。しかし、一回、「この感触は赤だな」というパターンを覚えてしまうと、驚くほどスムーズに色を切り替えられる。「そんなに慌てる必要あるの?」と思うかもしれないが、もう一度、製品名を思い出して欲しい。そう、“リポーター”だ。人の話を追っているときは余裕がない。しかし色分けしたい。そうしたニーズにきっちりと応えてくれる。
クリップの開く角度が大きいので、簡単には折れない | 一般的なボールペンの8割程度の長さ | 発色や滑りの良さは、普通と言ったところ |
ストラップ付きの製品を首から提げたところ。ストラップは長めなので自由が利く |
ちなみに、「コンパクト」の場合は軸の長さも一般的なボールペンより一回り短くなっている。首から提げる場合は、長さはあまり関係のない要素になるが、ポケットに入れたり、手帳に挟んだりする場合にかさばらなくてよい。
発色やインクの出具合に関しては、一般的な多色ボールペンと同じ水準だろう。たとえば、文房具ファンから圧倒的な支持を受ける三菱鉛筆の「ジェットストリーム」シリーズなどと比べてしまうと、やはり一段、色が淡い感じがする。もっとも、これは他のボールペンすべてに関して言えることだが。ちなみに軸径は0.7mmとなっている。個人的には、0.5mmのバリエーションも欲しいところだ。
今のところ、取材用ペンとしてこの製品ほどしっくりくるものはない。カラーバリエーションも11色あり、いかにもビジネス向けの透明から、ピンク、グリーンなど遊び心ある色まで揃っている。ビジネス書などで採り上げられている、三色ボールペンを使った読書や勉強などにもよいだろう。携帯用多色ボールペンの定番として、ぜひ勧めたい製品だ。
2009年 11月 6日 00:00
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