やじうまミニレビュー
電子レンジでごはん1杯がスグ炊けちゃう! 保温もできる「ごはんが炊ける弁当箱」
2018年4月17日 07:00
新生活が始まって、そろそろ実家のごはんが恋しくなる頃。とりあえずコンビニ弁当でしのいだ4月だが、そろそろ自炊を始めて節約しようという人も多いはずだ。
そんなときにオススメしたいのが、ステンレス製の保温ポットで有名なサーモスから発売されている「ごはんが炊ける弁当箱」。一見すると普通の保温ポットのようにしか見えないが、付属品を使うと電子レンジで素早くごはんが炊けるという、面白アイテムだ。
メーカー名 | サーモス |
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製品名 | ごはんが炊ける弁当箱 JBS-360 |
実売価格 | 2,060円 |
どれだけ簡単にごはんが炊けるかやってみた!
「ごはんが炊ける弁当箱」は、次のような付属品がセットになっている。大きく分けると、保温用ケースと炊飯ユニットだ。
こんな単純なものでも電子レンジを使って、40分で簡単にごはんが炊けるというので、早速実験してみた。
1.ラインまでお米0.7合を入れる
この炊飯器は、0.7合炊き固定。でも市販の軽量カップには、0.7合なんて目盛りがないので、本体のカップに引かれたラインを目安に0.7合のお米を入れる。
2.お米を研ぐ
無洗米はこの手順をスキップして次へ進む。普通のお米は研ぐ必要があるが、内釜のカップが小さすぎて研ぎづらい。でも別の容器に移し変えるのも面倒! という場合は、説明書には載っていない裏技を! 次のように炊飯パーツを使って研ぐと、かなり楽ちんになる。
じょうご状の炊飯パーツにお米を移し変え、水を少しずつ流しながらお米を研ぐ。実はこのパーツの底には、メッシュ状の穴が開いていて、お米が流れないだけでなく、水も少し溜まるようになっているので、お米を研ぐのにちょうどいい。水を切る場合は、メッシュの穴のお米を除けてあげると、穴から水をだけを捨てられる。
3.規定のラインまでお水を入れる
ここからが、ごはんを美味しく炊く本番!
今(4月)は新米シーズンではないので、内釜に記されたラインぴったりに水を入れる。新米シーズンの場合は、やや低めの位置がいいだろう。お米の硬さは水分量で調整するが、なにぶん0.7合炊きなので±1mmでも、硬さがかなり変わるようだ。
時間に余裕がある場合は、20~30分浸しておくと、ふっくらした美味しいごはんが炊ける。「朝にそんな余裕はない!」という人は、浸し工程をスキップして次の手順へ。
4.炊飯ユニットを取り付け
じょうご状のものは、底に小さい穴が開いている。これで沸騰して沸きあがってきた水を受けるようになってる。上部の直径が大きくなっているのは、オネバ(お米を炊いたときに吹き上がる糊状の液)が上がってきても噴き出さないようにするためだ。
さらに上に被せるふたは、おねばはシャボン玉のように大きな泡になるので、その泡を破るためのもの。なくても調理方法や味に変わりはないはずだが、フタなしで炊くとレンジの内部がベトベトになるだろう。
5.電子レンジで8分炊飯!
500Wなら8分加熱でごはんが炊ける!
ちなみにW(ワット)数を変えた場合は、次のような計算式で、加熱時間を求められる。
(500W×8分)÷〔設定W数〕=〔加熱時間〕(分)
つまり800Wのレンジで時間短縮するなら、次の計算式となる。
(500×8)÷800=5
式の結果は5なので、800Wの場合は5分加熱すればいい。
600Wの場合は次のような計算式となる。
(500×8)÷600=6.66……
6.66、つまり6分と小数点0.66になるので、小数点は四捨五入し0.7として、小数点部分の秒数を次のように計算。
60×0.7=42秒
600Wなら6分42秒加熱すればいい。2秒や40秒が設定できない場合は、四捨五入した値にするか、長めに設定して手動で停止してもいいだろう。
6.レンジから取り出して容器を保温ユニットに移し変える
炊飯ユニットの耳を持って、保温ユニットに移し変える
炊飯ユニットの耳はまったく熱くならないので、ここを持ってレンジから取り出す。さらにそのまま、保温ユニットに移し変える。レンジで加熱した直後は、おねばの水分が残っているので、30分蒸して美味しくなーれ! とおまじないするといいだろう。
7.30分保温して蒸す
炊飯ユニットは簡単に外れるので、取り外したら保温ユニットのフタを取り付け密閉する。最後に保温カバーの中に入れてチャック!
8.完成! 食べる! うまい!
加熱直後に残っていた水分は、全部ごはんに吸い取れられ、おいしそうなごはんが炊き上がった。しかも美味しいごはんの証である「かに穴」もある炊き立てごはん。30分放置して蒸していたのに、保温容器のおかげで、ごはんはホカホカ。湯気が立ち上がるほどだ。最後にかき混ぜて食してみると! シャッキリ系のごはんの完成だ。
ただ浸し工程をスキップしたので、ほんのわずかに芯が残っているような感じだ。説明書どおりあと20~30分浸し工程を惜しまなければ、もっと美味しいご飯が炊けそうだ。
コラム:かに穴
美味しいごはんが炊けたひとつの目安が「カニ穴」。その名の通り砂浜にあるカニの巣のような穴がごはんの表面にできていること。この穴は、かまどのような大火力でお米をぐらぐら炊飯するとできるので、美味しいごはんの目安とされている。
いろいろ炊き比べてみたが、30分浸すといちばん美味しい!
浸し工程をスキップしたら少し固めだったので、ちょっと水を多くして柔らかめのごはんが炊けるかを試してみた。これなら浸し時間を省きつつ、芯もなくなるだろうという思惑だ。水は規定のラインより1mmほど上。容量にしたら数十cc程度だ。
水を多めにして浸し工程なし
炊き上がりは見た目には変わらない。
食べてみると、芯はなくなっていたものの、ちょっとベタ付く感じがあり、「ふっくら」とは言いがたい。顕微鏡写真でお米の粒を比べてみると、浸しなしで普通に炊くよりは、お米がふっくらしているのが分かる。
ふつう:30分浸し工程あり
今度はサボらずに、30分水に浸してから炊飯してみた。こちらも見た目は、大差ないようだ。
実際に食べてみると……美味しい! 説明書にあるとおり、水は規定のラインまで入れ、加熱する前に水に30分浸すほうが美味しく炊き上がる。
ご飯粒の顕微鏡写真でも、前の2つとの違いは明らか。
ご飯粒はツヤツヤしていて、前の2つとは違ってツブが1.5倍ほど大きい。これがふっくら、シャッキリ系のお米だ。
朝作ってお昼までには温かいピラフも作れちゃう!
説明書どおりのことをしても面白くないので、例によって筆者オリジナルレシピを考案してみた。それがベーコンピラフ。作り方は簡単で、普通にごはんを炊くのと同じ。違うのは、水を入れたあとに、砕いたコンソメスープの素1個とペーコン1枚、バターをひとカケラ入れてレンジで加熱しただけ。
ピラフならふっくらしていなくても美味しいので、合法的に浸し工程をスキップできるという魂胆だ!
炊き上がりは次の通り。筆者の予想通りのものが完成した。食べてみると、お米1粒1粒にベーコンとバターの風味がコーティングされて、とっても美味しいピラフになった。
さてもうひとつの美味しさの秘密は「温かいごはん」である点だ。30分蒸しても熱々のごはんなので、どれだけ保温できるかも調べてみた。
次のグラフは、レンジで加熱した直後に保温ケース&カバーに入れて、内部の温度を記録したものだ。なので最初の30分(およそ90℃)までは蒸らし工程となっている。ここでは蒸らし工程後フタを空けずに、そのまま温度を測っている。
朝8時に電子レンジで炊き上がったごはんを持って、家を出たとすると昼食の12時は4時間後。このときの温度はおよそ66℃で、まだフタを開けると湯気が出るほど温かいごはんのまま。もう少し早く7時に家を出たとしても、ごはんはまだ64℃。驚きの保温力だ。
炊き立ての熱々ごはんの保温にも!
紹介したように1食用の炊飯器として使えるのはもちろんだが、熱々ごはんの保温容器としても使える。炊きたてのご飯を炊飯器から移してフタをするもよし、冷めたご飯を容器に入れてレンジで再加熱してからフタをするもよし。どちらも保温カバーに入れておけば、だいたい3時間後ぐらいでも暖かいごはんが食べられる。
菌が活性化すると言われる50℃まで温度が下がるのは、およそ9時間後。8時にごはんを詰めて、お昼に食べるタイミングを逃して17時になったころだ。ただもうこの時間になると、朝に作ったお弁当を食べるのは遠慮したいところ。
菌の心配は、どちらかというと食べた後だ。食べ終わったあとには、しっかり洗いたい。本製品は、パッキンからプラスチック部品までバラバラにして洗えるようになっており、ご飯が直接触れる部分は漂白剤で除菌もできるようになっているので安心だ。
こんな人にオススメしたい「ごはんが炊ける弁当箱」
色々使ってみて、筆者なりに使えそうなシーンを考えたところ、こんな場所で活躍しそうだ。
一人暮らしの炊飯器として
新社会人や学生さんなら、炊飯器を購入するまでのつなぎとして使うのに便利。また炊飯器を購入してからも、「1杯だけごはんを炊きたい!」という場合に、一人暮らし用の炊飯器として便利に使える。
長期出張や長旅のお供に
最近のホテルは、必ずと言っていいほど共用の電子レンジが用意してあるので、無洗米と本製品を使えば簡単に熱々ごはんが食べらる。コンビニで白米を買うと以外に高いので、ごはんだけは自分で炊いて、浮いたお金をで夜の一杯に回すのもありだ。