藤山哲人のモバイルバッテリー診断
無印良品「スマートフォン用充電式電池・6200mAh」
~実容量率が高く電圧、電流ともに安定した高性能モバイルバッテリー
by 藤山 哲人(2014/7/3 07:00)
今回紹介するのは、無印良品のモバイルバッテリー「スマートフォン用充電式電池・6200mAh DE-RHD004」。オフホワイトに近いアイボリーのボディで、角に丸みも付いていて、いかにも無印良品らしいデザインだ。
メーカー名 | 無印良品 |
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品名 | スマートフォン用充電式電池・6200mAh |
型番 | DE-RHD004 |
バッテリー容量 | 6,200mAh |
繰り返し利用回数 | 500回 |
サイズ (幅×奥行き×高さ) | 68×115×16.5mm |
重量 | 167g |
カラー | 白のみ |
販売価格 | 5,000円 |
今回レポートするのは、スマートフォンをおよそ2回充電できる6,200mAhタイプだが、1回充電できる3,100mAhタイプも同時発売されている。2つの違いは、充電回数に加え、本体の厚みが一回り薄くなっている点と、出力のUSBコネクタが1つになっている点だ。それ以外の仕様は、6,200mAhタイプとほぼ同じなので、6,200mAhタイプを中心に紹介する。
小さいタブレットならスマートフォンと同時充電もOK!
まずは、内蔵バッテリー容量1,800mAhのスマートフォン(ARROWS X F-10D)を実際に充電してみた。結果は、2回と40%ほど充電でき、思っていたより充電できたという感じだ。
【スマートフォン充電テストの結果】
充電回数「2回と40%」(4,374mAh相当)
※WiFi:ON、Bluetooth:OFF、GPS:ON、省電力モード:OFF、画面OFFの状態で充電、電池残量約10%から充電開始し90%程度までを繰り返し、アプリBattery Mixにて容量変化を記録
サイズは、実測テストで使用中のスマートフォンとほぼ同じ。ただ、厚さはチョコレート菓子のキットカットぐらいある。男性ならスマートフォンを充電しながらジャケットのポケットに入れておいても、ギリギリ型崩れしない程度の大きさだが、女性はハンドバックに入れて使うのがメインになるだろう。
スマートフォン充電用のUSBコネクタは、2つあり2台同時充電が可能。ただ、左側の(1)コネクタは最大1.8A、右の(2)は1.0Aになっていて、若干、中途半端な印象を受ける。第3世代のiPad以降は、急速充電に2.1A以上が必要とされているので、1.8Aのコネクタではわずかに電流が足りない。とはいえ、まったく充電できないわけではなく、低速での充電は可能だ。6,200mAhという容量から考えると、スマートフォン+ミニタブレットの充電用と考えるといいだろう。
バッテリー残量は緑、オレンジ、赤の3色で表示される。スマートフォンをほぼ2回充電できることを考えれば、3段階でちょうどいい感じだ。
項目 | 詳細 |
USBコネクタ数 | 2 |
USB最大電流 | 2.8A |
充電ケーブル (コネクタ) | USB-Micro USB |
残量インジケータ | 3色1灯式 |
自動電源OFF | 本体電源ON時も有効 40mAでOFFを確認 |
同時充電 | スマートフォン2台:○ スマートフォン+タブレット(1.8Aまで):○ |
ロスの少なさは秀逸! 安定性も高い高性能バッテリー
たいていのスマートフォンは約1Aで急速充電するため、独自の測定器を用いて、1Aの電流を連続して流し、電圧と電流の変化、そしてスマートフォンを充電できる実容量を測定した。
なお実用量とは、パッケージの「○○mAh」というバッテリー容量のうち、実際にスマートフォンを充電できる容量を示す。詳細は、「独自の測定器」の記事で説明しているが、スマートフォンを充電する際には、モバイルバッテリー側のロスに加えて、スマートフォン側の充電回路のロスもある。独自の指標としている実用量率は、この2つのロスを差し引いたものとなっている。簡単に言えば、実用量率は、表示容量に対する割合で、値が大きいほど高性能バッテリーといえる。
電圧は4.95Vで極めて安定。電流も900mAを中心に安定した部類に入りそうだ。この実験を元に、実容量を計算したところ69%(4,304mAh)となった。極めてロスの少ないバッテリーと言えるだろう。
計算を元に出した実用量から、各種スマートフォンやタブレットをおよそ何回充電できるかは、次のとおりになる。Android系の場合()内が内蔵バッテリー容量を示している。
項目 | 詳細 |
バッテリー表示容量 | 6,200mAh |
連続利用時の実用量 | 4,304mAh(69%) |
連続実用量1,000mAhあたりの価格 | 1,162円 |
充電回数(理論値) | Android(1,300mAh):3.3回 |
Android(1,500mAh):2.9回 | |
Android(1,800mAh):2.4回 | |
Android(2,000mAh):2.2回 | |
Android(2,200mAh):2.0回 | |
Android(2,500mAh):1.7回 | |
Android(3,000mAh):1.4回 | |
iPhone4s/5/5s/5c(1,500mAh):2.9回 | |
iPad mini(6,471mAh):0.7回 | |
iPad(11,560mAh):0.4回 | |
小容量タブレット(6,000mAh):0.7回 | |
大容量タブレット(12,000mAh):0.4回 |
充電時間は4時間を切り、カタログスペックより速い
Webや説明書には、充電時間が4~15時間とかなり幅を持った値が記載されていた。おそらく、充電器の違いによるものとして記載しているのだろう。充電器が付属されていなかったので、今回は2A出力のできるUSB-ACアダプタを使って、実際に充電まで何時間かかるかを調べてみた。
項目 | 詳細 |
本体充電用コネクタ | Micro USB |
付属充電器(仕様) | なし |
充電時間(カタログ値) | 4~15時間 |
充電時間(実測) | 3時間50分 |
繰り返し利用回数 | 500回 |
結果は3時間50分となった。よほど出力の小さいUSB-ACアダプタを使わない限り、15時間もかかることはないだろう。充電時間は、標準よりやや速いといった感じだ。
充電コネクタにはフタがされている。スマートフォンのコネクタカバー同様、細いプラスチックで本体とつながっているので、紛失してしまうことはない。
クセがなくシンプルなデザインは無印ファン~初心者まで
まずオススメしたいのは、無印良品のデザインが好きな人だ。女性には特に人気のようで、機能性が高くシンプルなデザインは、さすが無印良品というイメージだ。
安定した電圧と電流は、一流メーカー品と遜色ない。その上、実容量率も高くロスの少ない高性能モバイルバッテリーだ。
唯一の難点は、片側の最高出力が2.1Aではなく1.8Aという点。タブレットの中でも第3世代のiPad以降は、急速充電できない可能性もある。しかし、Android系のミニタブレットや、超急速充電機能を備えたスマートフォンでは便利に使えるだろう。
2台同時充電も可能で、価格もそこそこ、充電時間もそこそこと、癖のない平均点的なバランスの取れた性能が、初心者にもオススメできる。
ロスの少なさ | ★★★★☆(4) |
持ち歩きやすさ | ★★★★☆(4) |
単位容量の安さ | ★★★★☆(4) |
充電の早さ | ★★★★☆(4) |
使い勝手のよさ | ★★★☆☆(3) |