【特別企画】

LED電球はこれを買うべし! 担当ライターが選んだこの夏お勧めのLED電球

by 藤原 大蔵

 東日本大震災から続く節電意識の高まりにより、省エネ光源として注目を集めているLED電球。家電量販店でも非常に多くの製品が並んでいるが、どれを選んだら良いのか分からないという方もまだまだ多いのではないか。

 そこで今回は、家電Watchにてこれまでレビューで取り上げたLED電球について、現時点で「これを買っておけば間違いない!」というお勧めの製品を取り上げてみよう。

 この企画を行なうもう1つの理由としては、引っ越しをしたこともある。ここまでほぼ同じ環境でLED電球の写真を撮影し、評価してきたが、次回から別の部屋に変わるため、評価環境が従来とは変わる恐れがある。そのため、ここで評価をまとめて、ひとつの区切りとしたい。

 対象となる製品は、2011年に発売され、現在も販売を継続しているE26口金のLED電球10機種(一覧は本ページ後半で)。評価するポイントは、(1)「明るさ(白熱電球60W相当)」(2)「光の広がり(拡散性)」(3)「色の再現度(演色性)」だ。

 ところで前回までは、スペックの違いから生活シーンでの実使用まで、多岐にわたって細分化、数値化してランキングを行なっていた。しかし、項目が多すぎたせいか、わかりやすさやシンプルさに欠ける部分があった。今回はよりシンプルに、前述の3部門において最も優れているものを、それぞれのベストなLED電球として選出。さらに、選外にするには惜しい特徴を持ったLED電球も、次点として合わせて紹介する。

 なおこの記事では「白熱電球と交換すること」をテーマにしているため、光色は電球色のみに限定している。また、レビュー数が少ないE17口金のLED電球や、レビューをしていない機種については、評価の対象外になっている。これらの点をご了承いただきたい。

これを買っておけば大丈夫! 60W相当の明るさなら東芝「E-CORE 一般電球形 10.6W」

 まずは、照明として最重要ポイントである「明るさ」だ。一般家庭でもっとも利用されているであろう、白熱電球の「60W形」の明るさに近いものをベストとして選んだ。暗いLED電球や明るすぎるLED電球ではなく、白熱電球60Wと交換して「これなら問題ない」というものを選んでいる。言ってみれば、ここでベストだった製品が、最も「これを選んでおけば間違いない」というLED電球、ということだ。

 評価については、デスクライトに取り付けた場合の直下の明るさの数値と、玄関における実使用の様子を対象としている。

★60W形白熱電球と交換するならコレ!
東芝ライテック「E-CORE 一般電球形 10.6W LDA11L-G」

60W形白熱電球と交換するなら、東芝ライテック「E-CORE 一般電球形 10.6W LDA11L-G」

 60W形白熱電球と交換するなら、東芝ライテック「E-CORE 一般電球形 10.6W LDA11L-G」を購入しておけば間違いなし! デスクライトに取り付けた直下の明るさは、60W形白熱電球を少し超える820lx(高さは55cm。以降は条件同じ)。明るすぎることもなく、もちろん明るさを我慢することもない。それでいて、白熱電球のような光の拡散性も望める。さらには、密閉器具にも対応している。

 結論を言えば、このLED電球を買えば、小難しい事を考えずに、今までの白熱電球と同様に、家庭のありとあらゆる器具に取り付けられる。どんなシーンにおいても、快適なパフォーマンス性を発揮するだろう。

高さ55cmからの照度は820lxで、60W形白熱電球を超えた玄関に設置した例。暗いこともなく、明るすぎることもなく、60W形の白熱電球に交換するにはベストなLED電球だった

 これ以外では、三菱化学の「Vervatim (バーベイタム) LDA9L-H/3SK」も良かった。この製品は、一般的な白熱電球用の器具に取り付けて、「ON/OFF」のスイッチ操作だけで3つの明るさが選べるのが特徴だが、60W形、40W形としても十分な明るさを備えているのだ。全灯時は1,070lxと、60W形白熱電球の明るさを越えており、1段階調光するれば462lxと、40W形とほぼ同等の明るさになる。さらに調光すれば、常夜灯としても利用できるほどの、ほのかな明かりになる。

三菱化学の「Vervatim (バーベイタム) LDA9L-H/3SK」は、60W形はもちろん、40W形の白熱電球との交換にも向いているスイッチ操作で明るさの切り替えが可能。通常の点灯(写真左)なら60W形、1段階調光すれば40W形相当の明かりになるj

 また、より明るいLED電球として、テックウィンドの「Luminoa(ルミノア) LDA16L-H」と「LDA14L-H」についても取り上げたい。電球色でありながら、どちらも肉眼では100W形相当の明るさを備えている。電球が大きく、器具を選ぶが、とにかく明るくしたいならコレだ。

明るさなら、テックウィンドの「Luminoa(ルミノア) LDA16L-H」(写真上)と「LDA14L-H」(写真下)は忘れてはいけないどちらも肉眼では100W形相当の明るさを備えている(写真はLDA16L-H)相当明るいので使用する場面を選ぶが、とにかく明るくしたいならコレだ(写真はLDA16L-H)


光の広がりならパナソニック「EVERLEDS 11.0W 全方向タイプ」

 次に評価するのが配向性、つまり光の広がりだ。

 白熱電球は電球を中心に、光が全方向に満遍なく届くが、LED電球は、直線的な光を放つため、通常は白熱電球のような拡散性を実現するのは難しい。しかし、「全般配光形」「全方向タイプ」と謳われたLED電球では、電球に光を広げるための仕組みが搭載されているため、白熱電球に近い光の広がりが演出できる。

 今回は、光が均一に拡散しているか否かを評価の第一とした。さらに、明るさ、器具との相性なども考慮して選んでみた。

★「白熱電球のような光の広がりはコレ!」
パナソニック「EVERLEDS 11.0W 全方向タイプLDA11L-G」

「白熱電球のような光の広がりは、パナソニック「EVERLEDS 11.0W 全方向タイプLDA11L-G」

 光の広がりについては、パナソニックの「EVERLEDS 11.0W 全方向タイプLDA11L-G」を一番に推したい。白熱電球と取り替えても、それに気づかないぐらい口金付近から上方向まで満遍なく光りが届いており、器具の特徴を存分に引き出してくれる。明るさは60W形白熱電球に近く、しかも密閉器具にも対応している。スタンドライトなど、光が上下に漏れる器具に取り付けるのはもちろん、電球を横向きに取り付ける事の多い、浴室の器具にもバッチリだ。


口金付近から上方向まで、光が満遍なく届いているスタンドライトなど、光が上下に漏れる器具にもピッタリだ

 光の広がりについては、同じくパナソニックの“クリアLED電球”こと、「EVERLEDS クリア電球タイプ LDA4LC」も良かった。こちらは電球のカバーが透明で、クリア電球との交換を狙った商品ではあるが、光の拡散性はクリア電球と酷似している。明るさをさほど望まない、インテリア性の高い器具に取り付けるなら、こちらを選ぶのもアリだろう。

タイプは異なるが、パナソニックの“クリアLED電球”こと「EVERLEDS クリア電球タイプ LDA4LC」も、光の拡散性という点では良かったインテリア性の高い器具に取り付ければ、煌き感のある光が器具に映えるだろう


色の再現性も東芝「E-CORE 一般電球形 10.6W」

 LED電球選びで見逃せないのが、色の再現性(演色性)だ。

 というのも白熱電球とLED電球では、光を放つ構造が異なる。白熱電球は電球内部の「フィラメント」という線を熱して光っているが、LED電球は電球内部のLEDチップが光っている。構造的に異なるため、光色も違ってくるのだ。

 色については、食事のシーンを照らした結果から評価した。食事は目でも楽しむ側面があるから、とにかく「食事がおいしそうで、新鮮に見える」を重視した。加えて、白熱電球らしい暖かみのある色合いか、食卓のペンダントに一個だけ取り付けて60W形の明るさが得られるか、なども合わせて評価した。

★「白熱電球のような光色はコレ!」
東芝ライテック 「E-CORE 一般電球形 10.6W LDA11L-G」

 ベストだったのは、明るさでも選出した東芝ライテック「E-CORE 一般電球形 10.6W LDA11L-G」だ。食べ物の色合いが鮮やかで新鮮に見え、暖かみのある華やかな食卓が演出できる。明るさも十分にあるので、複数使わなくても一灯だけで十分だ。電球の色温度は白熱電球よりも低め(2,700K)なので、多少赤っぽくはなってしまうが、色味のくすみは感じられず、全体的なバランスはとても良い。

「白熱電球のような光色なら、東芝ライテック 「E-CORE 一般電球形 10.6W LDA11L-G」食べ物の色合いが鮮やかで新鮮に見え、暖かみのある華やかな食卓が演出できる

 実は、色の再現性だけに限って言えば、テックウィンドの「Luminoa LDA16L-H/LDA14L-H」が一番良かった。白熱電球に近く、自然な電球色がとても魅力的だった。しかし、食卓にはあまりに明るすぎる点と、電球が大きく器具とのバランスが取りにくい点から、東芝を選ばせていただいた。

明るさの項でも取り上げた、テックウィンドの「Luminoa LDA16L-H/LDA14L-H」は色も良かったこちらはLDA16L-H。自然な電球色が魅力的だこちらはLDA14L-H。色は非常に良いが、食卓には明るすぎるため次点をさせていただいた

 以上が、「明るさ(白熱電球60W相当)」、「光の広がり(拡散性)」、「色の再現度(演色性)」という3部門におけるベストなLED電球だ。この結果を見ると、明るさと色を重視する場合は、東芝ライテックの「E-CORE 一般電球形 10.6W LDA11L-G」を、光の広がりを重視する場合は、パナソニック 「EVERLEDS 11.0W 全方向タイプ LDA11L-G」が、白熱電球と交換して間違いないLED電球ということが言えそうだ。

 なお付け加えておきたいのだが、今回1位にならなかったからと言って、「これは使えない!!」というものは、1つも無かった。このことは強く申しておきたい。

【評価の対象となったLED電球】
(表の製品名をクリックすると、別ウィンドウでレビュー記事が開きます)
メーカー名製品名
パナソニックEVERLEDS(エバーレッズ) 11.0W 全方向タイプLDA11L-G
セブン&アイセブンプレミアム LED電球 450lm
西友オームLED電球 LDA6L-H31
NECライティングLIFELED'S(ライフレッズ) 全周配光タイプ LDA5L-G
パナソニックEVERLEDS クリア電球タイプ LDA4LC
東芝ライテックE-CORE 一般電球形 10.6W LDA11L-G
三菱化学Vervatim (バーベイタム) LDA9L-H/3SK
三菱電機オスラムPARATHOM 全方向タイプ一般電球形
テックウィンドLuminoa(ルミノア) LDA16L-H
Luminoa(ルミノア) LDA14L-H

 節電への意識が高まり、LED電球を選ぶ人も多くなっただろうが、まだまだどれを選んで良いものか、簡単にはわかりにくい。現在、LED電球の明るさを白熱電球と比べる場合、電球そのものの明るさを表す単位「lm(ルーメン)」が基準となっているが、パッケージには「白熱電球50W形相当」や「白熱30W形相当」というように、現実には見た事もないような電球を元にした明るさ表示をしている製品もあったりする。どれを選べば良いか判断がつかずに、購入に二の足を踏んでいる方も多いだろう。

 このランキングは、まさにそんな方に向けたものだ。このランキングを見て購入の参考にしていただき、「ホントにこれがベストなのかよ?」と思ったら、過去に取り上げた各レビューでより詳しく見ていただきたい。安くはない買い物だけに、「これでいいのかな……」と不安に思わず、ぜひ当レビューで事前に納得してから、自信を持ってご購入いただければ、この上ない幸せである。

 今後は新居にて、E26口金はもちろんE17口金のLED電球、さらにLEDシーリングライトを紹介していく。サンプルが溜まり次第、このようなまとめ記事を公開するつもりだ。今後も引き続きよろしくおねがいします。






2012年8月10日 00:00