家電製品ミニレビュー
花粉対策にも有効! 置き姿が美しいコードレスクリーナー「iNSTICK」
by 神原サリー(2016/2/15 07:00)
昨春に発売されて以来、事務所兼「家電アトリエ」で愛用している三菱電機のコードレススティッククリーナー「iNSTICK(インスティック)」。充電台に空気清浄機能がついているのという他にはない特徴に加え、充電台と一体化して円柱状になるため、掃除機に見えない美しいデザインも魅力だ。
いよいよ花粉が舞い始めたこの時期に合わせ、空間と床、ソファの上までもれなく掃除ができるこの製品ならでは使い勝手について、ご紹介したい。
メーカー名 | 三菱電機 |
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製品名 | iNSTICK(インスティック) |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 42,300円 |
掃除機に見えない“美しいデザイン”
アトリエを訪れた人がインスティックをひと目見て、必ず言うのが「おしゃれですねー!」ということ。すでに発売されて1年近くになるため、これがスティッククリーナーだということは多くの人が知るようになったが、設置当初は「細長い空気清浄機ですか?」と聞く人もいたくらい。掃除機に見えないデザインも大きな特徴と言えるだろう。ソファの脇などに置いておいても、全く違和感がなく、生活家電にありがちな「生活臭」のようなものを感じさせないのだ。
コードレスクリーナーには、延長ホースやブラシ、ふとん用のツールなどたくさんのアタッチメントが付属しているものも多いが、インスティックは毛ブラシのみというのも潔い。しかも美しさにこだわっているため、充電台の背面の下のほうに、その毛ブラシを収納できる仕様になっていて、付属品の存在すら隠してある。これは使い勝手の点でも探す手間が要らず、どこかに行方不明になる心配もなく、なかなか便利でいい。
空気清浄機能は充電台の支柱部分に備えており、背面から吸気し、脚部側面の吹出口からクリーンな空気を送風する仕組みだ。空気清浄機能そのものは、AUTO(自動)と強・弱の3種類でシンプル。自動モードは、クリーナーの着脱で運転が自動で切り替わるというのもユニークだ。
掃除をしている際には、ホコリが舞いやすいという考え方に基づき、クリーナーを外すと「強」に変わるのだ。再び戻すと、約90秒後に弱になる。まさに床も空間もきれいにしてくれている感じがして心強い。
なお、自動モードにしていると、掃除中と収納から1分半ほどは、空気清浄機機能が強になるため、かなり大きな音がする。これが気になるようだったら、自分で普段は弱にしておき、空気の汚れが気になるときにだけ、強にして使うなど手動で調整することをおすすめする。
パワフルなのに軽い使い心地のクリーナー
コードレススティッククリーナーとしての使い心地も良い。手元に重心があるタイプなので、とても軽く感じられ、女性でも楽々扱える。ヘッドにはパワーブラシが搭載されていて、床の進み具合も軽快だ。本体のハンドルの動きを検知して、自動でパワーをコントロールする機能も備えているため、途中で動きを中断するとブラシの回転が止まってパワーダウンする。それが30秒ほど続くと、自動で運転が止まるため、ムダにバッテリーを消費しない。
運転モードは強と標準の2モードあり、強モードでは約10分、標準では約20分運転可能だが、吸込みの力はかなり強力なので、フローリングの床なら弱で十分。気になったところをサッと掃除するための“2台目”や、1人暮らしのメイン機としてなら、運転時間はこの長さでも全く問題ないだろう。
何より、組み立てたりする必要がなく、充電台から外すだけですぐに使える“ワンステップ”という点が便利だ。せっかくのコードレススティッククリーナーなのに、掃除をするまでのステップが多いのはやはり使い勝手の点で不便なもの。ハンドルはストレートタイプだが、手に馴染み使いやすい。
また、棚の下などの掃除をする際に、サイクロンボックス部が床にぶつかったり、ヘッドが浮き上がるのではないかと懸念していたのだが、これも合格点。床面すれすれになってもぶつかることはなく、ヘッドもぴたりと床面にくっついたままで奥まできれいに掃除ができる。
パイプを外して、本体の先にパワーブラシを取り付け、ハンディクリーナーとして使うこともできるし、本体に直接毛ブラシをつけることもできる。先に書いたように、アタッチメントは毛ブラシだけだが、ふとん掃除以外なら、ほぼこれ1台で対応できるのではないかと思う。
充電台に戻すにはちょっとコツが必要
掃除が終わったら、充電台に戻す前にサイクロンボックスを外して、ゴミを捨てるのがポイント。ダストカップにMAXのラインが引いてあり、それを超えるまでは基本的にためておける。
だが、見た目もきれいでないし、ニオイのことなどを考えても、掃除をするたびに捨てるようにしたい。
サイクロンボックスを取り外したら、再び取り外しレバーを下げるとダストカップが外れる。カップタイプなので、ゴミ捨て時にホコリが舞い上がりにくいのもいい。
ゴミ捨てが終了したら、旋回部を再び取り付け、充電台にセットしよう。この時に先にヘッド部を押し込むとセットしにくいので、斜めにして本体上部のフックを充電台のホルダーに差し込んでから、ヘッド(パワーブラシ)を押し込むようにするのが上手なやり方だ。掃除をしているときには軽く感じられる本体だが、収納時にはちょっと腕に力が必要かもしれない。
すべて水洗いOKのサイクロンボックスでいつも清潔
お手入れのことにも触れておきたい。サイクロンボックスは、三菱のサイクロン式掃除機、風神同様、すべて分解して水洗いできるようになっている。分解も組み立ても簡単なので、汚れが気になってきたら、水洗いすればいつも清潔に使える。
空気清浄機部分はクリーナーをハンディにして、先に毛ブラシをつけてホコリをとるようにすると簡単にお手入れができる。カバーだけでなく、中のフィルター部分も同じようにクリーナーでこまめにホコリを吸い取っておくといい。それでも汚れが気になったり、吹き出す風のニオイが気になったら、フィルターの交換にも対応している。
パワーブラシの回転ブラシもつまみをスライドさせてカバーを外せば、簡単に取り外せる仕組みになっている。髪の毛や糸くずが絡まった時には、ブラシを外してお手入れをするといい。ヘッドは丸洗いできないが、回転ブラシは洗えるので、汚れが気になったら水洗いをすればお手入れは完璧だ。
花粉の時期には玄関に置くのもおすすめ
家電アトリエでは、インスティックをドアを入ってすぐのところに置いている。外から帰って衣類についた花粉を玄関で払ってきれいにするのにぴったりだからだ。しかもコンパクトで美しいデザインのため、玄関付近に置いてあっても違和感なく、インテリアのアクセントにもなるくらいだ。
置き場所によってはコンセントの位置から遠かったり、近かったりということがあるが、このインスティックは底面にコードを巻き付けられる仕様になっているので、余分なコードが邪魔にならずすっきりと置けるのも気に入っている。
最後に吸引力についても触れておこう。キャニスタータイプのサイクロンクリーナー「風神」で培った技術を搭載しており、「高速遠心分離でゴミと空気を強力に分け、強い吸引力を99%以上持続する」という謳い文句どおり、フローリングの溝の細かいホコリも一気に吸い込んできれいにするなど、掃除力の高さに目を見張る。
“美しいデザイン”や“空気清浄機能”という付加価値ばかりに目が行きがちだが、この点を強調しておきたい。