家電製品ミニレビュー
新発想! 温風で“ダニを引きはがして”吸引する布団掃除機
by 田中 真紀子(2015/6/19 07:00)
コードレス掃除機、ロボット掃除機など、新ジャンルの掃除機が次々と登場する中、にわかに注目を集めているのが布団掃除機。
布団を天日で干して、布団叩きでパンパン叩いていたのも今は昔、花粉やPM2.5が気になるから外干しできないという人、「布団叩きで叩くとハウスダストが舞い上がるからダメ」「そもそも天日ごときでダニは死なない」という新常識に頭を悩ませている人にガツンと響いたのだろう。レイコップが大ヒットしたのを機に、家電各社が新製品を発売し、売り上げも急上昇している分野である。
そんな中、シャープから満を持して登場したのが、ヒートサイクロン技術搭載の布団掃除機「コロネ EC-HX100」だ。
メーカー名 | シャープ |
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製品名 | コロネ EC-HX100 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 31,800円 |
コロネ最大の特徴は、40℃〜60℃の温風を出す機能だ。この温風にどのような効果があるのか。
シャープ独自の研究によると、ダニは鋭い爪で布団の繊維にしがみついている。そのため、どんなに掃除機で吸引しても、布団から引きはがすことはできない。その一方で、ダニは熱が大嫌い。40℃以上の熱を与えると、逃げ出そうと爪を繊維から離すので、その瞬間に掃除機で吸ってしまおうというものだ。
ちなみにこの温風は、ヒーターによって作っているわけではなく、モーターを運転したときに発する熱(排熱)を利用しているため、余分な電気代がかかるということはないという。
ゴミを吸いながら布団がふっくら!
使い方は至って簡単。電源プラグをコンセントに差し込み、自動ボタンを一度押すと、オレンジ色の「あたためランプ」が点滅し始める。このランプが点灯に変わったら、布団の上をすべらせていく。
ちなみに本体の重さは、2.4㎏。軽量化を図ったというものの、片手で持ち上げると少しズシッという感じはする。しかし布団の上に置いて押し出すと、すべらせるように軽々と動かすことができた。ブラシはとんとん叩くというより、回転することで振動を与えているというイメージだ。
そして画期的だと感じたのが、吹出口から出てくる温風。何往復かするうちに、布団がどんどん温まっているのが分かる。まるで布団乾燥機にかけたような、布団を干したようなふっくら感だ。
これでダニを繊維から引きはがすというわけだが、そもそもこの温風自体が布団の繊維内の湿度を下げ、じめじめした環境を好むダニにとっては不利にちがいない。
ホコリとともに白い粉のようなゴミが……!
掛け布団1枚を一通りやってから、ダストボックスのゴミを出してみたところ、綿ボコリのほかに細かい粉のようなゴミがいっぱい出てきた。これが布団の中にあったホコリなのだろうか。ダニがいないか目を凝らして探してみたが、それらしき姿は見つからなかった。
調べてみると、ダニは吸引されると、ダストボックスの壁に叩きつけられ、粉々になるという。ということは、この粉の中にダニの死骸が……? 何しろ姿が見えないため、獲れたかどうかは不明だが、なかなかの達成感だ。
ところで吸引力自体はどれくらいあるのだろうか。小麦粉を布団に撒き、ふだん使っているシーツの上から吸引してみたところ、明らかに吸いきれなかった部分はあるものの、場所によってはすっきりキレイになっている。常識的なホコリの量を考えたら、まずまずと言っていいのではないだろうか。
ちなみに、フィルターのゴミ満量ラインまで溜まったらゴミを捨てればいいのだが、衛生面から言うと、掃除のたびに捨てたほうがいい。また吸引力低下を防ぐため、フィルターのつまみを10周ほど回して、定期的にフィルターについたホコリを落とす必要がある。
ダストカップやたたきブラシ、たたきブラシカバーは水洗いできるので、細かい粉塵が溜まっても、きれいに洗って清潔に保てる。使わないときは、タテ置きできる収納台がついているため、部屋の隅やベッドの脇などにスタンバイしておける。
温風でダニを引きはがす効果に期待!
現在、布団掃除機には吸引力を売りにするもの、UV照射機能を売りにするものなど、メーカーによって特徴はさまざま。だが、この温風でダニを引きはがすという新発想は、他とは一線を画してユニークだ。
またこの製品には、消臭と除菌作用があるというシャープ独自のプラズマクラスターイオン発生機能も搭載している。そのため、枕に付いた体臭や加齢臭も消臭してくれるという。そういった付加機能から見ても、なかなか魅力的な布団掃除機だと感じた。