家電製品ミニレビュー

山善「ホットカーペット YZL-W201BS」

~丸洗いできるホットカーペットで節電しながら暖まる
by 藤山 哲人
山善「ホットカーペット YZL-W201BS 2畳用」。丸ごと洗えるカバー付

 関東でも気温10℃を下回るような日が続き、寒さが厳しくなってきた。省エネの冬と言うこともあり、巷では石油ストーブがバカ売れしているという。ただ石油ストーブだと、いかんせん温まる範囲が狭く、家族が多いとベストポジションの取り合いとなる。

 しかーし! 床に座って過ごす我々日本人には、強い味方がある! それがホットカーペット。土足で家に上がる外人さんにはマネできないホッコリ暖房だ。そこで今回試したのが、山善の「ホットカーペット YZM-201GS 2畳用」だ。


メーカー山善
製品名ホットカーペット
YZL-W201BS 2畳用
購入場所直販サイト
購入価格9,980円

 この「ホットカーペット YZM-201GS」は、カーペット本体と、洗濯機で丸洗いできるカバーのセットだ。山善のホームページによると、丸洗いできるカーペットとカバーは市販されているものの、セット商品は“ありそうでない”とのこと。近所の家電量販店では、セットでここまで安いのはなかったので、購入してみた。

 山善ではこのほかにも、サイズやデザインが違う製品も取り揃えている。今回は180cm四方の2畳用タイプを使ったが、ほかに200×240cm(縦×横)の3畳用タイプも発売されている。どちらを選ぶか迷うところだが、我が家のように、食卓とソファーなどが置いてある8畳のリビング・ダイニングに設置するなら2畳用でちょうど良かった。

カバーの種類によって値段も変わるようだ。こちらは今回レビューしたボアループのカバーのセットは9,980円こちらはポリエステル製マイクロファイバー製のカバーで価格は本体とセットで8,980円ポリエステル製のふわふわ生地でさらに省エネと謳われているこちらは、本体とセットで10,800円

 YZM-201GSには、毛足2mmほどのパイル地(タオルのような編み方)の「ボアループカバー」が付属している。このカバー、素材はポリエステル100%で、フワフワとタオルのように柔らかい。

奥のクレーのマットがホットカーペット本体。手前がカバーとなっているポリエステル製とはいえ、安っぽさやゴワゴワした感じはなく、タオル生地のように柔らかい


暖房はスタンダードだが、消し忘れ防止の6時間のオフタイマー、ズレ防止加工がうれしい

 ホットカーペットとしての暖房機能はスタンダードだ。電源を入れてから2分ほどでポカポカと温まり、寒い朝でもスグに足元から温かくなった。カバーは薄手なので、ヒーターの熱が伝わりやすい。

 機能面では、カーペットの左右どちらか半分のみを暖めたり、全面を暖める切り替えスイッチを搭載している。また、温度は無段階で強弱を切り替えられる。いちばん温かいモードはダニ退治モードも兼ねていて、そのまま2時間使っていると熱でダニ退治できる。

コントローラは、左側がスイッチと面積切り替え。右側が無段階の温度調節通常は電源ランプとして点灯するが、6時間経過すると点滅して自動電源OFFをしたことを示す

 いちばん便利だったのは、6時間で自動的に電源が切れるオートオフタイマー機能だ。すでにホットカーペットを使っている読者はわかると思うが、ついつい電源を消し忘れをしてしまったりする。しかし6時間のオフタイマー設定ができれば、朝や夜の6時から使い始めても、12時に電源が切れるので、うっかり電源を消し忘れて寝てしまったり、外出してしまっても電気を無駄にすることがないだろう。

 ちなみに我が家は高気密住宅の1戸建てだが、フローリングの上に直接敷いて使ってみると、どんなに寒いときでも温度設定3~4の間でホッコリとした温かさが得られた。設定を4~5にしてテレビを見ていると、お尻がかなり熱くなってくるほどパワフルだ。

 もうひとつ便利だったのが、フローリングの上に敷いてもズレなかったこと。ホットカーペットでは、いつの間にかズレてしまうことがよくあるが、このカーペットは、フローリングの上に敷いていても、1cmたりともズレることがなかった。本体裏にズレ防止加工がされており、さらにカバーがしっかり本体に密着しているのだ。

フローリングの上に敷いた。子供が走り回ってスッ転んでも、ズレない

 さらにオススメの使い方は、このカーペットの上にコタツを設置すること。カーペットの電気を入れておくだけで温かく、コタツの電源を入れる必要はない。我が家のように、家族4人以上がコタツに集まると、体温でコタツの中も温まり、省エネ暖房になる。なお、両方とも通電すると過熱してしまう恐れもあるので、製品の取扱説明書に従って使用してほしい。

 なおコタツの足が細い場合は、カーペットの電熱線を傷めてしまわないように、足に10cm四方の板を挟み込むと良いだろう。

オススメの使い方が、カーペットの上にコタツを載せることコタツを使用する場合は、カーペットの電熱線を傷めないように注意。板は木材加工コーナーがある大型のD.I.Yショップに行けば激安で買える。100円ショップなどでも手に入る

 このレビューをしていて一番辛かったのは、いつの間にか寝てしまうこと。温かさなどをチェックするためにホットカーペットの上に寝転がったり、コタツに入ってテレビを見ていると、ポカポカと温かくなってきて、肌触りのいいカバーとあいまって、眠りを誘うのだ。

ひざの寒さを感じる場合は、毛布を敷いておくと温かさが倍増する30分もすると、寝るヤツらが続出(笑い)

 例えば、家族全員で夕食とお風呂を終え、テレビのバラエティー番組を見ていると、全員がウトウトと寝入ってしまい……ハッ! と目を覚ますとすでに3時間が経過っ! なんてことも。

 これにより、仕事をしたい時や、子供に勉強させたい場合は、ホットカーペットのスイッチはOFFにしておくほうが良いという結論に至った。


洗えるカーペットカバーは問題なく洗える。フワフワな手触りでさらに眠気を誘う!

 ホットカーペットを敷いていると、気になるのがカバーの汚れだ。しかしこのカバーは、洗濯機による水洗いが可能。当然ながら、ホットカーペット本体は電熱線やコントローラがあるため、外しておく必要があるが、カバーが洗濯できることで、いつもキレイなままで使えるのが嬉しい。

 なお、カバーには、洗い方について書かれたタグが付いている。2畳分のカバーはデカイので、手順に従って折り畳んでから洗濯機に入れねばならない。

  カバーを折りたたみ、洗濯ネットに入れる。洗濯ネットは90cm四方の大きなものを用意する必要があるが、100円ショップなどで売っている。

カバーの折りたたみ方や洗濯方法は、カバーのタグに書かれているので、わざわざマニュアルを見る必要もないカバーは毛布と違って薄いため、思ったよりコンパクトにまとまる。マニュアルどおりに巻いて、あとは洗濯機にブチ込むだけ

 洗濯機を回す際は、静電気が起きないように、またフワフワに仕上げるために柔軟剤も入れてみた。なお2畳用のカバーは6kg以上、3畳の場合は8kg以上が洗える洗濯機が必要になる。

 乾燥機ではかなり時間がかかりそうだったので、洗濯は脱水まででストップし、乾燥は外で半日物干し竿にかけておくいた。乾きやすい化繊素材なので、湿度の低い冬場なら、朝干しておくと夕方までには完全に乾いた。

 柔軟剤の効果もあってか、買ってきたときよりさらにフワフワな手触り。ますます眠気を誘いそうなカバーに仕上がった。

乾燥は陰干しで柔軟剤を入れて洗濯すると、買ったときよりフワフワになって気持ちがいい。これまた一段と眠気を誘うモノになってしまった……


コタツとホットカーペットではどちらが電気代や安い? 答えは“ハイブリッド”

 ここで気になったのが、コタツとホットカーペットではどちらが省エネか? という点。ここで1時間当たりの電気代を調べてみた。

  実験に使ったコタツは、消費電力600Wで、家族4人がゆったり入れる240cm×80cmの少し大きめもの。温度調整は、いつも使っている中くらい。一方ホットカーペットは、半分の1畳も入れれば4人がじゅうぶん座れるので、半分のみを暖め、温度調節は中の3の位置にした。

  結果は以下のとおりで、ホットカーペットの方が1円ほど安い結果になった。


暖房器具コタツホットカーペット
消費電力0.17kWh0.12kWh
1時間あたりの電気代3.74円2.64円

 この実験の際、コタツをホットカーペットの上に置いておくだけかなり温かく感じたので、ホットカーペットの電源だけを入れて、コタツを切った“ハイブリッド”状態で、1時間使ってみた。

ホットカーペットON/コタツOFFの場合
消費電力0.06kWh
1時間あたりの電気代1.32円
 
 なんとホットカーペットをONにして、OFFにしたコタツを置いておくだけで、電気代はさっきの半分になった! ホットカーペット&コタツのハイブリッド恐るべし! しかも1時間使っても1.32円なのに、まるでコタツの電源も入れているような温かさが感じられるのだ。

ホットカーペットをオススメするのはこんなヒト! 

 さて色々使ってみたが、山善「ホットカーペット YZL-W201BS」をオススメするのは、こんな皆さんだ。

・3~4人の家族

 最小サイズが2畳なので、独身や夫婦2人世帯には、すこしオーバースペック気味。

・8畳のリビングダイニングなら2畳、12畳なら3畳用がオススメ

 6畳間のLDだと、少し大きめかも知れないが、家具の置き方によっては2畳用が使えるだろう。

・コタツを置いて“ハイブリッド化”すると経済的

 ホットカーペットの熱は空気中にどんどん放出されるため、電源を切ったままのコタツを置くだけで、コタツの中が温まる。とくに家族が多い場合は、ヒトの体温だけでコタツも暖まるので、大家族ほど経済的に使えそう。

・どてらなどを羽織るとさらに温かさがランクアップ!電気代も安くなる

 どてら(丹前)などを羽織ると、ちょうど裾の部分がホットカーペットに触れるので、コタツのようにどてら内の空気が温まり、背中もホカホカ。カーペットの温度を1段階落としても、ホッカホカになる。

これがこの冬、我が家で最強、最省エネの、ホットカーペット&電源OFFコタツのハイブリッド暖房だ。さらに、着ぐるみ&どてらを加えれば、最強の対寒作戦になる

 ホットカーペットにコタツや厚着を加えれば、ストーブすら付ける気にならないほどホッコリ温かい。この冬はぜひ、我慢せずに暖かさが得られる省エネ暖房であるホットカーペットをお試しあれ! 






2011年12月19日 00:00