家電製品ミニレビュー
挽き立ての風味が楽しめる象印のコーヒーメーカー「珈琲通」
by すずまり(2015/11/10 07:00)
少しずつ肌寒さが増してきて、ホットコーヒーの温かさが嬉しい季節になってきた。冷えた手で、湯気と香りが立ち上るコーヒーカップを両手で持ったときの幸せときたらない。
コーヒーの香りを楽しむなら挽き立てがいちばん! ということで、全自動で豆から挽き立てのコーヒーが簡単に飲めるという象印のコーヒーメーカー「珈琲通 EC-NA40」(以下、珈琲通)を試してみることにした。
メーカー名 | 象印マホービン |
---|---|
製品名 | 全自動コーヒーメーカー 珈琲通 |
品番 | EC-NA40 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 27,209円 |
豆から高温抽出でマホービンサーバーに自動的にドリップ
「珈琲通」は、豆挽きから全自動で抽出までできるコーヒーメーカーだ。本体に、水、豆、ペーパーフィルターをセットしたら、電源スイッチを入れて、種類(豆/粉)、濃さ(濃いめ/薄め)を選択して、あとはスタートボタンを押すだけでドリップできる。
挽き、蒸らし、ドリップ、保温の4工程が管理でき、豆を挽いたら即抽出に入るので、香りも風味も最大に活かしたコーヒーが淹れられるというのが大きな特長だ。1回に淹れられるコーヒーの量は4杯分。
豆挽きからドリップまでにかかる時間は、1杯分120mlの場合で約4分、4杯分なら約8分となっている。4杯分のドリップ中に温度が下がってしまってはもったいないが、珈琲通はマイコン制御でお湯の通り道を予熱し、さらにヒーターで2回加熱して、95℃という高温で抽出するのだという。高温ドリップのためにドリッパーもステンレス製になっており、温まりやすくなっているそう。
しかも、象印だけに、保温力に優れたステンレスマホービンサーバーが付属しており、コーヒーはこのサーバーにドリップする。加熱しないので煮詰まりもなく、おいしさも長持ちしやすい。
水タンクはコーヒー4杯分に相当する0.54Lを備えており、中には浄水カートリッジも入っている。つまり、挽きからドリップ、さらには水質まで、細かいところにこだわりぬいたコーヒーメーカーというわけだ。
1回に淹れられるのは4杯だが、サイズは大きめ
実際の使用感だが、ボタン操作はとても分かりやすく迷うことはなかった。ただ、第一印象はかなり大きいなと感じた。サイズは24×25×37.5cm(幅×奥行き×高さ)で、重さは4.5kgあり、ちょっとテーブルのうえにおいて……というサイズではない。毎日使うことを考えると定位置が必要だろう。
構造上、ドリッパーを中心にいくつものパーツがあるので、使用前はメンテナンスを考えるとやや気持ちが引き気味だったのだが、使ってみると常に洗う必要があるのはミル部分と、ドリッパーの上に乗せるフィルターケースのフタくらいだった。
しかも、お湯はミルの中まで上がってくるため、抽出が終わると同時にミルもお湯で綺麗に洗い流されている状態。ミル自体は乾かす以外やることがないのでラクだ。
ただこれにはマイナス要素もある。ミルは乾燥していることが前提。ドリップ後は中が濡れてしまうため、豆を使う場合は4杯抽出したら続けて淹れられないのである。実際、しめった状態でやってみたところ、できないことはなかったのだが、豆が壁面に張り付いて残ってしまった。
便利だと思ったのは、ドリッパーの先端についている「しずくもれ防止弁」。ドリップ後にドリッパーの入ったバスケットを開いても、しずくが落ちないのである。おかげで安心してフィルターを交換できた。
なお、ミルの作動音はそれなりにする。かなり高音が響くので、場所によってはジューサーと同じような気の使い方をしそうだ。
粉からのドリップもできるので、状況に応じて使い分けると良いだろう。
挽き立ての熱々のコーヒーが楽しめた
肝心のコーヒーはおいしい。カフェで出されるような、本格的なコーヒーの風味が楽しめる。筆者のような素人でも、豆からラクに淹れられるので助かる。自宅で挽き立てのコーヒーを楽しめると思うと、気分も上がるというもの。
あらかじめ熱湯で温めたサーバーにドリップしたコーヒーを温度計で計ったところ、淹れ立ては約77℃だった。やや大きめのカップに1杯分注いでから、約6時間後にふたたびカップに注いだところ42℃ほどになっていた。残りの量もさほど多くはないせいだろう。
飲み頃とまではいえないが、6時間後でも風味は大きく損なわれていないのだからありがたい。通常は4杯分などそのときに消費してしまうだろうし、おかわりする時間を考えれば十分な保温力と考えてよさそうだ。
ちなみにミルの底面には「挽き分けフィルター」を内蔵しており、細かい、粗いのどちらかを選べる。このため、コーヒーの濃さと合わせると4パターンの風味を出せるという。ミル単体では使用できないため、実際にどのような挽き具合になるかは確認できなかったが、豆や気分で変えられるのは、通にとっては嬉しい機能だ。