家電製品ミニレビュー

豆から直接挽ける、1万円台の全自動コーヒーメーカーを試してみた!

1万円台の全自動コーヒーメーカーを試す!

「siroca crossline 全自動コーヒーメーカー」小さくて女性でも簡単に持てる。とてもかわいらしい全自動コーヒーメーカーだ

 コーヒーが大好きで、一日に何杯も飲んでいる。コーヒー豆を手動のコーヒーミルで挽き、ペーパードリップで淹れるのがお気に入りだ。

 しかし、平日の忙しい朝にそれをやるのは、少々面倒。そこで、以前からずっと全自動コーヒーメーカーの導入を検討していたが、置き場所や価格の面で手が出せなかった。

 そんな中、2月にオークセールから「siroca crossline 全自動コーヒーメーカー」が発売された。サーバーがステンレス製とガラス製の2種類があり、実売価格は1万円台と、全自動コーヒーメーカーとしては低価格だ。しかも、デザインもすっきりしていてコンパクト。発売して間もないが、話題になっている商品だ。さっそく使ってみた。

メーカー名Siroca(シロカ)
製品名siroca crossline 全自動コーヒーメーカー
品番STC-501
購入場所ヨドバシ.com
購入価格13,810円

小さめサイズが扱いやすい

 実物を見ると、想像以上に小さくて驚いた。サイズは173×220×270mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約2.2kg。サーバーはガラス製とステンレス製から選ぶことができるが、今回はステンレス製サーバーを選んだ。うっかり落としても割れないというメリットがある。

スッキリしたデザインで、余計な装飾がないのがイイ
奥行きも22cmほど
給水タンク側は透明の窓がついており、目盛りがある

 ホットコーヒーは最大カップ4杯まで、大きめのマグカップなら2杯、アイスコーヒーは4杯までいれられる。給水タンクは、横に給水目盛りがあるので見やすい。

本体ふたには蒸気口がある
本体ふたを外したところ
中に刃が見える。プロペラ式を採用している
本体ふたと一緒にミル付きバスケット、メッシュフィルターもすべて外して洗えるので衛生的

 付属の軽量スプーン1杯につき3gが目安で、ホットコーヒー、マグカップ、アイスコーヒーはそれぞれ分量が違っているため、取説の分量通りに行なう。

ステンレス製サーバーは落としても大丈夫
3gと小さめのスプーン

濃厚でコクのあるコーヒー

 本体にミルを内蔵しているので、コーヒー豆を入れたらあとは水をいれ、スタートするだけ。コーヒー豆から挽いてドリップすることはもちろん、粉からもドリップすることが可能となっており、モードで切り替えられる。

コーヒー豆を直接入れる。お気に入りのコーヒー豆は、シティロースト
水を入れる。本体が小さいので仕方ないのかもしれないが、吸水口が小さいのでいれづらい

 「コーヒー豆」のモード設定を選んでから、スタートボタンを押して、運転を開始する。

 ミルはプロペラ式で、あっという間に挽いてしまう。2杯に設定したところ、30秒ほど回転しているようだが、音を聞いているとはじめの15秒ほどでほぼ挽き終わっているようだ。臼式でゆっくりと挽いたほうが香りは高いが、プロペラ式は早いという利点がある。音はかなり大きいので、夜間の使用は控えたほうがよさそうだ。

 蒸らしなどの行程はなく、お湯が出始めると、あらかじめ給水タンクにいれておいた水がなくなるまで、均等に少しずつ落ちる。すべてなくなるとブザーが鳴り、自動的に保温が開始される。ドリップ後は30分間保温されるが、保温したままにすると香りが飛びやすいのですぐに飲むようにする。

あとはモード切替えスイッチを押して、スタートするだけ! 2杯分なら5分ほどで終わる
出来上がり! 苦みが強めなガツンとしたコーヒー

 ふだんペーパードリップで淹れているコーヒーに比べると、STC-501でいれたコーヒーは、濃厚でコクがある。ペーパーフィルターがなく、コーヒーオイルまで抽出されるので、コーヒー豆によっては表面にうっすらと脂が浮く。

 特に強く感じたのは、苦みだ。個人的な好みとして苦いコーヒーが好きで、フルシティローストやフレンチローストといった中煎り・深煎りの豆を選んでいるようにしているが、こういった豆では苦みが強く出過ぎる印象だ。

 飲み終わり、ザラッとした食感が口に残る。ペーパーフィルターで濾しているわけではないので、微粉も多少入るのは仕方ないようだ。ただし、微粉はごく少量である。

飲み終わり、カップを見ると微粉が見える
写真だと見づらいが、ほんの少しコーヒー豆の脂が浮いていた

 なお、保温は切れないので、サーバーに氷をいれて直接ドリップしてアイスコーヒーを作ることはできない。魔法瓶タイプだったらこれができるので便利だが、STC-501の場合、ガラス製サーバーと機能的にはほぼ差がないと考えたほうがよいだろう。

 これからの季節欲しくなるアイスコーヒーを作る場合は、ドリップ後に粗熱を取ってから冷蔵庫で冷やすか、氷を入れたグラスに直接注ぐ。

ミル付きバスケットも外して洗うことができる

メッシュフィルターは底がないのでサッと洗えばいいだけ

 本体ふた、ミル付きバスケット、メッシュフィルターの3点は、すべて取り外すことができる。本体ふたは簡単に開けることができるが、ミル付きバスケットはひねるように回転して取り外さなければならず、これがとても固い。バスケットの幅が広いので、女性の小さな手では持ちづらいこともあり、最初は戸惑ってしまった。

 フィルターは底がない筒型で洗いやすい形状となっている。ただ、コーヒーの粉は出しにくい。一般的なドリッパーのような円すいではなく円筒状なので、逆さにして振ると底まできれいに出てくれるが、振っても粉がなかなか出てくれなかった。最後はスプーン等ですくってから、パーツを洗うようにしている。

 洗う手間はそれほど大変ではないが、パーツの開け閉めが固いのが気になった。この点は次のモデルで改善して欲しい。

色々試した結果、おすすめは苦みと酸味を抑えたライトなコーヒー豆

いつも選ぶコーヒー豆より、浅煎りを選んだ。このように色々悩むのも楽しみのひとつだ

 プロペラ式は高速で羽根が回転するため、熱で香りが飛びやすいという欠点がある。もちろん、挽いて保管しておいた粉に比べれば格段に香りは良いが、コーヒーが好きな方の中には、物足りなさを感じる方もいるかもしれない。

 色々試してみたところ、STC-501に合う豆は、苦みを抑えた、比較的浅煎りの豆だった。もちろん好みにもよるが、苦みを抑えた香りのよい豆を選ぶことをおすすめしたい。

挽き立てのコクがあるコーヒーを楽しみたい方に

手でいれたコーヒーとSTC-501を飲み比べ。前者はスッキリしていて、後者はコクがある

 挽きたての豆で簡単にコーヒーを楽しむことができる「crossline 全自動コーヒーメーカー」。我が家は手動ミルを使って、ハンドルを回してゴリゴリと挽いていたが、毎回かなり時間がかかっていたので、その手間がなくなったのは嬉しい。

 プロペラ式ミルを使い、蒸らしなどの機能がなく、挽き方も調整できないため、コーヒーにこだわりがある人にとっては、少々物足りなさを感じるかもしれないが、やはり挽き立ての豆でいれるコーヒーは格別だ。何より、デザインがシンプルで小さく、迷うことなく操作でき、毎日気軽に使えることがこの製品の魅力だ。

 コンパクトでありながら、ホットコーヒーやアイスコーヒーが最大4杯までいれられることも気に入っている。

 価格も他製品と比べ、お手頃だ。全自動コーヒーメーカーは、2万円以上するものがほとんどだが、同製品は1万円台前半で買える。今までハードルが高かった全自動コーヒーメーカーも、これなら手が届くという方も多いのではないだろうか。

 メーカーによると、売れ行きも好調で一部品薄になっているという。「家で挽きたてコーヒーを気軽に味わってみたい」という方の入門機としてぴったりだ。

石井 和美