家電製品ミニレビュー
かき混ぜながら「炒める/揚げる/煮込む」の3役をこなす自動調理ロボ!
by 石井 和美(2015/4/3 07:00)
子供たちが春休みになってしまった。長期休みは当然ながら給食もお休みになるので、お昼も家で食べることになる。毎日食事作りに追われる主婦としては憂鬱……。
そこで目をつけたのが「アクティフライ」だ。回転する羽がついた調理家電で、自動でかき混ぜながら「炒める」「揚げる」「煮込む」の3役をこなしてくれるという。本当に美味しくできるのか、気になるところだ。さっそく試してみた。
メーカー名 | ティファール |
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製品名 | アクティフライ |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 26,800円 |
温度設定の必要なし! モードと時間を選ぶだけの簡単操作
アクティフライは、熱風を用いて食材を少ない油で調理する調理家電だ。
熱風で食材に熱を通しながら、均一に熱が当たるように羽が食材をかくはんする。モードは揚げる、炒める、煮込むの3つ。
操作部のモード1が「揚げる」。2段階の温度と回転で、とんかつや唐揚げなど、仕上がりをカラッとさせたい料理に向いている。モード2は「炒める」で、高温で常に回転するため、焼きそばやチャーハンなど、炒める料理に適している。モード3の「煮込み、その他」では、高温でゆっくり回転し、キーマカレーや、ビーフストロガノフなど、ゆっくり火を通す煮物向けだ。
驚いたのは、温度設定がないことだ。3つのモードから選択し、時間を設定するだけ。レシピを見るといろいろ調理できそうだが、温度を設定しないで、本当にすべての調理がちゃんとできるのか心配だ。
本体サイズは40×27×25cm(幅×奥行き×高さ)で、重さは3.7kg。オイルスプレーが付属している。中にフライパンがセットされており、取り外し可能となっている。
31品のオリジナルレシピブックが付属しているので、そちらを参考にして調理することにした。
ホクホクの大学イモに感激!
セラミックコーティングされた金属製のフライパンは、とても軽く、具材を入れても軽々持つことができる。
できる食材の分量は二人分程度まで。まずは揚げない大学イモを作ってみた。羽が回ると、食材はフライパンの具材返しに当たって下に落とされ、羽でグルッとかきまぜて均一に火が通る。
調理は一口大に切ったサツマイモを、サラダ油と水を入れたフライパンに入れ、8分に設定してスタートする。その後、砂糖、みりん、醤油、水、黒ごまを混ぜた調味料を入れて3分加熱するだけ。
中をのぞいてみると、サツマイモがクルクルと回っているのが見えた。まんべんなく全体がかくはんされている。たった11分で完成だ。
調理中は熱を放出させるため、本体とふたの間には隙間開いている。調理中はアクティフライ内が高温となり、隙間からは熱風が放出される。フタのまわりに手をかざすと、熱風が出ているのがわかる。
ほんの少し入れた油がよく回って、蜜とからまり、想像よりもこってりしていた。中もホクホクで子供達が感激して食べていた。こんなに簡単に、美味しく大学イモができたことはいない。副菜として4人食べるのにちょうどよい分量だった。
つきっきりでかき混ぜたり、火加減を見る必要がなく、とてもラクだ。メインを作っている間に、自動で出来上がっていたのでとてもラクだった。
プリプリ! エビチリも作れる
同じく、モード2でエビチリも作ってみた。エビチリはエビの火加減が難しく、なかなか家では美味しくできないのだが、トータル9分でプリプリに! とても美味しく、家族にも好評だった。
ただ、残念ながら2人分が限度だったので、4人分のメインのおかずとしては足りない。お弁当作りにちょうどよさそうだ。
自分で作るよりパラパラなチャーハンができた
チャーハンも作ってみた。パラパラに作るのが難しく、苦手な料理だ。先にモード2で玉子を3分熱してから、ごはんと調味料を入れて8分加熱する。フタを開けてよく混ぜて完成だ。
よくほぐしたつもりでも、白くごはんが固まってしまっている場所があった。しかし、それ以外はいつも自分で作るよりパラパラだ。手軽にできるのでおすすめだ。
魚のグリルは中がふっくら
魚をグリルすることもできる。ただし、切り身をそのまま入れることはできない。羽でかくはんするので、崩れてしまうからだ。あらかじめ3cm幅に切っておき、にんにく、塩胡椒をふって小麦粉をまぶし、モード1で8分焼くだけ。最初は羽は動かず、ある程度火が通ってから羽が動いていた。
出来上がったグリルドサーモンも、火加減が絶妙だ。火が通り過ぎるとパサパサになったりするが、中がふっくら。肉厚ではない一般的な切り身の鮭だったが、とても美味しくできて感激した。
ジューシーな唐揚げはできたてがオススメ
唐揚げも、モード1で約20分でできる。油の温度を調整したり、ひっくり返す手間がないのでラクだ。できたてはカリッとしているのに中がジューシーで、揚げた唐揚げと遜色なかった。
ただ、ノンフライ調理の揚げ物は、時間がたつとぱさつきやすくなるので、なるべく食べる直前に作ることをおすすめしたい。
揚げ物は衣がはがれる場合があるので、少なめに
とんかつ用ロース肉は1枚を3等分に切って衣をつけ、オイルスプレーでサラダ油を吹き付ける。2枚までとあったが、家族全員分の3枚を一度に調理したところ、肉同士がこすれてしまい、ひっくり返るときに衣が少々取れてしまっていた。
衣をつけるとんかつ、唐揚げなどは、あまり詰め込まずに、レシピ通りに加熱した方がいい。
自動で焼きそばも!
焼きそばも作ってみた。モード1とモード2の合わせ技で、はじめにモード1で火を通し、最後にモード2で高速かくはんする。野菜がたっぷり入った焼きそばも、フライパンにつきっきりででせっせとかき回す必要はなく、自動で作ってくれるのは嬉しい。
ながら調理が嬉しい!
スープ作りにも適しているので、きのことベーコンのミルクスープを作った。きのこがたっぷり入ったスープも、モード2で約20分調理すればできる。煮込み系はガスコンロを占領してしまいがちだが、アクティフライがあればメイン料理の調理に集中できて嬉しい。
「ながら調理」ができるのはとても便利で、用意が終わる頃には栄養たっぷりのスープができていた。
お手入れは簡単で大助かり! ネックは置き場所
フライパン、羽、具材返し、フィルター、ふた部分は取り外して食器洗浄機で洗うことができる。洗うパーツは多いが、セラミックコーティングでそれほどこびりつきにくい。少し水につけておけば、牛乳の膜もスポンジで落とすことができた。
一番のネックは置き場所の問題だろう。奥行は一般的な炊飯器よりも大きく、場所を確保するのに苦労した。熱風を出すファンなどが後ろ側についているため、大きく出っ張っている。まわりも熱くなることから、どこに置くか悩んでしまった。
なお、消費電力は1,150Wと高めなので、電子レンジなどと併用すると、ブレーカーが落ちる可能性もあるので注意していただきたい。
容量は、大人2人もしくは大人2人+小さな子供でぴったり。我が家のように大人2人+子供2人だと足りない。副菜を作るのにはちょうどいいが、メインのおかずを作るときは2回作らなければならなかった。ただ、旦那と私のお弁当を作ったり、長期休み中の子供の分を作るのにちょうどよく助かっている。
野菜不足の解消に!
特に野菜不足でお悩みの方に試していただきたい。揚げない唐揚げも美味しいが、高温で一気に加熱した野菜が甘い。サツマイモなどもホクホクで、野菜を使った調理が予想外にうまく調理できる。
そんなわけで、我が家では大活躍のアクティフライ。材料と調味料を入れておけば自動で料理ができていて、主婦にとっては未来を感じる調理家電だ。使っているところを見た娘からは「料理がずいぶんラクになるんだね!」と言われ、少々罪悪感を感じてしまったが、数回使っているうちに「こんなに料理がラクになるならどんどん活用しよう」と気持ちを切り替えた。
共働きの主婦は、食事作りに追われて毎日ヘトヘトなので、料理の自動化はもっともっと進んで欲しい。料理が苦手な方、コンロを汚したくない方、忙しくてなかなか料理に時間がとれない方も、ぜひ試していただきたい。