家電製品ミニレビュー
話題の窓掃除ロボット「Winbot」を自宅で使ってみた!
by 阿部 夏子(2014/7/16 07:00)
ロボットが改めて注目を集めている。家電の世界でいうと、ルンバに代表されるロボット掃除機から、最近では床拭きロボットや、シャープのココロボのようにコミュニケーションできる製品まで様々な製品がある。その中で今回試したのは、ECOVACS(エコバックス)の窓拭きロボット「Winbot W730」だ。
メーカー名 | ECOVACS |
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製品名 | Winbot W730 |
希望小売価格 | 79,800円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入金額 | 64,584円 |
窓に張り付いて、自動で掃除するというこの製品。価格はまだまだ高額だが、広い窓や高い窓など、ちゃんと使えればそれなりに需要はありそう。でも、果たしてちゃんと掃除してくれるのか? 自宅で実際に試してみた。
部品はやや多めの印象
本体サイズは、ほぼ正方形の232×225×95mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は2kg。手で持ち運ぶのも簡単なサイズだ。パッケージにはそのほか、太めのコードや、大きな吸盤がついた「安全ポッド」など、部品が多めの印象だ。というのも、Winbotはルンバやそのほかのロボット家電のようにコードレスで使うものではない。使用時も電源コードをつないでおくし、落下を防ぐための安全ポッドを使う必要がある。
コードの仕様が日本と違っていたり、安全ポッドを準備したりと、最初の準備はそれなりに時間がかかる。何しろこれまでなかった製品なので、取り扱い説明書もじっくり読み込む必要があるからだ。慣れればすぐに準備できるようになる。
事前の準備として、まず本体を充電する。とはいえ、この充電はあくまで“予備用”。停電などで一時的に電気の給電がストップした時に、運転するためのものだ。通常使用時は、電源コードを接続した状態で使う。充電時間は約2時間で、充電が完了すると本体上部のインジケーターランプが緑色になる。
充電が終わったら、付属の安全ロープを落下防止用の安全ポッドと電源コードに通す。安全ポッドは本体の落下を防ぐために使うもので、使用時は掃除する窓の裏面に設置して使う。ただし、今回窓掃除をした自宅の窓ははめ殺しのサイズが大きなものだったので、窓の上部に設置した。
最後に、本体裏に付属のマットを2枚取り付けて、大きなマットの方に専用液体洗剤を数回振りかける。これで準備は完了だ。
大きな窓でも10分ほどで掃除が終わる
さっそく自宅の窓で使ってみた。本体を窓の端から10cmほどスペースを空けた場所に貼り付けるように手でもったら、スイッチをON。すると、空気を吸引して本体が窓に張り付く。ランプが青になったら手を離して、スタートボタンを押す。後は自動で掃除してくれる。
自動で窓を掃除するってどういう動き? とあまりイメージが沸かなかったが、かなり整理された動きというか、しっかり順番に掃除していく(製品情報ページで動画が公開されているので、気になる方は確認してもらいたい)。前方のマットに吹き付けた洗剤で、汚れを浮かせて、本体のワイパーで汚れをかきだし、後方のパッドで拭き取るという動きで、確かに窓が綺麗になっていく。
動作速度は、1秒あたり0.15m。気になる四隅や端も残すことなく、予想以上にきっちり、しっかり働く。掃除が終わると、自動で掃除を開始した場所に戻ってきて、メロディで掃除終了を知らせてくれる。
窓面積が170×165cm(横×高さ)の大きめの窓でも約10分で掃除が終了、85×165cm(同)の窓の掃除時間は約5分だった。手で拭くよりもすっきり綺麗になった。
気になるところはあるものの、仕上がりへの満足度は高い
ただし、いくつか気になるところもある。まずは、運転音55dBとそれなりに大きいということ。リビングの窓を掃除しながらテレビを見るというのは現実的ではないし、夜間に使うのは近所への迷惑になるくらいの音だ。また、ルンバのように掃除が終わったら自分で元の場所に戻るわけではない。1枚の窓掃除が終わったらその都度、安全用の吸盤を剥がして、本体を窓から引きはがして、移動させなければならない。
休日の朝、他の部屋を掃除しているときに、併せてWinbotを動かすというのが現実的な使い方だろう。ただ、仕上がりはキレイなので、使った満足度は高い。後は、価格と相談だろう。窓が多い、窓が大きいなどの理由で窓掃除がしにくい人や、高層マンションに住んでいて、窓ガラスの外側の掃除が難しい人、個人で経営している美容室などだったら、便利に使えそう。ただ、ガラスの厚さ3mm以上、フレームのあり、なしなど対応するガラスにも条件がいくつかあるので、気になる人は一度調べてから購入した方がいいだろう。
事前の準備や価格など、気になるところはいくつかあるものの、「窓ガラスをキレイにする」という本来の目的は十分に達成している。今後、ますますロボット家電が増えることを多いに予感させてくれる一台だ。