家電製品ミニレビュー
ツインバード「たためるLEDライト LE-H315」
■電池とACの2電源方式
ツインバード「たためるLEDライト LE-H315」 |
LEDを使った、小さく軽いデスクスタンドが増えている。USBを電源にするものまで含めると、何十種類もある。
ツインバード工業の「たためるLEDライト LE-H315」は、そういう小型デスクライトの中でも、ちょっと変わった製品だ。この製品の特徴は、2つある。1つは、ACアダプタと単三乾電池の2つの電源が使えること。もう1つは、本体が折りたたみ式で使わない場合は、持ち運びやすい形になることだ。
つまり、普段はどこかにしまっておき、ちょっと明かりが足りないというような場合があれば、スッと取り出してコンセントの位置を気にせずに使える。
この製品は去年の5月に発売されてから、ずっと興味を持っていた。このところ通販では4千円を切るショップも増えてきたので購入してみた。
メーカー | ツインバード工業 |
製品名 | たためるLEDライト LE-H315 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 3,800円 |
■リビングでの勉強が主目的
届いた製品のパッケージを見て分かったのだが、この製品は、子供がリビングルームで学習する際に使うことを、主な目的として設計されたようだ。「リビング学習」と言うそうで、その業界では流行っているらしい。本体のカラーバリエーションは、ホワイト、ブルー、ピンクの3色だが、ホワイトを選んだ。
パッケージは縦が長い紙箱 | 裏面は横型のデザインで、リビング学習での使い方がガイドされている |
リビングルームの照明は、それなりに明るく設定されているが、勉強するにはちょっと暗い。JISで規定されている住宅の照明基準で見ると、団らん時は200lxで良いが、読書の場合は500lx必要とされている。食事などに比べて、読書や学習には明るい照明が必要なのだ。
つまり、リビングルームで勉強をするのに必要な明かりを、このLE-H315を置くことで確保しようというわけだ。折りたたみ式になっているのは、リビングルームに置きっぱなしにせず、自分の部屋から持ってくることを想定したらしい。
ちなみに「リビング学習」以外の用途としては、「パソコンの手元灯」と「メイクやネイルのお手入れ」が推奨されている。いずれも、テーブルの上で、一定の範囲を照らす用途だ。
箱から取り取り出したLE-H315は、そんなに小さくはない。ただし、厚みはないので、机の薄い引き出しにも入る。正式な寸法は、約300×82×23mm(幅×奥行き×高さ)となっている。
折りたたんだ状態 | 反対側から見た状態 | 本体の長さは約30cm |
エネループ充電器との大きさ比較 | パソコン用キーボードとの大きさ比較 |
折りたたんだ状態から、使う状態に変形するのは簡単で、アームを引き起こして、LEDの位置を調整するだけだ。電源スイッチは、スライド式で「切-弱-強」と、2段階の明るさが選べるようになっている。
組み立てた状態 | シンプルなデザインで好感が持てる | 台座の左側にスライドスイッチ、その横にACアダプタの入力口がある |
反対側から見る。黒いマルはネジでコインなどで締められる | 液晶は180度動くが、この角度までで、上に向けることはできない | LED面。前面配光のための反射板が見える |
LE-H315で使用できる電池は、単三アルカリ乾電池が推奨されているが、エネループのようなニッケル水素電池も使用可能となっている。発売時の広報写真にも、エネループらしき充電池が使われていたので、かなり積極的に利用を勧めている。
なぜかというと、このスタンドをアルカリ乾電池で使った時の寿命は、明るさ「強」で1.5時間、「弱」で3時間とされており、あまり長くない。電池の消耗が激しいだけに、充電して再利用できるニッケル水素電池をお勧めしたいというわけだ。今回もエネループを中心にテストした。
使用する電池は、単三形電池が4本。電池は台座の部分に入るので、入れてると本体が安定する。本体裏面のカバーはちょっと固く、開けにくい。また、電池を取り出すときもバネが固く、爪で引っ掛けないと取り出しにくい。
電池は本体裏面に入れる | 電池ボックス内の方向指示 |
このスタンド本体の重量は、実測値で394gだ。エネループ4本を入れた状態では499gになる。
本体のみで394gと軽い | エネループを入れた状態で499g |
電源スイッチを「強」にしてみる。LEDは、出力0.5Wのものを8個使っているので思っていたよりも明るく、広い範囲が照らされる。照明範囲は広く、A4やB5のノートを開いていても問題なく照らせる。発色は昼白色で、勉強や読書には合っている。
LEDの明るさは十分あるが、強か弱かと言われれば、「強」にしておきたい感じだ。大型のデスクライトに比べれば、明るさではかなわない。
また、光は適度に散光しており、手や筆記用具の影が出にくくなっている。影が出ないわけではないが、くっきりとした1本の影ではなく、薄い影が何本も見えるという感じだ。
照明範囲が広く、本や資料が読みやすい | 影のでき方。1つの暗い影ができるのではなく、多数の薄い影ができる | 横にずれた位置でも影は複数できる |
この製品は、LEDの真下よりも、手前側の方が明るい「前面配光」という特徴を持っている。これは、リビング学習の際に、LEDの手前側に教科書やノートを置くことを想定しているからだ。
LEDスタンドの手前側が一番明るくなっている | 低い位置から見ると、手前側が明るいのがわかりやすい |
側面から見ると、左の手前側がずっと明るいことがわかる | 壁を照らしてみる。手前側にあたる右側の壁が明るいのがわかる |
一般的なアーム形状のLEDデスクスタンドだと、LEDの真下が一番明るいので、デスクスタンドの台座の部分に教科書を重ねて置きたくなる。しかし本製品では、前面配光にすることで、机の上に教科書やノートを置いた状態でも、明るく照らすようになっているのだ。
スタンドの上は、LEDの真下なのに750lxしかない | スタンドの手前側が1,263lx | やや、スタンドから離したところ1,372lxに上がった |
何か手で持っているものを照らしたいというときに、つい、LEDの真下にかざしてしまう。習慣というのは根深いものだ。
電池の寿命だが、「強」で測ったところ、アルカリ乾電池で2時間以上、エネループを使うと4時間以上点灯していた。ただし、アルカリ電池で1時間、エネループで2時間を過ぎると、明かるさが落ちたのがわかる。電池の状態が、LEDの明るさに影響するので、電池の状態に注意して、照明が暗くならないように注意したい。
特に、お子さんが使うときは、何度か使ったら、必ず電池を交換(または充電)するという習慣をつけると良いだろう。
■ACアダプタも、なかなか使える
次に、ACアダプタも試してみた。
付属のACアダプタは小型で軽い、電池抜きとの本体との組み合わせで474gだから、ACアダプタ単体では80gしかない。電源コードの長さが約1.8mと長めなので、テーブルの足元のコンセントが利用できれば、テーブルの上まで届く。あえて言えば、ACアダプタの形がLE-H315本体と一緒にしまいやすい、薄型のタイプだと良かった。
ACアダプタを使っていれば、電池の消耗のことを気にしないですむ。コンセントが確保できるのであれば、ACアダプタで使うと良いと思う。
ACアダプタの入力口は側面にある。裏面に注意が貼られている | ACアダプタは小さめ |
ACアダプタの仕様。100V専用なので国内専用だ。出力は6V | 電池抜きの本体とACアダプタの組み合わせで474g |
■いい製品だが、スタンドが弱点
ごろ寝用の照らし方。こういう形にすると上を照らすことができるので、仰向けに寝て、顔の前に雑誌を捧げて読むときに便利だ |
この製品は、子供の学習用に作られているため、本や資料を読むことにまじめに対応している。一部のLEDデスクスタンドのようなおもちゃではなく、きちんと実用になる製品になっていて好感が持てる。本体の大きさは少し大きめだが、それは紙面をきちんと照らすことが目的だということが分かる。
また、単三電池を使って、ワイヤレスの状態で、どこでも使えるのも便利だ。最近は、フローリングの床でごろ寝をして雑誌を読むときに使っている。電源コードがいらないというのは、かなり便利だ。
製品の質感は、ほどほどだが、デザインはシンプルで、4,000円前後ならば高くは感じない。
惜しいのは、スタンドの関節部分がやや弱いことだ。垂直に立てている状態ならよいが、少し斜めに立てると、スーッと倒れてしまうことがある。また、長く使っていると、さらに緩んできて、垂直以外には立てられなくなる。
この関節の部分は、コインなどで締められるようになっているので、何回かに1回、増し締めをすることで対応できるのだが、製品の品質感を損ねていることは間違いない。もう少し、緩みにくいような構造にして欲しかった。
あと、これは難しいかもしれないが、この本体でエネループが充電できれば、とても便利になる。安全性や互換性を考えなければならないので、簡単ではないと思うが、検討してほしい。
リビング学習にかぎらず、本を読んだり、勉強する際に、ちょっと明るさを補いたいという用途に、ぜひお勧めしたい。
2012年11月7日 00:00