家電製品ミニレビュー

ハーフ点灯でPC作業がしやすいLEDデスクライト

ツインバード工業「照度&人感センサー付き LEDデスクライト LE-H819B」

 仕事や勉強に欠かせないデスクライトも、いまやLEDが当たり前になってきた。しかも、LEDが光源になっても「十分な明るさ」、「高い配光性」に「演色性」の三拍子が揃った製品が続々と登場してきている。

 そんな中から、デスクライトに求められる実力を十二分に備えつつ、さらにLEDだからこそできる機能を搭載した、ツインバード工業の「照度&人感センサー付き LEDデスクライト LE-H819B」を紹介しよう。

メーカーツインバード工業
製品名照度&人感センサー付き LEDデスクライト LE-H819B
希望小売価格オープンプライス
購入場所yodobashi.com
購入価格19,800円

 LE-H819Bの特徴は、見開きの新聞全体を余裕で明るく照らせるのはもちろん、デスク上面を手前と奥に二分して照らす「ハーフ点灯」というユニークな配光機能を備える。さらに、4~100%の10段階の調光ができるだけでなく、周囲の照度に合わせて机上の明るさを一定に保つ「自動調光」、離席した時には勝手に消灯してくれる「人感センサー」と、LEDらしい機能が揃う。

組立は超簡単。コイン1枚でできる

 LE-H819Bの組み立ては超簡単だ。ベースのくぼみに本体を合わせ、ネジで留めるだけで完了する。コインが1枚あれば、ドライバーを用意する必要はない。組み立てが済んだら、電源ユニットに電源コードを差し込めばOKだ。

 ベースの大きさは180×235×15mm(幅×奥行×高さ)と大きめだが、その分安定感がある。本体に操作部が集中しており、プッシュ式のボタンが並ぶ。アームの長さは約350mmで、光源部となるセードの大きさは335×95×21mm(同)だ。幅はあるがLEDらしく薄い。

開梱した様子。左から、本体、電源コード、ベース。本体コードの長さは約0.9m、電源コードは1.8m
組み立ては本体とベースを一本のネジで留めるだけ。コイン1枚でできる
あっという間に組み立てが終わる。製品の重量は約2.3kg

 セードの上面には、天井からの明るさを感知する「照度センサー」があり、セードの可動部付近に人感センサーが装備されている。人感センサーは、アームの向きと同じ方向を向いているので、正しく感知させるためには自分に向けるように設置する必要がある。

 全体的なデザインは、スタイリッシュというより、実用性を重視している印象だ。アームがガッシリとしており、セードがブレにくい。操作部やセード上面は、ヘアライン仕上げが施されており手垢が目立ちにくい。

 嬉しい工夫として、操作部にUSB給電口がある。点灯消灯にかかわらず、デスク上で携帯電話、スマートフォンやiPhoneの充電が簡単にできる。ベースは大きめだが、表面が平らなので、充電中の端末を安定して乗せられる。ACアダプター式でも、一般的なプラグが付いているコードを採用しているので、コンセントを選ばないだろう。

全ての操作が一箇所に集中している。とてもわかりやすい
セード上面に「照度センサー」(上)、セードの可動部付近にある白い球体が人感センサー
操作部にUSB給電口がある。本体から直接、スマートフォンやiPhoneの充電ができ、平らなベースの上に置ける

大型ディスプレイの邪魔をしない、十分な可動範囲

 本体がベースに固定されており、人感センサーを座る方向に向ける必要はあるが、それを補うだけの十分な可動範囲がある。

 可動箇所は4つ。アームは上下に約70度、セードは約30度の範囲で傾き、セードは水平に約180度回転するだけでなく、約180度の範囲でひねることもできる。セードの位置は、デスク面から約240~565mmの範囲で高さが調節できる。

アームは上下に約70度(左)、セードは約30度傾けられる
セードは180度の水平回転ができ(左)、180度のひねりも加えられる

 実際に奥行60cmのデスクの端に本製品を置いてみたが、セードの向きはデスク長辺と平行なまま、デスク中央の真上500mmに難なく調節できた。これなら、24インチクラスの大型ディスプレイを使っていてもセードが邪魔することはないだろう。「平行アーム」が採用されているので、高さを変えてもセードの角度が変わらないのが嬉しい。

 アームと本体、本体とセードの可動箇所の、固さの調整も簡単だ。こちらもコインが1枚あれば簡単にできるので、ドライバーもレンチも必要ない。

奥行60cmのデスクの端に置いて、セードをデスク面の長辺と平行にしたまま、大型ディスプレイの邪魔になら高さに簡単に調節できる
可動箇所のヒンジの固さは、コインで簡単に調節できる

見開きの新聞以上の広さが照らせる高い配光性。ハーフ点灯でも明るさが落ちない

 いよいよ点灯してみよう。入/切スイッチを押すと、パッと点灯する。奥行600mmのデスク全体に光が広がる印象だ。申し分なくバッチリ明るい。

 光源の高さを450mmにし、見開きの新聞を照らしても、上下左右にたっぷり光が広がっているのがわかる。光源の真下の明るさを計測すると、948lx。細かな文字もはっきりと見え、細かな手作業にも十分過ぎるほどの明るさだ。光がたっぷり広がるので、A1サイズ(841×594mm)の図面なども余裕で照らせるだろう。多重影もできにくく、影の輪郭もさほど強くない。

全灯(配光)で点灯した様子。奥行600mmのデスクの手前から、奥の壁面までたっぷり光がたっぷり広がる
セードの高さ450mmから見開きの新聞を照らした様子。新聞全面をはみ出して上下左右にまで光が届く

 次に、「ハーフ点灯」で配光を変えてみよう。操作は簡単で、本体操作部の「配光」ボタンを押すだけだ。本体を左側に置くと仮定して、ボタンを押すたびに「ハーフ点灯・手前」→「ハーフ点灯・奥」→「全灯」の順に変化する。セードに触らずに、デスク上の半分だけが照らされるようになる。ハーフ点灯時、最も明るいところの照度は903lxで、全灯時の直下と遜色ない明るさだ。

 ハーフ点灯の仕組みは、セードに独立した2つのLEDユニットが、ボタンを押すたびに切り替わる。全灯時は両方、ハーフ点灯時はどちらか片方だけが点灯する。どちらも同じ明るさのシンメトリー設計なので、利き手に合わせて器具をデスク上の左右どちらにでも設置できる。

 調光は、本体操作部の「+/-」キーを押して行なう。4~100%を10段階で調節できる。ボタンを押すごとに明るさが変化し、操作部のインジケーターは5段階で表示する。入/切を含め、操作したあと30秒過ぎると、インジケーターが消える。全灯、ハーフ点灯でも同じように調光できる。消灯する直前の配光、明るさは記憶され、再度点灯した時に呼び出される。

全灯の状態から配光スイッチを押すと、「ハーフ点灯・手前」→「ハーフ点灯・奥」と配光が大きく変化する
全灯とハーフ点灯時の光源の様子と光の向き。ハーフ点灯時は、左側のLEDユニットが右斜め下を照らしている(中央)
調光していない(100%)の明るさ。全灯配光時、セード真下は948lx。ハーフ点灯時、最も明るいところは903lx。いずれも、細かな作業に十分過ぎる明るさが得られる

ハーフ点灯はPC作業時に快適

 実際に使ってみたが、PC作業時のハーフ点灯は、数々のデスクライトをレビューした中でも特に使い勝手が良かった。手元をしっかり明るくできるのに、デスク奥に置いたディスプレイに強い直射光が当たらないので、画面が反射せず、とても見やすい。PC作業により集中しやすくなった。

 時には資料を机全体に広げたり、新聞などの大きな紙面を読んだりするが、スイッチ一つで全灯に切り替えれば紙面全体が明るく照らされるので、ラクに読める。一度器具を設置した後は、スイッチ一つで配光が大きく変えられるので、作業が変わる度にいちいちセードを調節する煩わしさが無くなった。また、作業に合わせた明るさも簡単に調光できる。

 実は、使う前に一つ気になった事があった。全灯時、二つのLEDユニットの光がクロスするように放たれるため、セードの真下にどうしても光のムラができてしまう事だ。

 しかし、実際に使用してみると、その光のムラは特に気にするほどではなかった。というのも、PC作業も読み書きも、最も明るくしたいのは手元。デスク中央に置くキーボードではないのだ。むしろ、手元を明るくするのに、セードを顔の近くまで寄せる必要が無く、眩しさも感じないのは好ましいと感じたほどだ。

 光色は自然な昼白色(5,000K)で、外光とも相性が良い。演色性は昼白色としてRa80は良好と言えるだろう。高演色を謳ったものではないが、仕事や勉強用のあかりとして特に不満を感じなかった。

1,200mm幅のデスクの左隅にLE-H819B配置した様子。ハーフ点灯(上)はディスプレイに光が当たらず、画面からの反射が抑えられる。手元は全灯配光(下)と変わらないほど明るい
全灯時、セードの真下に光源の構造上、光のムラが浮かぶのが気になった。だが、実使用では特に問題は無かった。演色性は良好。ニュートラルな昼白色だ

省エネで長寿命。自動調光と人感センサー併用で、さらに電気代が抑えられる

消費電力は最大で15W、ハーフ点灯ならば半分の電気で済む。自動調光にすれば、電気代も抑えられる(下)

 LE-H819BはLEDのデスクライトなので、電気代も安く抑えられる。消費電力をワットチェッカーで計測すると、全灯配光の最大の明るさで15W、最小で0W(計測不能)だった。ハーフ点灯にすれば、最大の明るさでも半分以下の7Wになる。最大の明るさを10として調光すれば、明るさ3(9%)の段階で0Wになった。

 よほど細かな作業をしない限り、デスク上の明るさは300lx前後あれば十分なので、通常は明るさ5(25%)で点灯している。その時の消費電力は、全灯(配光)ならば3W、ハーフ点灯は1Wだった。毎日8時間点灯しても、明るさ5の全灯の1カ月の電気代はたったの16円で、ハーフ点灯なら5円という試算になった。消灯時、製品説明のHPによれば、0.5Wとわずかながら電力を消費するという。試算では年間で30円強になる。

 自動調光、人感センサーを活用すれば、さらに効果的に電気代が節約できる。特に設定は要らず、それぞれのスイッチを押しておくだけで機能がスタートする。

 自動調光は、室内の天井光(全体照明)や外光の明るさを検知し、調光で選んだデスク上の明るさをほぼ一定に保ってくれる。周囲が明るければ、器具は自動で減光する。

 人感センサーは、デスク前から一定時間離れると、自動で減光→消灯までしてくれ、デスク前に戻れば自動で点灯してくれる。

 どちらも、調光、入/切の操作から開放してくれ、無駄な電気を自動で省いてくれる便利な機能だ。なお、どちらを起動していても、点灯、消灯にかかわらずワットチェッカーに表示される消費電力に変化はなかった。

 さらに、LEDの光源寿命は40,000時間。面倒なランプ交換の手間も無く、1日8時間の使用でも14年と長い期間使い続けられる。点灯中の光源部はほとんど熱も感じられず、ノイズも無い。長時間使用していても快適だ。器具のそばに置かない限り、AMラジオにノイズも入らなかった。

自動調光をONにすると天井光(全体照明)の有無にかかわらず、デスク上の明るさはほぼ同じになる。周囲の明るさに応じてLE-H819Bが自動で減光する。ハーフ点灯、全灯でも同じ結果だった
天井光が無くても(左)あっても(右)、デスク面の明るさはほぼ同じと言っていいだろう
人感センサーをONにしてデスク前から人が居なくなると、2分後に明るさは半分になり、さらに1分後には自動消灯する。デスク前に戻れば自動で点灯する

 価格は高価な部類に入るが、作業内容や周囲環境にピタリとハマる使い勝手は、これまでのデスクライトの中でも群を抜いている。長く快適な光環境を整えられる、実用性の高い仕事用の照明器具をお探しなら、是非ともお勧めしたいLEDデスクライトだ。

藤原 大蔵