家電製品ミニレビュー

パナソニック「ラムダッシュ ES-LV90」

~肌にやさしく深剃りできる、洗浄器付き5枚刃シェーバー
by 片岡 義明
パナソニック「ラムダッシュ ES-LV90」

 電気シェーバーというと、メーカーごとに2枚刃や3枚刃などさまざまなタイプが用意されているが、今回紹介するパナソニックの「ラムダッシュ ES-LV90」は、なんと5枚刃が搭載されているモデルだ。

 パナソニックのシェーバーのカタログを見ると、1枚刃から5枚刃まですべてのグレードが揃っており、ES-LV90はその最上位にあたる。

 


メーカーパナソニック
製品名ラムダッシュ ES-LV90
購入場所Amazon.co.jp
購入価格28,887円

 ES-LV90のヘッドは、一般的な3枚刃の両側に1枚ずつ刃を加えたような構成になっており、ヘッドそのものはかなり巨大で威圧感がある。この5枚刃により、肌への接触面積が従来の4枚刃に比べて拡大し、接触圧力が分散されることで平均圧力が約13.2%下がって肌への負担が軽減されるという。

 筆者は昔から肌が弱めで、電気シェーバーを使うとヒリヒリした感じになることが多いので、肌への負担が軽くなるのは大歓迎だ。

パッケージ背面には充電用の接点がある


自在に動いて顔に密着する5枚刃搭載の大きなヘッド

 ES-LV90の本体サイズは72×52×161mm(幅×奥行き×高さ)、質量は約200g。背面にはキワゾリ刃を搭載しており、キワゾリ刃用のノブを動かすとヘッドを動かないように固定することも可能だ。

ヘッドの動きをロックできるキワゾリ刃用のノブノブを下げるとキワゾリ刃が出る

 5枚刃の外刃については、外側の2枚がヒゲを根本からとらえる「フィニッシュ刃」、内側の2枚がアゴ下の寝たヒゲをすくい上げてとらえる「くせヒゲリフト刃」、真ん中の1枚が長めのひげをカットして他の刃へとつなぐ「スリット刃」と、役割がそれぞれ異なっている。

 内刃には、切れ味のよい「ナノエッジ内刃」を採用。モーターは濃いヒゲでもパワーダウンしない「リニアモーター駆動」で、スイッチをオンにすると甲高いモーター音を発して動き出す。スイッチはロックリングで固定することも可能で、持ち運ぶときに不用意にモーターが動き出すことのないよう配慮されている。

5枚刃を搭載した外刃切れ味のよいナノエッジ内刃
取り外した外刃を裏から見たところロック機構を搭載したスイッチ

 バッテリーには、リチウムイオン充電池を搭載。本体の液晶表示で充電残量を細かく確認できるので、バッテリーの管理がしやすい。バッテリーの残量表示は、0~100%までの10段階のデジタル表示と、5段階のバー表示で知らせる。バッテリー残量が10%以下になると、催促マークが点滅する。

 使用時間も1秒~9分59秒まで1秒単位で表示するのでわかりやすい。10分以降は、また0秒からカウントする。

液晶でバッテリー残量を表示使用時間も表示

 スイッチを2秒以上押すと、クリーニング用の音波洗浄モードとなり、音波洗浄マークが点灯する。クリーニングのやり方は、外刃を水で濡らしてハンドソープまたはクリーニング液を付けて、音波洗浄モードにして数秒間、泡立てる。その後、本体と外刃、内刃を流水ですすぎ、乾燥させた上でオイルを付ければOKだ。

 このほか、約1年間の使用ごとに刃の点検時期を知らせる刃点検催促マークや、洗浄充電器または音波洗浄モードによる洗浄をすすめる洗浄催促マークなども表示される。

ハードケースが付属ハードケースを閉じた状態


肌への優しさと深剃り性能を両立

 実際にヒゲを剃ってみると、 5枚刃という威圧感のある見た目からは想像も付かないほど肌に優しいことに驚かされる。可動音は甲高く、キワゾリで耳の辺りに持ってくると多少うるさく感じるが、慣れればそれほど気にならない。モーター音の中、「チリチリ」という音を発しながら深剃りしているのがわかる。

 ヘッドが顔の凹凸に追従する「密着トレースヘッド」という機構も気に入った。上顎から下顎へと移動させるときに顔の曲面に合わせて肌に吸い付くようにヘッドが動くので、効率よく剃れる。ヘッドがかなり大きいので、ヒゲと揉み上げの境界線の辺りを剃るときにやりにくいかもしれないとも思ったが、実際に使ってみるとそのようなこともなかった。ヘッド自体かなり軽く、見た目よりもはるかに軽快に使える。

 筆者は普段、ブラウンの「スマートコントロール3 4846(以下、4846)」という 3枚刃の普及機を使っている。念入りに剃った場合に4846だと顔がヒリヒリすることがあったが、ES-LV90では長い時間剃ってもそのようなことがな く、筆者の肌質にはかなり合っているようだ。

 また、深剃り性能もかなり高く、4846で剃り終わったあと、さらにES-LV90で剃る と、チリチリとした音が立つので、剃り残しがあることがよくわかる。筆者の場合、最も剃り残しが気になるのは下顎のヒゲなのだが、剃り終わったあと手で触ると4846よりもザラザラ感がずっと少なかった。

 

充電かつ洗浄してくれる洗浄充電器は便利。1日当たりのコストは約20円

 ES-LV90のもう1つの魅力は、全自動洗浄充電システムが付属する点だ。剃り終わったら「洗浄充電器」にセットするだけで自動的に洗浄・充電が行なわれるため、次に使う際にも電池の残量を気にすることなく、常に清潔さを保ちながら使えるのだ。

 洗浄充電器を使う場合は、あらかじめ水タンクへの給水と、洗浄剤カートリッジをセットする。水タンクに入れる水には水道水を使用。水は洗浄剤を取り替えるのと同じタイミングで交換する。洗浄液には潤滑成分が含まれているため、専用オイルなどを別途付ける必要はない。

 洗浄剤および水の交換時期は、ヒゲの濃さにもよるが目安として約30日分とのこと。専用充電器の前面にある赤いCHECKランプが点灯したときか、CHECKランプが点灯しなくても洗浄剤をセットしてから半年が経過したとき、または洗浄液が下限ラインよりも少なくなったときが替え時だ。

 なお、専用洗浄剤のカートリッジは3個入りで1,838円。毎日使用したとすると単純計算で、1日あたり約20円のコストとなる(電気代除く)。

全自動洗浄充電器前面にはランプやボタンを搭載コンパクトなACアダプター
洗浄剤のカートリッジ水タンクを背面にセット充電中の状態

 洗浄充電器は、差し込むだけで洗浄/乾燥/充電が自動的に行なわれるのでとても便利だが、気になったのは、洗浄充電器で洗浄している時の音が「ブーン」とかなり耳障りな点。乾燥用ファンの動作音も小さくはない。とはいえこの音は、洗面所などに置く分には、あまり気にならないだろう。


洗浄中。甲高いモーター音がやや気になる

 

 充電の際は、まずACアダプターの器具用プラグを洗浄機に差して、本体のキャップを取り外して洗浄機に差し込み、ACアダプターをコンセントに指すと液晶が点灯する。本体を差し込んだデフォルトの状態では充電だけを行なう「充電」コースになっており、洗浄充電器のSELECTボタンを押すごとに「全自動」コース、「乾燥+充電」コースへと切り替えられる。

 「全自動」コースは洗浄が10分、乾燥が80分(気温が約15度以下の場合は170分)、充電が0~60分。「乾燥+充電」コースは乾燥が180分、充電が0~60分。どのコースを選択した場合でも、充電は必ず行なわれる。水タンクや洗浄液をセットしていない状態や、洗浄液のチェックランプが点灯中の状態でも、充電だけを行なうことは可能だ。

 ACアダプターの器具用プラグを直接本体に接続すれば、洗浄充電器を使わなくても充電することが可能なので、旅行の際にはACアダプターだけを持ち歩けばOKだ。また、ACアダプターを接続したままスイッチを入れれば、交流式のシェーバーとしても使用できる。

シェーバーを差し込むだけで充電開始

置き場所に余裕があるなら洗浄機付きモデルを

 ES-LV90は防水仕様なので、シェービングフォームを使ったウェット剃りも可能。しかし、ドライでも十分なくらい剃り味が優しく、それでいて高次元の深剃りが可能なシェーバーだ。

 なお、ラムダッシュには「ES-SV61」という、洗浄機が付かない5枚刃モデルも発売されているが、洗浄機付きタイプの方が便利に感じた。何しろ、シェーバーのメンテナンスもしてくれるついでに充電までしてくれるので、使っていてラクなのだ。洗浄機の置き場所があるのであれば、こちらをお勧めしたい。

 またES-SV61は、“お風呂剃り”モデルということで、ACアダプターを付けたままでの使用ができない。本製品では問題なくできるので「シェーバーは交流式」という人にもお勧めだ。

 ともあれ、ラムダッシュの5枚刃は、肌にやさしく深剃りできるシェーバーだ。現在使用しているシェーバーの深剃り性能に不満な人や、普及機から高級機への買い換えを考えている人にはぜひおすすめだ。






2011年11月10日 00:00