家電製品ミニレビュー

サンジェルマン「GENTOS スーパーファイアX リチャージブル」

~“節電の闇”を照らす、充電式の強力LEDハンディライト
by 正藤 慶一
サンジェルマン「GENTOS SuperFire X Rechargeable SF-505XR」

 最近は節電の影響から、夜道の街灯が消えていることが多い。「安全のために点けておいてくれよ」と言いたくもなるが、「このご時世、仕方ないか」とも思えるし、複雑な気分だ。

 ともかく、自分で明かりを用意すれば解決する問題なので、何か良いライトはないかと探したところ、サンジェルマンのGENTOSブランドから出ているハンディライト「SuperFire X Rechargeable(スーパーファイアエックス リチャージブル) SF-505XR」を使ってみることにした。



メーカーサンジェルマン
製品名GENTOS SuperFire X Rechargeable
(スーパーファイアエックス リチャージブル)
品番SF-505XR
購入店舗楽天市場
購入価格8,800円

 このライト、製品名に「Rechargeable」とあるように、充電式である点が特徴だ。今回の震災では、電池の在庫がない事態が起こってしまったが、これなら家庭のコンセントに繋ぐだけで充電できる。さらに、車のシガーソケット用のアダプタも付いているので、いざとなれば車でも充電できる。2008年に発売された製品ではあるが、充電式のハンディライトは一度も使ったことがないので、ここで試してみよう。

 到着した製品のパッケージは大きく感じられたが、それもそのはず、付属品が多いのだ。本体に加え、専用の電池、ポーチ、充電用のアダプターに、ACケーブル、シガーソケット用のケーブルが同梱される。

パッケージは大きめ中には、電池や充電ツールなどパーツがたくさん入っていた本体サイズは214.5×33.6mm(長さ×直径)と、やや大きめ
電池はパッケージに付属のニッケル水素電池を使用する。電池容量は2,000mAh

 まずは、付属の電池を本体内に入れよう。電池は細長く、表面に「Ni-MH」と書かれているようにニッケル水素電池だ。容量は2,000mAhで、繰り返し使用回数は約500回。充電時間は約3時間半と短い(ただし、初回のみ16時間の充電が必要)。電池はライト本体の“お尻”から投入する。

 本体は214.5×33.6mm(長さ×直径)と、一般的のハンディライトと比べると大きめではあるが、電池の長さからすると妥当かもしれない。電池を含んだ重量は約220gで、単三や単四を電源とするハンディライトと比べれば重いが、単一電池を使う懐中電灯よりは断然に軽い。本体には滑り止めやストラップも付いており、持ちやすい。

 とりあえず点灯させよう。電源スイッチは持ち手部分のやや先端側の黒いボタンになる。プチっと押すと一瞬で点灯した。うわっ、これはものすごく明るい! 明るさ(全光束)は136lmで、これよりも明るいハンディライトはたくさんあるが、室内では強烈な明るさが感じられる。光は白色だ。

点灯すると、とても明るい! 写真は約50cmほど離れた壁を照射しているところ
点灯中の光源部分。肉眼では直視できないほどの明るさだ

 消灯して先端のLEDを見ると、LED自体は約5mm四方のチップが1枚あるだけと、とにかく小さい。それでいてこの明るさはすごい! LEDの周囲にある反射板の効果か、光も遠くまで届いている印象だ。

 ちなみに、ボタンを押して2秒以内にもう一度押すと、明るさを抑えた「Lowモード」になる(通常点灯は「Highモード」)。これでやっと普通のハンディライトレベルの明るさになる。さらに、ボタンを5秒長押しすると、点滅する「フラッシュ点滅モード」に変わる。いずれのモードも、ワンプッシュで消灯できるのは地味に便利だ。

消灯時の光源部カバーを外したところ。LEDチップは約5mm四方ととても小さいが、明るさは強烈
部屋の隅を照らしてみた。こちらは単一電池を2本使用する懐中電灯。明るさはイマイチだ。なお、照射位置からは約3メートルほど離れている(以下同じ)同じ位置をSuperFireXで照らしたところ(Highモード)。懐中電灯ではあまり映らなかったサーキュレーターとエアコンがはっきり写っている
こちらはLowモード。室内の暗がりを照らすのであれば、Lowモードで十分だろう

 さっそく夜道に出て使ってみたが、ものすごく明るいので心強い。足元はもちろん、遠くまで光が届くため、暗くてもまったく困らない。Lowモードでも十分に明るいので、街灯がある場合はLowモードでも十分かもしれないが、街灯がまったくない場合はHighモードが適しているだろう。

 フラッシュモードも使ってみたが、これはHighモードの光で点滅するため、かなり強烈な印象だ。車の通行量が多い場所でも、きっと気づかれることだろう。


雨の夜道を、懐中電灯で照らしながら歩いているところSuperFireXのHighモードで夜道を歩いているところ。かなり明るく、頼もしい。車や自転車からの視認性も高いだろう。なお、本製品は防水仕様でない点はご注意いたd

こちらはLowモード。撮影したポイントのように街灯があるなら問題ないが、真っ暗闇となるとパワー不足かもしれないフラッシュ点滅モードは、夜道では非常に目立つ。車の通行量が多い場所には向きそうだ

 説明書によると、Highモードの寿命は約4時間半とのこと。試しに4時間ほと点灯しっぱなしにしたところ、ライトが一切点灯しなくなった。撮影時に合計30分間ほど点灯していることを考えれば、時間ピッタリといったところだ。4時間半は短いかもしれないが、フラッシュ点滅なら約10時間、Lowモードなら約18時間も持つ。長時間点灯させたい場合は、Lowモードで使うのが賢い用法だ。長時間の点灯による熱の心配もなく、LED部分がほんのりと熱くなる程度で、持ち手部分が熱くなることはなかった。

 明るさばかりに気を取られていたが、話を充電に移そう。充電は本体に充電用のアダプターをつなげて、アダプターにACケーブルまたはシガーソケット用ケーブルをつなげるだけ。とても簡単だ。電源ボタンの下にコネクタの穴が用意されているが、回転カバーが付いているため、普段は隠すことができる。

 充電時の消費電力を測ってみたところ、4Wと非常に少なかった。これは一般的なLED電球よりも少ない数値だ。充電時間も3時間半と短いので、電力需要に負担はかからないだろう。なお充電中は、電池が満タンだろうと、ライトは点灯しない。

ACアダプターで充電中のようす。本体のスイッチの下部分に、アダプターの差込口が設けられている。なお、充電が完了すると、アダプターのランプが赤から緑に変わる充電中の消費電力は4Wで、よくあるLED電球よりも少ない

 機能的には何の不満もない製品だが、お金の面で割高感がある。ネット通販の価格は8,000円台が相場で、安いところでも6,000円台。これなら、電池駆動のハンディライトを買って、電池を充電池に変える方がお得のようにも思える。

 ただし乾電池型で充電池を使う場合、本体から電池を出し、充電器にセットしてさらに何時間も待つ必要があり、面倒臭い。一方でこのSuperFire Xなら、本体にコードを差し込んで約3時間半待つだけ。充電完了後は、コードを外すだけですぐに使える。この手軽さは、乾電池式にはないメリットだ。

カラビナ付きのポーチも同梱される。持ち運びに便利だ

 最後になってしまったが、本製品はカラビナ付きのポーチが付いているため、バッグやズボンに装着して持ち運ぶのも便利だ。明るいし充電もラクなことも合わせると、物置や倉庫といった屋内はもちろん、ちょっとした散歩や夏の旅行などの外出にも積極的に使えるだろう。

 この夏、日本全体に“節電の闇”が広がるが、この充電式LEDハンディライトを手にすれば、その闇を恐れずに前に進んでいけるはずだ。






2011年6月21日 00:00