家電製品ミニレビュー
パナソニック「音波振動ハブラシ ドルツ イオン EW-DE41」
パナソニック「音波振動ハブラシ ドルツ イオン EW-DE41」 |
昨年からじわじわと、周りで電動歯ブラシ愛用者が増えている。特によく見かけるのが、パナソニックの「ポケットドルツ」だ。ポケットドルツとは、持ち運びに便利な小型電動歯ブラシで、私も愛用者の1人だ。
もともとドルツシリーズといえば、高速音波振動を搭載した高級機種。今回、シリーズの最上位機種に「音波振動ハブラシ ドルツ イオン EW-DE41」が加わったので、さっそく試してみることにした。
メーカー | パナソニック |
製品名 | 音波振動ハブラシ ドルツ イオン EW-DE41 |
希望小売価格 | オープン |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 12,980 円 |
EW-DE41は、ブラシから歯へ微弱な電流を流し、歯垢を取りやすくしながら磨き上げる音波振動歯ブラシだ。本気でオーラルケアに取り組む人、特に歯垢を歯垢をしっかり除去したい人向けの製品である。
イオンの力でブラシから歯へ微弱な電流を流し、歯垢を取りやすくする | 歯垢をしっかり取りたい人向けという | ブラシと3つのモードについて記載されている |
本体サイズは約25×30×209mm(幅×奥行き×高さ)で、本体重量は、ブラシを付けていない状態で約120g。手になじみやすいサイズで、長めに歯磨きする時でも手が疲れなさそうだ。
ブラシは、山切りヘッドの「イオン用ダブルエッジブラシ」と、歯ぐきケア用の「イオン2Wayシリコンブラシ」、細い先端が歯の隙間に入って磨ける「やわらか歯間ブラシ」の3つが用意されている。
本体に「イオン用ダブルエッジブラシ」を取り付けたところ | 握りやすい太さだ |
1番左がEW-DE41。愛用中の2本の電動歯ブラシよりもやや大きめ | 3つのブラシが付属。左から、やわらか歯間ブラシ、イオン2Wayシリコンブラシ、イオン用ダブルエッジブラシ |
セットにはケースと充電器、ブラシ立てが付属する。ケースはブラシが2本収納可能で、軽くて持ち運びやすいプラスチック製だ。充電器は歯ブラシスタンドとしても使える。
プラスチックのケース付き。ブラシが2本おさまる | 持ち運びに便利 |
ブラシ立て。4本まで立てられる | 充電器兼歯ブラシ立て。歯ブラシ本体とブラシが2本立てられる |
機能面では、パワフルモード/ソフトモード/歯ぐきケアモードの3つのモードがある。しっかり磨きたいときから、歯ぐきが弱っていてやさしく磨きたい時まで、幅広く対応している。
■ガシガシ磨きたい時に ~イオン用ダブルエッジブラシ
まずはもっとも一般的な歯ブラシに近い、イオン用ダブルエッジブラシを使ってみよう。ダブルエッジブラシは、ブラシの両端の毛が長くなっていて、歯の形に合わせてしっかり磨くことができるブラシだ。
毛の長さが微妙に違う。これにより、歯の表面のデコボコにフィットする | まずはイオン用ダブルエッジブラシで磨いた |
スイッチを入れると、電動歯ブラシ独特の「ウィーン」という音が響き渡って、本体が小刻みに震えだす。音は比較的低音で落ち着いており、耳障りではない。
ガシガシ磨くのが好きなので、パワフルモードに設定。口に突っ込んで歯に当てると、キメ細かな振動がブルブルきた。
実は、ここまで本格的な電動歯ブラシを使うのはこれが初めて。これまで使っていたポケットドルツとは振動のキメ細かさが比べものにならない。ポケットドルツが乾電池で動くという違いもあるが、EW-DE41は高周波による振動で、振動数は1分間に約28,500回。ポケットドルツと比べても1.5倍近い値である。
さらにブラシの動きの幅も、ポケットドルツが約0.3mm幅なのに対し、EW-DE41だと約0.9mm幅で、振動する幅も大きい。歯磨き粉をブラシの先につけて、スイッチを入れるたところ、「ババババッ」と歯磨き粉が飛び散って、驚いた。振動が強いので、口に入れてからスイッチを入れねばならない。
30秒ごとに運転が一瞬止まり、自分がどれだけ時間をかけて磨いているのかがわかるようになっている。これをきっかけにして磨く場所を移していくのだ。磨き終わってから歯の裏に舌を当てると、歯の裏がザラザラしていた。これは、歯医者に行って磨いてみた時の感触と同じだ。普段落ちにくい歯の表面の汚れや歯垢までしっかり除去できたので、歯の表面の本来の凹凸が現れたのだ。イオンの力でへばりついた歯垢を剥がれやすくし、高周波の振動数と振動幅で磨き上げるということを実感できた。自分の手で、ここまでの磨き上げ感を味わえたのは初めての経験だった。
■普段取れない汚れも取れる ~やわらか歯間ブラシ
EW-DE41のさらに面白いところは、ブラシのアタッチメントとして、小林製薬の「やわらか歯間ブラシ」を取り付けて使えることだ。
やわらか歯間ブラシとは、爪楊枝のように先が尖った使い捨てブラシのこと。細い先端が歯と歯の隙間に入って、食べカスや汚れを除去できるというものだ。その名の通り弾力があって適度に柔らかく、爪楊枝のように歯ぐきに突き刺さって痛いという心配がない。本製品にはあらかじめ交換用のブラシが10本が付属している。
さっそく、専用のアタッチメントに歯間ブラシを取り付けて、本体に装着する。
歯間ブラシを専用のアタッチメントに取り付ける | あらかじめ交換用のブラシが10本が付属している | 普段届かない歯の隙間にも届く |
やわらか歯間ブラシだけで使った時と比べると、振動があるぶん、なんだか気持ち良い。力を入れなくても歯と歯の間の隙間に入っていく感じがする。食後、汚れが歯に詰まっている時に使うとかなりスッキリした。
■歯ぐきをいたわりたいときに ~イオン用ダブルエッジブラシ
力強く磨き上げるだけではない。歯ぐきケアができるのも、EW-DE41の特徴だ。「歯ぐきケアモード」では、イオンで歯ぐきをいたわりながら、振動で刺激を与えることができる。
EW-DE41では、歯ぐきマッサージをする際に専用のイオン2Wayシリコンブラシを装着する。このイオン2Wayシリコンブラシは、表と裏でシリコンのひだの太さが違う。シリコンのひだはブヨブヨとしていて柔らかい。
イオン2Wayシリコンブラシ。こちらはひだが細い方 | こちらはひだが太めで、細い方より若干強く振動が伝わった |
イオン2Wayシリコンブラシの振動の様子。ひだの動きに注目 |
歯ぐきケアモードでスイッチをいれると、「ウィン、ウィン、ウィン…」と独特の振動が始まった。よく見ると、振動のたびにシリコンのひだの先がパカパカ開くようになっている。それを自分の歯ぐきに当てると、やわらかい筆で歯ぐきを叩かれているような、不思議な刺激だ。ブラシの表と裏では、当たった時の強さが違う。シリコンのひだが太い面を当てたほうが、やや強めの振動を感じる。
断続的な振動でケアしているうちに、だんだん振動が心地よくなってきてボーッとしてきた。なんだか“癒し系”というか“催眠術”というか、不思議と気持ちが落ち着いてくるモードなのだ。
ちょうど親知らずが腫れて痛かったので、親知らずの周りの歯と歯ぐきはこのブラシで磨いた。シリコンの柔らかいブラシというのは初めてだったが、意外と用途が豊富だと思った。
ほかにも唇の裏側や、舌で試してみた。普通の歯ブラシだと、歯ぐきはもちろん、舌や唇の裏側のようなやわらかいところには、突き刺さって痛い。このシリコンのブラシなら、舌や歯ぐきの柔らかいところにあてても痛くないし、食べカスなどの汚れも取れた。
これまでは歯磨きというと、ガシガシ磨くことばかりに気をとられて、歯ぐきケアにはなかなか気が回っていなかった。“オーラルケア=磨くこと”だという固定観念があって、歯磨きに癒しやいたわりを求めてこなかったとも言える。今回、このEW-DE41を使ってみて、オーラルケアはしっかり磨くことだけではないこと、やさしくいたわるということオーラルケアの1つの方向性なのだと、気づかされた。
歯ぐきケアモード中。歯ぐきをくすぐられているような感覚 | 歯ぐきケアをしていると、振動が心地よくてだんだんボーッとしてきた |
ある日、居間でEW-DE41を使っていたら、隣で父も強い興味を示していた。父は加齢に伴い歯ぐきが下がってきて、食べカスなどの汚れが詰まりやすい。外食時には爪楊枝が欠かせないという。歯ぐきケアややわらか歯間ブラシが使えるEW-DE41は、ガシガシ磨きたい人だけではなく、歯や歯ぐきをいたわりたい熟年層にもピッタリだと思う。
今回のEW-DE41のような製品からポケットドルツまで、電動歯ブラシは機能もデザインも多様化してきている。まずは自分が特にどこを磨きたいか、どこをいたわりたいのかを把握することが大事。オーラルケアを重視する人はぜひ、最適な1本を探してみてはいかがだろうか。
2011年4月18日 00:00